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注目映画紹介:「LUCY ルーシー」 脳が100%覚醒したヒロインをヨハンソンが氷の表情で演じる

 リュック・ベッソン監督の最新作でパリ、ニューヨーク、台北を舞台にスカーレット・ヨハンソンさんを主演に迎えて初タッグを組んだアクション大作「LUCY ルーシー」が29日に公開される。全米でベッソン監督のキャリア史上最高のオープニング興収を記録した話題作で、通常10%しか機能していない脳が100%に覚醒してしまったヒロイン・ルーシーをヨハンソンさんが演じている。その他、脳科学者役でモーガン・フリーマンさん、マフィアのボス役でチェ・ミンシクさんが出演。

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 ルーシー(ヨハンソンさん)はボーイフレンドから台北市内のホテルにかばんを届けてほしいと頼まれたことで、マフィアの闇取引に巻き込まれてしまう。マフィアのボス(ミンシクさん)に促されてかばんを開けてみると、いくつかの袋が入っていた。争いの中で気を失ったルーシーがふと目覚めると、おなかに傷痕があり、「本国に帰る手はずになっている」と告げられる。マフィアは袋を海外へ密輸するため、人間の体内に埋め込んだのだ。しかし、ルーシーの体内に埋め込まれた物質が漏れ出すアクシデントがあり、脳が覚醒。強大なパワーに目覚めたルーシーは、物質が世界に拡散するのを防ぐ使命にかられ、警察に通報し、脳科学者の権威ノーマン博士(フリーマンさん)のいるパリへと旅立つ。しかし、マフィアの一行がルーシーの元に迫って来ていた……という展開。

 弱さもある普通の女性から、新型ドラッグによって脳が覚醒していくに従い、知能も肉体も予想を超えた能力を発揮させていくヒロイン・ルーシー。追っ手のマフィアから逃げながら、目的に向かって一直線に駆け抜けるクールさにはドキドキさせられる。屈強な男を投げ倒すのは序の口、外国語を簡単にマスターし、自らの細胞もコントロールでき、空中を飛び交う電波までも見えてしまう。ルーシーはどんどん強くなるのに比例して人間らしい感情を失っていく。ヨハンソンさんは氷のような表情でキビキビと行動するため、見ていて少々怖さを感じるものの、なんともスリリングだ。「悪魔を見た」(2010年)「新しき世界」(13年)のミンシクさん演じる冷徹極まりないマフィアのボスと、ルーシーが対峙(たいじ)するシーンはゾクゾクするほどのスリリングさだ。ルーシーの五感を表すスタイリッシュな映像がハイスピードで流れ、人類の進化を瞬時に体感させられて鮮烈な印象を残す。29日からTOHOシネマズ日本橋(東京都中央区)ほか全国で公開。(キョーコ/フリーライター)

 <プロフィル>

 キョーコ=出版社・新聞社勤務後、闘病をきっかけに、単館映画館通いの20代を思い出して、映画を見まくろうと決心。映画紹介や人物インタビューを中心にライターとして活動中。趣味は散歩と街猫をなでること。

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