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ホラーマンガの巨匠・楳図かずおさんが初めて監督・脚本を担当し、歌舞伎俳優の片岡愛之助さんが「楳図かずお」役で主演する楳図さんの自叙伝的内容の映画「マザー」が27日から全国で公開される。楳図作品のファンとして知られるタレントの中川翔子さんが友情出演し、主題歌を担当している。
映画は「おろち」「へび少女」など数々のホラー作品を世に送り出してきた楳図さんの創造の秘密を数奇な人生を送った美しい母を描くことで探っていく自叙伝的なストーリー。マンガ家・楳図かずお(愛之助さん)のもとに、ある出版社から「生い立ちを本にしたい」という話が舞い込む。担当編集者のさくら(舞羽美海さん)は、楳図独特の創作の原点には、亡くなった母・イチエ(真行寺君枝さん)の影響が大きいことを知り、調査を進めるが、やがて周囲で次々に怪奇現象が起こり始める……という展開。
床をはいずり回るへび女、恐怖におののく美少女……など楳図作品のモチーフが次々と登場し、“最恐”の楳図ワールドが展開する。愛之助さん演じる楳図は赤と白のボーダーファッションがトレードマークの目立つ外見からは想像できないほどとても穏やか。怨念(おんねん)の権化と化した“激しい”母とは対照的に描かれる。真行寺さん演じる母は、楳図作品に登場する多くの“母”のように“怖美しい”が、楳図と生前の母とのエピソードが多くは語られていない分、楳図にとっての母とはどんな存在だったのか、想像力を働かせる余地がある。その中で、楳図作品に特徴的な“美少女”は、楳図と母との関係性において重要な存在だ。白髪だが不自然なほど若く美しい母のビジュアルや、地割れを起こす学校の廊下、次々と起こる怪奇現象などフィクションの要素が強いが、それだけに一層、楳図と母との関係性や母への思いといったリアルの部分が浮き彫りになる。映画を見て、改めて楳図作品を読み返してみたくなった。27日から新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほか全国で公開。(堀池沙知子/毎日新聞デジタル)