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古くは「エイリアン」(1979年)、「ブレードランナー」(82年)、最近では「プロメテウス」(2012年)「悪の法則」(13年)など、数々の話題作を生み出してきたリドリー・スコット監督が、旧約聖書の「出エジプト記」にある、モーゼがヘブライの民40万人を引き連れ、“約束の地”(カナン)を目指す話を、視覚効果と3D技術を駆使して作り上げた「エクソダス 神と王」が30日から全国で公開される。モーゼを演じるのは、「ダークナイト」3部作(05、08、12年)や「アメリカン・ハッスル」(13年)で知られるクリスチャン・ベールさん。モーゼの話といえば、1956年に製作された「十戒」が日本ではおなじみだが、海が二つに割れたあのシーンが今作ではどのように表現されているかを楽しみな人は多いだろう。
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紀元前1300年。エジプトでは、ヘブライ人はエジプト人に虐げられて生きていた。国王セティ(ジョン・タトゥーロさん)のもとで王子ラムセス(ジョエル・エドガートンさん)と兄弟同然に育ったモーゼ(ベールさん)は、あるとき、ヘブライ人奴隷のヌン(ベン・キングズレーさん)から、自分がヘブライ人奴隷の子であることを聞かされる。やがてその話はラムセスの耳にも入り、モーゼはエジプトから追放されてしまう。数年後、「同胞を助けよ」という声に導かれたモーゼはラムセスのもとを訪れ、ヘブライ人の解放を求めるが…という展開。
まさに、「スペクタクル」という言葉がふさわしい作品だ。スタッフの一人が今作の製作規模について、スコット監督の過去の歴史大作「グラディエーター」(00年)、「キングダム・オブ・ヘブン」(05年)、「ロビン・フッド」(10年)の3本を足しても及ばないと語ったようだが、その言葉通りの仕上がりだ。ピラミッドや当時建設中のスフィンクスなどの歴史建造物を細部まで描き、また、ナイル川が血で染まり、カエルやイナゴが大量発生するなどの「10の奇跡」は、科学的な考察を取り入れて表現されている。カエルは400匹も用意されたというから驚く。モーゼに率いられた40万のヘブライ人がエジプトを後にする光景にも圧倒された。そして、「十戒」では二つに割れた海のシーンの今作における描写について、感想は人それぞれだろうが、個人的には「なるほどなあ」と納得できた。30日からTOHOシネマズ日劇(東京都千代田区)ほか全国公開。3Dも同時公開。(りんたいこ/フリーライター)
<プロフィル>
りん・たいこ=教育雑誌、編集プロダクションをへてフリーのライターに。映画にまつわる仕事を中心に活動中。大好きな映画はいまだに「ビッグ・ウェンズデー」(78年)と「恋におちて」(84年)。
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