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西内まりや:髪形や曲調が変わり今年は変化の1年に「自分の色を確立させていきたい」

 昨年、CDデビューからわずか4カ月で「第56回輝く!日本レコード大賞」の最優秀新人賞を受賞し、歌手として華々しいスタートを切ったモデルで歌手の西内まりやさんが、2枚目のシングル「7 WONDERS」を1月28日にリリースした。前回のロックから一転、打ち込みのEDMサウンドに挑戦し、新たな魅力を発揮している。長い髪をバッサリ切り、ショートヘアも似合うと評判の西内まりやさんに2枚目のシングルについてや今後の活動について聞いた。

 −−2枚目のシングル「7 WONDERS」は、EDM(エレクトリック・ダンス・ミュージック)のサウンド。すでにイベントでも歌って盛り上がっていましたね。

 イベントで歌ったときは、本当に気持ちよかったです。カッコいいしドラマチックな楽曲なので、野外の会場に本当に似合うんですよね。でも最初は、私に歌いこなせるかな?という不安もあったんです。前回よりも音域が広く、ファルセットやビブラートなど歌い方で色を付けなければいけなかったので。その分、練習を積み重ねてレコーディングに挑みました。ライブで歌うごとに、どんどん私の色を重ねていける曲じゃないかって思います。

 −−好きな相手に対する気持ちを歌ったラブソングですが、歌詞はとても大人っぽい雰囲気を感じますね。

 幸せだけど、その中には不安もすごくあって……いつ離れるか分からない不安というか。決して片方だけじゃなくて、お互いに引っ張り合っていないと、恋愛はうまくいかないという、深い部分も表現されています。私の実体験だけじゃなく、いろんな人からそういう話を聞くので、やっぱり恋愛ってそういうことなんだなって。共感する部分もありながら、なるほどと思うところもありつつ、歌っていますね。

 −−バックコーラスも西内さんが歌っているんですよね。

 そうです! 今回、自分の気持ちのいいように歌っていいとディレクターさんに言ってもらえたので、バックコーラスのアドリブや節回しは、自分で考えてやっているところもあります。コーラスは自分の感性が出せるのが好きで、歌っていて本当に気持ちよかったです。

 もともとハモるのが好きで、友達とカラオケに行くと必ず勝手にハモるんですよ。お姉ちゃんと行くと「まりやハモって!」って必ず言われるし(笑い)。ライブだとコーラスまではできないので、CDでしか聴けない声だったりするし、そういう細かいところにも力を入れて歌っているので、すみずみまで聴いてほしいですね。

 −−ミュージックビデオ(MV)はライブっぽい感じの映像になっていますね。

 今回は、ステージで歌っているイメージで撮りました。スタジオで撮ったのですが、私の中では、上にも奥にもお客さんがいるイメージで歌いました。MVではあるけど、ライブを見に来てくださっている感覚で見てもらえたらうれしいです。

 私の中で、理想のライブ像があって。いろんなファッションを楽しんでもらいながら、音楽でも楽しんでもらうというものなんです。例えばライブのステージにランウエーがあったり。楽器もいろいろ練習しているので、弾き語りのパートもあったり、ダンスで魅せるパートもあったり。私らしい、新しいエンターテインメントを作っていけたらいいなって思います。

 −−MVの中ではアップの表情がいいなと思いました。

 自分の中では、顔を作るというよりも、その歌詞を心から自然に歌いたいというのがあって。それは、今まで演技のお仕事もしてきたからこそできる表現だと思っています。苦しい、切ない、恋に落ちたという歌詞を、せりふのように感じて歌っていると、自然と気持ちが乗っかって、そういう顔になるのだと思います。深みのある曲なので、淡々と歌うのは少し違うと思ったし、見ても楽しんでもらえるものにしたいと思ったので、ちょっと恥ずかしいですけど、そうやって細かい表情まで見てもらえるのはうれしいですね。

 −−活動としては、昨年は「どぅんつくぱ~音楽の時間~」、今年は「音楽の時間 MUSIC HOUR」と、音楽番組のMCもされていますが、何か得たものはありますか。

 音楽に携わっている方とお話をすると、とても刺激的です。自分をしっかり持っていて、その人の意見や生きざまがあって……歌や音楽というものは、やはりその人があってこそなんだということを実感します。

 5カ月前までの私は、焦りと不安ばかりで、自分と向き合うことに、とにかく必死でした。自分は今、どういう考えをしているのか、私はどういうふうに生きていきたいのかって。それが歌詞を書く根源だと思うし、そうやって書かれた歌詞はきっと届くんだと思います。なので今は、日々の感性を磨いて、もっといろいろなことを感じながら、思ったことをすぐ書きとめる生活を心がけています。

 −−昨年のクリスマスライブでは、実際に西内さんが作詞・作曲した曲をピアノの弾き語りで披露していましたね。

 ファンの人に、手紙のような感覚で自分の気持ちを伝えたいと思って。せっかく歌手デビューしたわけですから、ちゃんと音を付けて歌で届けたいと思ったんです。自信はなかったけれど、ライブの1カ月前に「曲を作ります!」と宣言して、自分で自分の背中を押して。毎日仕事終わりにスタジオに入って試行錯誤して、なんとか作りました。ギリギリまでかかってしまって、出来上がったのがライブ当日の朝で、マネジャーさんも本番で初めて完成形を聴いたくらいだったんです。

 今後も作詞や作曲は続けて、アップテンポや恋愛もの、悩みや悲しみを癒やしてあげられるもの、共感してもらえて背中を押してあげられるメッセージを込めたものなど、どんどん作りたいです!

 −−そんな西内さんは、4月から放送されるNHKの時代劇ドラマ「かぶき者 慶次」に出演します。時代劇に出るのが夢で、ずっと耳にピアスの穴も開けていなかったと聞きましたが。

 出演が決まったときは、めちゃめちゃうれしかったです! 撮影は朝早かったり、ロケ地が遠かったりと、いろいろ大変なこともありますが、新たな世界に飛び込むんだという気持ちで、気合を入れて頑張っています。

 私は前田慶次の娘、前田佐乃の役で、勝ち気で活発な役柄で、殺陣のけいこもやっています。時代劇ということで、今まで私が演じてきたものとは世界観がまったく違っていて、話すスピードも違うし、その時代ならではの所作もあるので、勉強しながら頑張っています。せりふも「なになにでございます」とか「父上」「母上」とか、普段言い慣れていないから、感情を入れるのが難しいんですけど……。日ごろから、ことあるごとに「私はなになにでございます」とか、いかにナチュラルに話せるか特訓中です。ぜひ楽しみにしていてください!

 −−時代劇に初出演、髪形も映画「レインツリーの国」出演のためにショートヘアになり、サウンドもロックからEDMになって……今年は、新しい西内まりやをどんどん見せる1年になりそうですね。

 そうですね。例えば「7 WONDERS」の初回生産限定盤にはミニフォトブックが付いているのですが、今までと違った少しクール雰囲気で、21歳になった新たな西内まりやを感じてもらえると思います。今までは、わりと女の子っぽいイメージが強かったと思いますけど、実際の私はこういう声だし、性格もサバサバしているし。そういう私の中身をどんどん知ってもらって、西内まりやらしさというものを認識してもらえるように、自分の色を確立させていきたいです。そういうふうに、自分の中で意識がどんどん変わってきているなって、自分でも感じています!

 <プロフィル>

 1993年12月24日生まれ、福岡県出身。ティーン向けファッション誌「Seventeen」のトップモデルを経て、2008年に女優デビュー。昨年は、香取慎吾さん主演のドラマ「SMOKING GUN」にヒロイン役で出演。バラエティー番組でも活躍し、2012年の「ピカルの定理」をはじめ、昨年は「どぅんつくぱ~音楽の時間~」にレギュラー出演。現在は、「音楽の時間 MUSIC HOUR」でMCを務めている。4月9日に放送スタートするNHK木曜時代劇「かぶき者 慶次」に前田佐乃役で出演。秋に公開の映画「レインツリーの国」で、ヒロイン役で映画初出演を果たす。3月22日に福岡国際センターで開催する「FUKUOKA ASIA COLLECTION 2015 SPRING−SUMMER」に出演する。

 (インタビュー・文・撮影:榑林史章)

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