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NHKのBSプレミアムで4月から放送中の海外ドラマ「キャシーのbig C-いま私にできること-」(毎週水曜午後11時15分)の本編の後に、タレントの原千晶さんやお笑いタレントの山田邦子さん、シンガー・ソングライターの平松愛理さんら自らがんを経験した有名人らがコメントした1分間のミニ番組「わたしのbigC」が放送され、話題を呼んでいる。
米ドラマ「キャシーのbig C」は、42歳の高校教師のキャシー(ローラ・リニーさん)が末期がんと診断され、人生を見つめ直す姿をコメディータッチで描いたテレビシリーズ。タイトルの「C」は「キャンサー(がん)」を意味している。「セックス・アンド・ザ・シティ」などの脚本で知られるジェニー・ピックスさんが自らの体験を基に制作、脚本を担当している。米国では2010年から放送されている。
ミニ番組「わたしのbig C」には原さん、山田さん、平松さんのほかに医師の目線でこの作品について語るおおたわ史絵さん、フリーアナウンサーで31歳で胃がんの診断を受けた黒木奈々さんが登場する。
30代で子宮頸(けい)がん、子宮体がんと2度のがんを経験した原さんは「私にとって『キャシーのbig C』は『いつか、必ず。』です。人はいつか死ぬ。それは誰にも必ず訪れること。『キャシーのbig C』はそれをすごく、また私に思い起こさせてくれた。『ああやっぱり向き合わなきゃダメだな、いろんなことに』『逃げてちゃダメだ』ということ。そういうものをどんなに若い人でも、年を取った人でも、何か自分なりに感じてもらえるきっかけになる、そんなドラマだと思うんです」と話している。
46歳で乳がんを経験した山田さんは「キャシーは私と似てるなって思いました。私もがん経験者で、もう8年もたったのですけど、講演もさせてもらったりして、自分のがんのことを笑いながらしゃべる人は私が初めてなんですって。やっぱりがんというのは不治の病というイメージもありましたので、どこか捉え方が暗いですよね。でも、残された時間をどう生きていこうかと考えると……クヨクヨしていられない。私もそれまではクヨクヨしたこともありましたが、そんなことはいい、今やりたいことはコレだ、ということがハッキリとしてくる。生き方が非常に充実して、明るく前向きになったんですね。そこがちょっと似てるなと思いました」と共感したようだ。
38歳のときにがんを経験した平松さんは「『キャシーのbig C』は私にとって希望です。どういう状態になってもなんでもできるっていうことを教えてくれるから。がんになる前にこのドラマに出合っていれば良かったなって思いました。こういう生き方ができるっていうのを先に見せてもらっておけば、一人でもがかなくてよかったかなと思いました」と語っている。
昨年胃がんを公表し、10月に手術、今年4月に現場復帰した黒木さんは「『キャシーのbig C 』は私にとって『教科書』のような存在です。今を私らしく思いっきり生きるための。後悔しない人生を送りたいっていうのが一番にあって。誰にとってもいつ何があるかわからないっていう状況の中で、楽しく自分らしく生きていられることがすごく大事だと思います。自分らしく生きることとか、自分で選ぶこととか、大切な人と大切な時間を過ごすこととか、そういうことをキャシーは教えてくれる。笑いの中に大事なメッセージが詰まっていると思います」とコメントしている。
ドラマ「キャシーのbig C」について、担当のNHKの黒岩美香チーフ・プロデューサーは「病気や死を扱うのにコメディーという日本では作れないドラマだと思いました。これまでにないドラマで長く見られるユーモア入っている作品を探していて、昨年買い付けたんです。アメリカと日本の違いで見てもらえるか未知数だと思ったけれど、身近なところでがんを経験した人が見て、元気になった、前向きになったと言っていた。特にシーズン1最終話(6月24日放送)が切ないエピソードで(日本語吹き替えの)現場のスタッフもみんな泣いていました」と見どころを語っている。
「キャシーのbig C」はBSプレミアムで毎週水曜午後11時15分に放送。ミニ番組「わたしのbig C」は原さん、山田さん、おおたわさんはすでに放送され、平松さんの回は13日、黒木さんの回は20日に放送。