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「国際市場で逢いましょう」のワンシーン (C)2014 CJ E&M Corporation,All Rights Reserved.
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「国際市場で逢いましょう」のワンシーン (C)2014 CJ E&M Corporation,All Rights Reserved.

注目映画紹介:「国際市場で逢いましょう」東方神起ユンホ出演 男の人生に涙と笑いが詰まっている

 昨年韓国で記録的なヒットを飛ばした映画「国際市場で逢いましょう」(ユン・ジェギュン監督)が16日から公開される。「TSUNAMI-ツナミ-」で観客動員数の記録を出したジェギュン監督の最新作。戦後の復興から現代まで、厳しい時代を生き抜いてきた一人の男の人生をドラマにした一大叙事詩だ。主演は「新しき世界」(2013年)のファン・ジョンミンさん。「東方神起」のユンホさんが出演しているのも話題だ。

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 釜山の国際市場で古い商店「コップンの店」を営む老夫婦ドクス(ジョンミンさん)とヨンジャ(キム・ユンジンさん)は、友人や家族に囲まれて幸せに暮らしている。店は立ち退きを命じられているが、ドクスは応じない。1950年、朝鮮戦争で逃げ惑う中、ドクスは父親と妹とはぐれてしまう。父は別れ際に「今日からお前が家長だ」とドクスに告げる。母、弟、妹とともに、国際市場にある店を営む叔母コップン(ラ・ミランさん)の元に身を寄せたドクス。学校に行きながら、靴磨きをして家計を助け始める。弟の学費を工面するため、西ドイツの炭鉱に出稼ぎに行き、看護師であるヨンジャと出会って恋に落ち……という展開。

 今作は、朝鮮戦争、ベトナム戦争、分断後の離散家族探しなど、韓国の近・現代の激動の中を生き抜いてきた親世代への讃歌だ。ドクスの回想によって、危険な仕事に従事するパニック的な展開と、妻との出会いというラブストーリーがあり、人生の中に涙と笑いが詰まっている。ドクスの家族への思いは、イコール、別れ別れとなった父親との長男の約束でもあって、古びた店を守る理由にもなっている。苦労に胸が詰まる思いがしたかと思えば、ドクスの青春時代はコミカルに、初恋は不器用に描かれるなど万国共通でほっこりとさせられる。本国でのヒットは、貧しい時代に必死になって生きてきた祖父や父親の姿と重なったのだろうか……。ドクスの親友役には、「10人の泥棒たち」(2012年)などの名脇役で知られるオ・ダルスさん。オさんが出ている映画にハズレはないという期待通り、ジョンミンさんとの見事な掛け合いがコミカルな見せ場となっている。日本でも絶大な人気を誇る東方神起のユンホさんが、実在した韓国の有名歌手役で出演しているのも話題だ。出演は短いシーンだけだが、おおらかな兵士としてきらりと光る存在感を放っている。少しだけ歌う場面が自然でさりげなく、ジェギュン監督の手腕が光る。ヒューマントラストシネマ有楽町(東京都千代田区)ほかで16日から公開。(キョーコ/フリーライター)

 <プロフィル>

 キョーコ=出版社・新聞社勤務後、映画紹介や人物インタビューを中心にライターとして活動中。趣味は散歩と街猫をなでること。ゴールデンウイーク後、久々に出合った猫がニャアニャアと何かをしゃべっていて可愛かった。 

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