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齋藤佳子:元NFLチアリーダーが語る“幸せを引き寄せる”思考法

 米プロフットボールNFLの元チアリーダーの齋藤佳子さんがこのほど、著書「信じる!伝える!実現する!」(宝島社)を発売した。26歳で会社員を辞め、高校生の頃の憧れだったチアリーディングの世界に飛び込み、29歳でNFLの名門チーム「サンフランシスコ49ers(フォーティーナイナーズ)」のチアリーダーに合格。夢を実現した齋藤さんのポジティブな生き方や著書で紹介する“幸せを引き寄せる”思考法などについて話を聞いた。

 ◆26歳で夢に挑戦 「努力も楽しかった」

 齋藤さんは1975年12月10日生まれ、埼玉県出身。高校2年の夏休みに米カリフォルニア州にホームステイした際に49ersの試合を観戦し、本場のチアリーダーに目を奪われた。ただ、すぐに夢を目指すことはなく、99年にプロ野球・読売ジャイアンツのマスコットガールを務めたことはあったが、26歳まで「普通のOL」として過ごしていたという。

 それまでは全く経験がなかったというチアリーディングの世界に飛び込んだのは大失恋がきっかけ。“悲劇のヒロイン”のように泣き暮らしていた最悪の状態から脱するため、自分が本当にやりたいことを考え、憧れだったチアへの挑戦を決心。2002年から本格的に活動を開始した。

 齋藤さんは「今なら何でもできるという感じでした。ゼロというよりマイナスからのスタートでしたが、高校生の時に憧れていたチアを始めたら、失恋のことなんて考えている暇がなくなるくらい没頭できました」と振り返る。

 「初心者なので、できないことはたくさんありましたが、何か一つでも自信がないとやっていけない」と、IT関連企業で働きながら終業後に練習する多忙な生活を送った。睡眠時間を削って深夜に自宅の庭で一人ポンポンを持って特訓したり、自らの踊りをビデオに撮って研究したりすることもあったが、「できる限りのことを全てやりました。できた時の自分を想像して、できないことを努力すればできるようになるので、努力も楽しかったんです」と明かす。

 ◆夢実現も“言葉の壁”に 発想の転換で乗り越える

 そんな努力が実り、最終的にはXリーグ(社会人アメフットボールリーグ)の富士通フロンティアレッツやオールスターチームなど4チームを掛け持ちで活動。04年には夢だった49ersのチアリーダー「ゴールドラッシュ」に合格し、唯一の外国人として1シーズンを過ごした。

 夢を実現した齋藤さんだったが、米国でのチアリーディング活動は苦労続き。自信のあった英語が通じず、“言葉の壁”に挫折。「間違えるのが怖くて話せずにいて、チームメートと打ち解けられず、ひとりぼっちになってしまった」といい、自分の容姿にも悩み「なぜ日本人に生まれたのか」とまで考えるほどだったが、発想を転換することで苦境を乗り越えることに成功した。

 「自分が変わらなきゃと思って『できない自分』を認め、ダメな自分を受け入れることにしました」「間違えを恐れず、『むしろ英語が変なキャラでいっちゃおう!』と思ってから気が楽になったあとは態度で示しながら信頼してもらうことで、チームメートと打ち解けることができましたね」と明かす。

 ◆ポジティブ思考が「幸せを引き寄せる」

 著書では、夢への挑戦と実現、米国での生活やチアリーディング活動、米国人との国際結婚など自身の経験を踏まえながら、「自分を信じ(S)、自分の魅力を相手に伝え(T)、夢を実現する(J)」という「STJ思考」を紹介。齋藤さんは「ポジティブでいることが幸せを引き寄せます」と持論を語る。

 自身は26歳で夢を目指して決断。「私の場合はチアに挑戦したいと思った時にすぐ決断したので、結果的にいろいろとうまく進むことができました」と語り、「やりたいことが見つかって、本気でやりたいと思った時がグッドタイミング。自分ではどうしようもないこともあるけど、考え方だけでもポジティブに。どんどん思考を転換することで良くなりますよ」と訴える。

 ポジティブで前向きであることはチアリーディングの精神とも通じる。「この本を通してチアリーディングの精神を知ってもらって、ハッピーな生活を送っていただければと思います」とアピールした。

<プロフィル>さいとう・けいこ。1975年12月10日生まれ、埼玉県出身。元NFL・49ersチアリーダー。現在は米国人の夫と米国在住。日本と行き来する日々で、自らが設立したプロフェッショナルチアリーディング協会の代表理事も務め、国内外で活躍するチアリーダー育成に尽力している。2005年には米国の大学でピラティスの資格も取得。著書に「元NFLチアリーダーが教えるピラティス・ビューティーダイエット入門」(インフォバーン)がある。今年6月に放送されたバラエティー番組「マツコの知らない世界」(TBS系)でチアリーディングの魅力をPRして注目された。

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