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ついに始まった今年のゴールデンウィーク(GW)。期間中も連日、全国の劇場では話題の映画が上映されている。「名探偵コナン」や「クレヨンしんちゃん」のような定番アニメから、米俳優レオナルド・ディカプリオさんに今年の米アカデミー賞で主演男優賞をもたらした「レヴェナント:蘇えりし者」のような重厚でドラマチックな洋画、さらには「テラフォーマーズ」「ちはやふる」といった人気マンガの実写版まで、注目作をピックアップし紹介する。
◇「コナン」「しんちゃん」「ズートピア」…家族向け作品が充実
GW定番の劇場版アニメといえば「名探偵コナン」と「クレヨンしんちゃん」。さらに今年はディズニーの新作「ズートピア」も加わり、家族で楽しめる作品が充実している。「名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)」(静野孔文監督)は、記念すべき20作目の劇場版。コナン、黒ずくめの組織、FBI、公安ら4者の対決が描かれている。ゲスト声優として女優の天海祐希さんが黒ずくめの組織の一員である“謎の女性”の声を担当しているほか、古谷徹さんと池田秀一さんという「機動戦士ガンダム」のアムロとシャアの声優2人が“胸アツ”な間柄で登場するのも話題を呼んでいる。
一方、シリーズ24作目となる「映画クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃」(高橋渉監督)は、夢の中を舞台に仲間を必死に助けようとするしんのすけの姿などが描かれている。お笑い芸人の劇団ひとりさんが高橋監督と共同で脚本を執筆。ゲスト声優として、幼稚園に転園して来た謎の少女・サキの父親で夢の研究者である貫庭玉夢彦(ぬばたま・ゆめひこ)を俳優の安田顕さん、サキの母親で夢彦の妻・サユリを女優の吉瀬美智子さんが声を担当するほか、お笑いタレントのとにかく明るい安村さんが本人役で出演している。
「ズートピア」(バイロン・ハワード&リッチ・ムーア監督)は、動物たちが人間のようにハイテクな文明社会で暮らす世界“ズートピア”を描いた作品。大都会に思いをはせるウサギのジュディ・ホップスは、警察官になりたいという夢を抱いており、やがて努力の末、ズートピア初のウサギの警察官になる。だが、ズートピアを揺るがす史上最大の事件が起こり……というストーリーが展開する。日本語版では女優の上戸彩さんがジュディの声を担当している。
そのほかアニメ作品では、人気マンガ「遊☆戯☆王」の劇場版アニメで、原作者の高橋和希さんが原作・脚本・キャラクターデザイン・製作総指揮を務めた完全オリジナルストーリー「遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS」(桑原智監督)などが公開中だ。
◇3作合わせて米アカデミー“6冠” 洋画も見逃せない
洋画の注目作は何といってもディカプリオさん主演の「レヴェナント:蘇えりし者」(アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督)だ。米開拓時代を舞台に、大自然と自らの運命に抗った男の再生を描く重厚な人間ドラマで、大自然が猛威をふるう極寒の地で9カ月にも及んだ過酷なロケと、キャストの鬼気迫る演技、自然光のみを使った撮影・演出は高く評価され「第88回アカデミー賞」では主演男優賞に加え、監督賞、撮影賞の3冠を達成。文字通り地をはい、雨水でのどをうるおし、獣を食らいながら、虫の息の状態から少しずつその身に力を宿し、最後には自らの手で復讐(ふくしゅう)を果たすことになる主人公の執念が乗り移ったかのようなディカプリオさんの神がかった演技に圧倒される。
そんな「レヴェナント」のアカデミー4冠を阻んだことで、ここ日本でも話題を集めているのが「スポットライト 世紀のスクープ」(トム・マッカーシー監督)。「第88回アカデミー賞」では“本命”の「レヴェナント」を抑えて作品賞を受賞し、脚本賞にも輝いた手に汗握る社会派ドラマだ。2002年1月、米国の新聞「ボストン・グローブ」がすっぱ抜いた、神父による児童への性的虐待と、それを組織ぐるみで隠ぺいしてきたカトリック教会のおぞましい関係という全米を震撼させた一大スキャンダルを、暴露記事掲載に至るまでの記者たちのたゆまぬ努力という形で克明に描いている。
そして、米女優のブリー・ラーソンさんに「第88回アカデミー賞」で主演女優賞をもたらし、トロント国際映画祭では観客賞(最高賞)に輝いた話題作「ルーム ROOM」(レニー・アブラハムソン監督)も見逃せない。原作「部屋(上・下)」の著者であるエマ・ドナヒューさんが脚本を手がけ、部屋に監禁された女性と、そこでしか暮らしたことがない子どもを中心に、狭い世界から脱出して外に飛び出した人間の姿、成長と葛藤までを描き出した。主演のラーソンさんに加えて、天才子役の呼び声も高いジェイコブ・トレンブレイ君の愛くるしさと演技力の高さにも引き込まれる。
◇賛否両論は必至 やっぱり気になるマンガ実写
毎回、賛否両論が巻き起こるマンガ原作の実写映画だが、そういった意味でも今年の上半期一の話題作となりそうなのが、人型のある生物と昆虫の能力を持った人間たちが、未来の火星を舞台に激しい戦いを繰り広げる貴家悠さん作、橘賢一さん画の人気マンガを、三池崇史監督が実写化した「テラフォーマーズ」だ。主演は「悪の教典」(12年作)などで三池監督とタッグを組んできた伊藤英明さん。そのほかにも武井咲さん、山田孝之さん、小栗旬さん、山下智久さん、篠田麻里子さん、菊地凛子さんら豪華キャストをラインアップ。29日から公開。
「テラフォーマーズ」と同じく29日から封切られるのが広瀬すずさんが主演する「ちはやふる-下の句-」(小泉徳宏監督)。競技かるたに情熱を燃やす若者たちの青春を描いた末次由紀さんの人気マンガが原作で、実写映画は2部作になっている。3月19日に公開された「-上の句-」はすでにヒットを記録。「-下の句-」では、広瀬さん演じる主人公・千早の前に、松岡茉優さん扮(ふん)する若宮詩暢がライバルとして立ちふさがる。
大泉洋さん主演で公開中の「アイアムアヒーロー」(佐藤信介監督)も、花沢健吾さんの人気マンガを基にした作品。謎の生命体「ZQN(ゾキュン)」があふれる世界を舞台に、主人公のマンガ家アシスタント・鈴木英雄や女子高生の早狩比呂美らが懸命にサバイバルする姿を描いたゾンビホラーで、英雄を大泉さん、比呂美を有村架純さんが演じるほか、長澤まさみさん、吉沢悠さん、岡田義徳さんらが出演。ZQNとの壮絶なアクションシーンは迫力十分で、先の読めない展開で大いに楽しませてくれる。