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小説家の湊かなえさんのベストセラー小説を映画化した「少女」(三島有紀子監督)が8日に公開される。「人が死ぬ瞬間を見たい」という願望にとらわれた2人の女子高生の衝撃的な夏休みを描くミステリー作品で、モデルで女優の本田翼さんと山本美月さんが2人のヒロインを演じている。ほかには真剣佑さん、佐藤玲さん、お笑いコンビ「アンジャッシュ」の児嶋一哉さん、「SMAP」の稲垣吾郎さんらが出演。青春とミステリーが融合する原作の世界観を、「繕い裁つ人」(2015年)などの三島監督が美しくも刺激的な映像で描き出した。
高校2年生の夏休みに入る少し前、由紀(本田さん)は、転校生の紫織(佐藤さん)が「親友の死体を見たことがある」と自慢げに話しているのを聞き、言い知れぬ違和感とちょっとしたうらやましさを感じ、人が死ぬ瞬間を見たいと思うようになる。そして夏休み、由紀は小児科病棟でボランティアを始め、残酷にも短い生命を終えようとしている少年らに近づき、自らの思いを遂げようとする。一方、由紀の親友である敦子(山本さん)も、いじめに遭い生きる気力を失いかけていたが、人が死ぬ瞬間を見れば生きる勇気を持てるのではと考え、由紀には告げずに老人ホームでのボランティアに出かける……というストーリー。
予告編やヒロインの人物像からは、心に闇を抱えた2人の少女によるダークなドラマを想像してしまうが、物語が進むにつれて意外な事実が次々と発覚していくなど、湊さんの原作ならではのミステリー要素もふんだんに盛り込まれ、息つく間もなく最後まで夢中で見てしまった。原作では冒頭で語られるある少女の遺言について、クライマックスで誰が書いたか明かされるのだが、映画という映像でどのような表現になるのだろうかと思っていたら、ある心憎い演出がされていた。原作の世界観を再現しつつも、映画ならではの独特な雰囲気が醸し出されていて、その中で、普段は明るいキャラクターを演じることが多い本田さんと山本さんの2人が、繊細で複雑な内面を抱えた女子高生を好演している。この作品で2人が新境地を開いたことは間違いない。8日から丸の内TOEI(東京都中央区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)
<プロフィル>
えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。