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映画「土竜の唄 香港狂騒曲」について語った仲里依紗さん
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映画「土竜の唄 香港狂騒曲」について語った仲里依紗さん

仲里依紗:フロントガラスを蹴り続けて割る? 映画「土竜の唄 香港狂騒曲」で 子育てや私生活も語る

 高橋のぼるさんの人気マンガ「土竜の唄」を実写化した映画「土竜の唄 香港狂騒曲」(三池崇史監督)が全国で公開中だ。今作は、生田斗真さん主演で2014年2月に公開された「土竜の唄 潜入捜査官REIJI」の続編で、素行不良を理由に懲戒免職された警察官・菊川玲二(生田さん)が“モグラ”と呼ばれる潜入捜査官として暴力団内部に入り、幹部を逮捕するために活躍する姿を描く。続編では原作でも人気が高い「チャイニーズマフィア」編を軸にしたストーリーが展開されている。前作に引き続き、交通課勤務で玲二が唯一心からほれた女・若木純奈を演じた女優の仲里依紗さんに聞いた。

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 ◇純奈は男性が思い描く理想の女性

 前作もかなりインパクトがある作品だったが、続編の話を聞いたときのことを、「次は何をやらせられるんだろうという不安もちょっとあったんですけれど、今回はすごくすんなりと(撮影が)終わったのでよかったです(笑い)」と仲さんはちゃめっ気たっぷりに振り返る。

 玲二のことをいちずに思い続ける純奈を再び演じているが、「純奈のピュアさというのは、やっぱり玲二くんに会えないから、前よりも結構濃くなっているなと」と感じたといい、さらに今作では純奈の私服シーンも登場するが、「私服が意外とちょっとダサいくて、そこがちょっとあれですけど、ダサさがいい」と純奈の意外な(?)一面に注目する。

 純奈は男性が思い描くような理想の女性のイメージだが、「純粋な気持ちの持ち主ですが、『そういう女子はいないよ』と感じます」と女性目線で仲さんはきっぱりと言い切るも、「ずっと思い続けてくれる女の子が男の人の“夢”というか。『ずっと待ってるね』という子がやっぱり男の人は好きだから、そういう女の子も描いておかないと」と冷静に分析する。

 そして、「奇抜でぶっ飛ばすような感じの女の子ばかりだと、ちょっと男の子がかわいそうになっちゃうから(笑い)。癒やしの要素を入れないとな、という感じです」と純奈の役割について持論を語る。

 ◇純奈と迦蓮の激突シーンは…

 前作では仲さん演じる純奈が紅一点のような存在だったが、今作では犯罪組織・数寄矢会会長・轟周宝(岩城滉一さん)の娘・迦蓮(かれん)役で本田翼さん、チャイニーズマフィアのヒットマン・胡蜂(フーフォン)役で菜々緒さんら女性陣も多く出演している。

 中でも純奈と迦蓮が激突するシーンは見どころの一つで、ある意味、迫力ある仕上がりとなっているが、「あれが(撮影の)初日でした」と仲さんは明かし、「玲二くんの妄想だから、ああやって純奈が(車の)フロントガラスを蹴(け)りつけているんですけれど(笑い)。初めて迦蓮と会うシーンは、思ってはいるけれど、そんなにキッというような感じを出さないのが純奈なのかなって思って演じました」と説明する。

 仲さんが言うように、同シーンでは玲二と迦蓮がドライブをしているところに純奈が現れ、怒りのあまりボンネットに乗ってフロントガラスを蹴りつける……という展開だ。「ボンネットに乗ってフロントガラスを蹴るシーンでは、フロントガラスが本当に割れました」と仲さんは切り出し、「(監督から)『いくら蹴っても割れないから大丈夫です。思い切りやってください』と言われたので、ずっと蹴っていたら、なかなかカットがかからず、いつになったらカットがかかるんだろうと蹴り続けていたら、割れました(笑い)」と当時の状況を思い返していた。

 実際にひび割れたのを目にし、「『割れるんだ!』と思ったらカットがかかって、割れるまで待ってたのかなと(笑い)。びっくりしました」と笑顔で話し、「同じところをずっと蹴っていたからだと思います」と割れた原因に言及する。

 ◇結婚・出産を経ても仕事に対するスタンスは不変

 2013年に結婚し、現在は子育て中でもある仲さんに、家庭を持ち、母親となったことで仕事に対する考え方が変わったかと聞くと、考え込んだあと、「なんでしょう……。あまり変わってないかもしれません」と意外とあっけらかんとした様子で答える。

 続けて、「変わったのは自分の時間がなくなったぐらい。だから時間があるときに集中して全部をやらなきゃいけないから、時間を有効活用できるようになったという感じ」とほほ笑みながら話し、「以前は1日、何もしないで過ごしちゃったみたいな日が当たり前でしたけれど、今はそんな日はないです」と充実感をにじませる。

 休みの日は子供中心の生活という仲さんが美容や健康で気を使っていることは、「ヨガや加圧をやったり、湯船に毎日1時間半浸かったり、いろいろやってます」と言い、「バスケ部だったし、日本舞踊も3歳からやっていたりしてアクティブなのは好きなので、(運動は)苦じゃなく楽しめてやれちゃいます」と話す。だが、「レッスンとか、ちゃんと時間を決めてやるのは楽しいですけど、皇居の周りを走ったりとかはきつい」と明かし、「楽しめてやれるかどうかですね」と続けるためのコツを語る。

 ◇今も昔も女優としてゾンビ役を熱望

 今作で「好きなシーンはたくさんある」と話す仲さんだが、「純奈が玲二くんをあんなにずっと思い続けているピュアなところに、『意外と芝居する場があったんだな』と(笑い)」と冗談ぽく言い、何度かタッグを組んだことがある三池監督については、「三池さんといったらアクションという感じだから、今回はそういうアクションが私のシーンはあまりなかったからちょっと……」と残念がるも、「こんなに芝居シーンがこってりある三池さん(の作品)というのが意外と初めてだったかもしれない。新鮮でした」としみじみと語る。

 2016年を振り返り、「SNSがすごく楽しかったなというのはあります」と仲さんは切り出し、「もともと写真を加工したりアップすることが好きで、インスタ(グラム)も出たときからずっとやっている。だから、好きなことが仕事につながるというのが楽しい2016年でした」と笑顔を浮かべる。

 そんな仲さんが今後やってみたい役は? 「ずっとゾンビをやりたいんですけど、ゾンビの役が来ない」と残念がり、「15歳ぐらいからずっと言っているので、かれこれ12年。12年間ずっとゾンビをやりたいと言い続けているけれど(オファーが)来ないから、言わない方がいいのかな……」と自問自答。そして、「言わない方がいいかもしれない。そうしたら(ゾンビ役が)来るかもしれない(笑い)」と話す仲さんは、それも踏まえてなのか、2017年は「お洋服屋さん(アパレルショップ)をやりたい」と女優業以外の“夢”を掲げる。

 映画を楽しみにしている人に向けて、「前作を超えるような本当にスリル満点で、女性陣も増えて華やかになり、エンターテインメント中のエンターテインメントみたいな全部が見どころという感じの映画です」と魅力を語り、「冒頭からぶっ飛ばしていて、あっという間に時間が過ぎていくのでぜひ、お正月に見てください」とメッセージを送った。映画は全国で公開中。

 <プロフィル>

 1989年10月18日生まれ、長崎県出身。ティーン向け雑誌のモデルとして活躍後、女優活動を開始。2006年に公開された劇場版アニメ「時をかける少女」で主人公の声を担当して注目され、同作の実写版(10年)でも主演を務める。08年公開の「純喫茶磯辺」では第30回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞などを受賞。10年公開の「ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲」ではゼブラクイーン役を演じ話題を呼んだ。近年の主な出演作に「モテキ」「ハラがコレなんで」(共に11年)、「BRAVE HEARTS 海猿」(12年)など。

 (取材・文・撮影:遠藤政樹)

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