高島彩：アカデミー賞は「ラ・ラ・ランド」に注目　3年連続の案内役に

　世界最高峰の映画の祭典「第89回アカデミー賞」授賞式が27日（日本時間）に米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開かれる。WOWOWの生中継番組「生中継！第89回アカデミー賞授賞式」でジョン・カビラさんとともに案内役を務めるフリーアナウンサーの高島彩さんに、今年のアカデミー賞について聞いた。

　◇3年連続の案内役「日常とすっかりリンク」

　今年で3年連続5回目の案内役となる高島さんは、「お正月の準備をする年末に、そろそろアカデミー賞が来るなという気持ちになります。それは毎年（案内役を）やっているからこそですね。年越してお正月が来たらノミネーションがあって、私は誕生日が2月（18日）なんですが、自分が年を一つ重ねるころには、今年の最高の映画が一つ決まって……。私の日常とすっかりリンクしてしまっていて、切っても切り離せなくなっていますね」と語る。

　案内役という“大役”に、「最初のころはもっと緊張していました。アカデミー賞ってとても格式の高いものだし。今でも緊張感はあるんですが、それよりも、今は楽しみだったり、楽しもうという気持ちの方が強いですね」といい、「出産、育児をしているとなかなか映画館に映画を見に行く時間がないんですが、こうやってアカデミー賞があるというと試写に仕事として行けるのが何よりうれしい」と笑顔で案内役のメリットも明かす。

　視聴者に向けて、アカデミー賞の楽しみ方を聞くと、「私が初回の時に緊張して臨んでいたように、敷居が高いと思っている人が多いと思うんですが、それってすごくもったいないな、と。まずはチャンネルを合わせてみるべき。そこからどんどん流れてくるのは日常生活では簡単に触れることができない、一流のパフォーマンスだったり、スピーチだったり……。一つ見るのに結構な額を払わなければいけないものが、1回にぎゅっと凝縮されて見られるお得感がある」と力説し、「特別な時間を味わえるという意味でも見ないのはもったいない！　一番面白い映画を決めるだけではなく、アカデミー賞自体がショーになっているので楽しく見てほしいですね」とアピールした。

　◇「ラ・ラ・ランド」旋風どこまで…　授賞式見どころ語る

　今回のアカデミー賞は、先日ノミネート（候補）が発表され、ライアン・ゴズリングさんとエマ・ストーンさんが主演のミュージカル映画「ラ・ラ・ランド」（デイミアン・チャゼル監督）が作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞、主演女優賞など13部門14ノミネートと最多となった。

　高島さんに今回のアカデミー賞の見どころを聞くと、「いっぱい見どころはあると思うけれど、一つは『ラ・ラ・ランド』旋風がどこまで巻き起こるのか。14ノミネートが受賞にどこまでつながっていくのか」と目を輝かせる。

　自身も「ラ・ラ・ランド」を鑑賞したといい、「『ラ・ラ・ランド』の衝撃は、13部門14ノミネートしただけあるというか。こんな始まり方がありなんだというところから、『ラ・ラ・ランド』と（タイトルが）出てきた時点でスタンディングオベーションしそうになる、そのすごさに圧倒されたまま映画の本編に入っていって、完全に心をつかまれて、最後はほろっと涙もあって」と絶賛。「そういう意味では久しぶりに映画って楽しいよね、こういう映画を見たかったなっていう気持ちのいい感動を味わえました。いくつ賞をいくのか楽しみですね」と期待を込める。

　同映画で主演女優賞にノミネートされているエマ・ストーンさんにも注目しているといい、「ストーンさんがこんなに歌って踊って魅力的な女優だと改めて今回見せつけられ、素晴らしかったので、彼女が受賞するかどうかもポイントだと思います」と話す。受賞できるかどうかを聞くと、「私はとると思っていますが、どうですかね」と笑みを浮かべ、「新しい魅力をこの『ラ・ラ・ランド』で感じることができたので、彼女にはぜひとってほしいですね」とエールを送る。

　また、他の見どころとして「トランプ政権のやり方に、人々がどう反応するのか。これまでもアメリカが抱える多様性に関わることなどがアカデミー賞に反映されたりしているので、それが今回どのように表れてくるのか。それに対してスターたちがコメントするのか……」と話し、「生の舞台なので、決められたものだけでは進んでいかない面白さもあると思う。いろいろな注目ポイントがあると思います」と説明した。

　◇家族とジブリ鑑賞　“映画ライフ”を告白

　プライベートでは2児の母である高島さん。子供と一緒に映画を見ることもあるといい、「『インサイド・ヘッド』とか一緒にDVDで見ました。下の子が0歳で映画館にはまだ連れて行けないので、家で見るんですけどね」と話す。子供はジブリ作品が好きといい、「『となりのトトロ』と『千と千尋の神隠し』はすごく繰り返し見る。話は理解していないと思いますが、引かれるものがあるみたいです。この間、公園で遊んでいて、どんぐり拾っていたら風が吹いて、そのとき『ママ、トトロ来るかな？』って。子供にとってどんぐり×風がトトロで、その発想が可愛いなって……」と目を細める。

　夫で男性デュオ「ゆず」の北川悠仁さんとも映画鑑賞をするといい、「うちは基本的にはWOWOWがついているので、朝は（北川さんがファンの）NBA、夜は子供が寝てからWOWOWでやっている映画を見ることが多いですね」とにっこり。家族一緒で見ることはあまりないというが、「『となりのトトロ』と『千と千尋の神隠し』は家族みんなで見たことがあります」と笑顔で明かした。

　アカデミー賞授賞式の模様は27日午前10時からWOWOWプライムで生中継。同日午前9時からは、レッドカーペットの生中継を無料放送する。また、27日午後9時から同じくWOWOWプライムで字幕版を放送する。