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士郎正宗さんのマンガを押井守監督がアニメ化した「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」を米ハリウッドで実写映画化。映画「ゴースト・イン・ザ・シェル」(ルパート・サンダース監督)が7日、公開される。近未来の電脳化社会を舞台に、少佐が率いるエリート捜査組織「公安9課」がサイバーテロ組織と対決し、捜査するうちに自分の記憶が操作されたことに気づく……というストーリー。草薙素子に相当する主人公の少佐役は「アベンジャーズ」(2012年)や「LUCY ルーシー」(14年)などアクション作で活躍するハリウッドスターのスカーレット・ヨハンソンさんが扮(ふん)し、少佐の上司・荒巻役をビートたけしさんが日本語で演じている。
近未来、悲惨な事故から命を助けられ、世界を脅かすサイバーテロリストを阻止するために完璧な戦士として生まれ変わった少佐(ヨハンソンさん)は、脳以外は全身“義体”という世界最強の存在となっていた。この時代、テロは脳をハッキングし操作するという驚異的レベルに到達し、少佐率いるエリート捜査組織・公安9課がサイバーテロ組織と対峙(たいじ)する。捜査を進めるうちに、少佐は自分の記憶が操作されていたことに気づく。自分の命は救われたのではなく、奪われたのだ……。自分は何者なのか?と自問自答する少佐は、他に犠牲者を出さずに犯人を突き止めるため動き出す……という展開。
少佐の片腕バトー役はデンマーク出身の俳優ピルー・アスベックさん、テロ事件をくわだてる謎の男クゼにマイケル・ピットさん、少佐を生み出したオウレイ博士というオリジナルキャラクターをフランスの名女優ジュリエット・ビノシュさんらが演じている。日本語吹き替え版には田中敦子さん、大塚明夫さん、山寺宏一さんというオリジナルのアニメ版の声優が起用されている。
オリジナルアニメへのリスペクトを感じさせつつ、基になった作品を見たことがない人でも楽しめるように万人向けにアレンジしたストーリーで一気に見せる。義体だが自身のアイデンティティーに悩み苦しむ少佐を、ヨハンソンさんが無機と有機を絶妙なバランスで体現し、好演している。少佐が着用しているヌードカラーのスーツはヨハンソンさんのスタイルや筋肉の動きを生々しく表現していて、ある程度はCGだろうと分かってはいてもドキドキさせられる。たけしさんの荒巻はその存在感だけで圧倒させられ(全編日本語のせりふで通しているのだが、それは海外の観客にはどのように感じるのだろうか)、目にレンズを組み込むバトーの再現率の高さにも驚かされる。
全体を通して、1980年代に「ブレードランナー」を見たときのようなサイバーパンク感満載で、その映像は驚きの連続だった。全編スクリーンにくぎ付けで、見終わったあと電磁波を浴び続けたような気分になり、脳への影響はないか気になったほどだ。後半に桃井かおりさんが重要な役柄で登場するのでお見逃しなく。7日から新宿バルト9(東京都新宿区)ほかで公開。(細田尚子/MANTAN)