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米俳優マット・デイモンさん主演の映画「グレートウォール」(チャン・イーモウ監督)が14日から公開される。世界遺産にもなっている万里の長城(グレートウォール)がなぜ造られたのかをひもといていく。「HERO」(2002年)や「LOVERS」(04年)のチャン監督ならではの色彩美が堪能できる歴史アクション大作だ。
12世紀。馬賊の襲撃に遭い砂漠地帯を逃げていた傭兵のウィリアム(デイモンさん)とトバール(ペドロ・パスカルさん)の目の前に、突然、巨大な城壁が現れた。これこそが万里の長城だった。馬賊をかわすため、2人は武器を捨て、長城防衛の命を受ける禁軍に降伏する。一方、禁軍の兵士たちは、60年に一度現れる“敵”を迎え撃つべく臨戦態勢に入っていた。ウィリアムとトバールは、図らずもその戦いに巻き込まれていく……というストーリー。ほかにアンディ・ラウさん、ウィレム・デフォーさんらが出演している。
想定外の敵にはあっけにとられたが、そういう映画だと納得した途端、引き込まれた。醍醐味(だいごみ)は戦闘シーンで、禁軍はそれぞれの役割によって五つに色分けされており、例えば、赤い甲ちゅうに身を包んだ鷲軍は射手の部隊、黄金の甲ちゅうの虎軍は兵器を扱う部隊といった具合に、統制のとれた、大胆でありながら精密な動きに心底見とれた。女性たちだけで構成された青い甲ちゅうの鶴軍が滑空するときの美しさがまた格別で、弓の名手ウィリアムと剣士トバールが四方八方から襲い掛かる敵を絶妙なコンビネーションで倒していく勇姿には胸がときめいた。ほかにも、生々しい敵の描写や壮大な長城の外観など見どころは尽きない。ぜひとも大きなスクリーンで、できれば3Dで見た方がより楽しめるだろう。14日からTOHOシネマズ新宿(東京都新宿区)ほか全国で公開。(りんたいこ/フリーライター)