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イルミネーション・スタジオの劇場版アニメ「怪盗グルー」シリーズの最新作「怪盗グルーのミニオン大脱走」(ピエール・コフィン、カイル・バルダ監督)が、21日からTOHOシネマズ日本橋(東京都中央区)ほかで公開される。悪党から足を洗ったグルーに双子の兄弟がいたことが判明。悪党を求めて家出をしたミニオンたちに、逮捕騒動が巻き起こる。ボーダー模様の囚人服姿で大活躍するミニオンたちが、なんとも可愛らしい。
同スタジオは「ペット」(2016年)や「SING/シング」(17年)などで知られるアニメーション界の新興勢力。
今作は、ルーシー(声:クリスティン・ウィグさん)と結婚した怪盗グルー(声:スティーブ・カレルさん)は超極秘組織「反悪党同盟」の特別捜査官となった。その前に新たな敵バルタザール・ブラット(声:トレイ・パーカーさん)が現れる。1980年代に子役として人気を博した過去の栄光にすがるバルタザールは、犯罪を繰り返し、グルーを反悪党同盟から追い出してしまう。
そんな時、グルーにドルー(声:カレルさん二役)という生き別れになっていた双子の兄弟がいることが判明。父親から膨大な遺産を相続しているドルーは、父の志を受け継ぎ天下の大悪党になることを夢見ていた。
グルーの相棒ミニオンたちは、反悪党同盟をクビになったグルーが悪の道に戻ってくることを期待していた。しかし、グルーにその気が無いのを知り、新たなボスを求めて旅に出て街をさまよううち、ひょんなことから逮捕されてしまう……という展開。
ハリウッドに恨みを持つ元子役を悪党に据え、独特のブラックな笑いをちりばめている。a-ha、ヴァン・ヘイレンさん、マイケル・ジャクソンさんらの80年代ヒット曲が盛りだくさん。今回、ミニオンたちは定番のオーバーオールを脱ぎ捨てた。囚人服仕様のオーバーオールを着て、フォーメーションを組みながら歌い踊り、エンターテイナーぶりを発揮する。刑務所を脱走する方法がなんとも愉快だ。
最高の父親となったグルーの温かさや、双子の兄弟ドルーとの関係も見もの。後半は、ハリウッドを舞台に、80年代で時が止まっているバルタザールとのバトルへとなだれ込む展開で飽きさせない。
日本語吹き替え版では、笑福亭鶴瓶さん、中島美嘉さん、芦田愛菜さんらおなじみのキャストに加え、敵のバルタザールの声を俳優の松山ケンイチさんが担当している。世界で人気のマルチアーティスト、ファレル・ウィリアムスさんの新曲「イエロー・ライト」を含むオリジナルサウンドトラックも楽しい。(キョーコ/フリーライター)