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“ミステリーの女王”アガサ・クリスティーの傑作小説を映画化した「オリエント急行殺人事件」(ケネス・ブラナー監督)が、8日からTOHOシネマズ日劇(東京都千代田)ほかで公開される。ジュディ・デンチさん、デレク・ジャコビさんらベテラン俳優から、「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」の公開を15日に控えるデイジー・リドリーさんといった旬の俳優まで豪華キャストが名探偵エルキュール・ポアロと対峙(たいじ)する。ポアロを演じるのはブラナー監督自身だ。映像に重厚感があり、映画の風格を味わえる。
1934年。トルコのイスタンブールを出発した豪華列車オリエント急行には、国籍も階層もさまざまな客が乗り込んでいた。その列車内で深夜、殺人事件が起こる。同乗していたポアロは、乗客たちに話を聞きながら、犯人を推理していく……というストーリー。ジョニー・デップさん、ミシェル・ファイファーさん、ペネロペ・クルスさん、ウィレム・デフォーさんらも出演している。
人間の視覚に近い65ミリのフィルムで撮影されたという。それだけに、スクリーンいっぱいに広がる映像は圧巻だ。白煙を吐きながら雪原を疾走するオリエント急行の優美な姿には見とれずにはいられない。セットとはいえ、アールデコ調の豪華な内装や食器にもうっとりとさせられた。車内を移動するポアロを一連でとらえたり、被害者の客室を上から撮ったりするなど、撮影方法にも工夫が凝らされている。
オールスターキャストが一堂に会するときの興奮は言うまでもない。列車を降りて洞くつの中でポアロが推理を披露する、映画ならではのハイライトシーンでは、そこで明かされる殺害の動機に感極まり、涙が出そうになった。ブラナーさん演じるポアロが、杖を巧みに使ったアクションを見せるなど、これまで映像化されてきた歴代のポアロよりアクティブなのも新鮮だった。
さて、今作でオリエント急行を降りたポアロの次の目的地は? それは映画を見てのお楽しみ。(りんたいこ/フリーライター)