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NGT48北原里英:卒業後の女優としての覚悟…夢やプライベートも語る 「サニー/32」でヒロイン役

 人気アイドルグループ「NGT48」のキャプテンを務める北原里英さんの卒業発表後初の主演映画「サニー/32」(白石和彌監督)が17日から全国で公開(9日から新潟、長岡で先行公開)された。グループからの卒業コンサートを春に控え、その後は女優業を本格化させていく北原さんが、「全身全霊でぶつかった」という今作の撮影を振り返るとともに、卒業後の抱負や最近気になるファッションアイテム、さらに日々の美容法などを語った。

 ◇あのマンガで役作り

 映画「サニー/32」は、北原さん演じる中学校教師、藤井赤理が、突然、柏原勲と小田武という2人組の男に拉致されることで物語が動き出す。柏原をピエール瀧さんが、小田をリリー・フランキーさんが演じる。柏原と小田は、14年前に起きた小学生による同級生殺害事件の犯人“サニー”の熱狂的な信奉者で、山小屋に監禁された赤理は、徐々に狂気の世界に引きずり込まれていく。ほかに“2人目のサニー”役で門脇麦さんが出演する。

 拉致された赤理は、ネット上に写真や動画をアップされ、やがて神格化されていく。そんなカリスマキャラを北原さんは、マンガ「DEATH NOTE(デスノート)」の夜神月(やがみライト)をイメージしながら演じていったという。

 撮影は2017年2月、主に雪深い新潟県で行われた。完成した作品を見たときは「気候、アクションともに過酷なシーンがふんだんに盛り込まれている作品だけに、どのシーンを見ても苦戦した思い出や寒かった記憶がよみがえりました」と苦笑交じりに明かす。

 当初、柏原と小田に縛られ、殴られたりする赤理は、後半、反撃に出る。撮影中、実際に北原さんのパンチがピエールさんに当たってしまったことがあったそうだが、そのころには、共演者のみんなと親しくなっていたこともあり、「(ピエールさんは)許してくださるという安心感がありましたし、皆さんと信頼関係が築けた中であのシーンに臨めたのはすごくよかったと思います」と語る。

 ◇覚悟決めさせたピエール瀧のビンタ

 逆に、ピエールさんのビンタが北原さんに当たってしまったこともあった。それは撮影初日の1テイク目、柏原に殴られるシーンの段取りでのこと。ピエールさんの手が、ははずみで北原さんの頬を直撃。思わぬ一発は「痛みよりも驚きのほうが勝った」そうだが、お陰で北原さんも「覚悟ができました」と振り返る。

 さらに、赤理が窓から逃げるシーンや屋根に上るシーンもある。「本格的なアクションが初めてだったこともあり、とても緊張しました」と打ち明ける。実際、屋根の上に上がったときは「予想以上の高さと経験したことのない恐怖で、思わずスタントマンさんの姿を捜した」という。ところが、白石監督からは「跳ぶよ、できるよね」という無情な一言。その言葉がむしろ北原さんの背中を押し、「自分で乗り越えるしかないと改めて覚悟ができた」と明かす。

 ◇好みは「色があるもの」

 ところで、映画では、ピンク色のワンピースを着せられる北原さんだが、この日、撮影用に着ていたのは、ファーをあしらったトップスに、光沢のあるプリーツスカート。このようなスタイルの服は好んで身に着けているそうだが、プライベートでは、いわく「派手好き」。もともと「色があるものが好き」で、今、はまっているのは「赤」。モノクロのものはあまり着ないといい、インタビューの日も、オレンジ色のトップスに、青のコーデュロイのパンツで来たという。

 最近買ったのは、「前が黒で後ろがグリーンの、バイカラー(2色使い)のベロアの靴下」。自身の脛(すね)を指しながら、「脛あたりの丈が最近の気分です。パンツスタイルのときにはいて、チラっと見える感じも可愛いかな」とイメージする。また「ニットが大好き」で、冬場は毎日ニットを着ているそうだ。

 ◇美容のための二つの“タイム”

 NGT48のライブや握手会など多忙な日々を送る北原さん。今年1月には、念願だった写真集を発売。その中では、普段のボリュームある衣装に隠された、スレンダーなボディーも披露している。美容のために日々心掛けていることを尋ねると、「最近気をつけているのは……とても基本的なことですよ」といいながら挙げたのは、「早寝早起き」。平均睡眠時間6時間を意識しているといい、「シンデレラタイムといわれる午後10時から深夜2時の間に寝るように努力しているのですが、頑張っても(寝るのが深夜)2時になってしまいます」と残念がる。

 お風呂の入り方も工夫しており、「3分間、熱めのお湯に入り、3分出て、また3分間入る高温反復浴をしています。代謝が上がり、とても汗をかくので肌もきれいになるし、冬場なので温まります」。ただ、3分ごとにバスタブを出たり入ったりするので、バスタイムは「かなり忙しい(笑い)」と打ち明けた。

 ◇将来の夢はあのアニメの声優

 「AKB48」グループ内で、今はやっているものを聞くと、「以前ほどではありませんが、『どうぶつの森 ポケットキャンプ』をみんなでやっています」とのこと。なんでも、今回の映画で共演したリリー・フランキーさんとも「ポケ森」で友達になったそうで、「ポケ森の中では、IDを教え合ったら友達になれるのですが、リリーさんも相当ゲームされているようで、立派なキャンプ場を作っていました。私は今レベル16くらいなのですが、リリーさんは、もう30後半までいっていた気がします」と教えてくれた。

 北原さんは、アニメやマンガ好きで知られているが、改めて好きなマンガを尋ねると、「ありますよ!」と声高らかに挙げたのが、「名探偵コナン」。「私、『名探偵コナン』がとても好きで、将来の夢は、劇場版コナンの声優なんです。どうしてもやりたくて。卒業したら、それを目標に生きていこうと思っています」と目を輝かせる。また、マンガは以前ほど読まなくなったものの、今も「『ONE PIECE』だけは、新刊が出たら毎月買って読んでいます」と明かす。

 ◇「白石監督に恩返しができる」女優に

 今作に出演したことで、「たくさんの経験と自信をつけることができました。具体的な課題も見つかったので、もっとお芝居を磨いて、どんな役にも挑戦できるアグレッシブな女優になりたいです」と語る北原さん。卒業後の展望は、「AKB48の活動で得たものがたくさんあるので、それを生かして、自分らしく、今後もやっていきたいです」と意欲を見せる。そして、「普通の恋愛映画にも出てみたいです」とも話した。

 さらに、「この映画でご一緒して、白石監督のことが大好きになりました。ですから、いつかまた白石監督の作品に出たいですし、そのときには、作品に花を添えられる女優さんになっていたいです。私が出ることで、また一つ作品の格が上がるように、白石監督に恩返しができるような活動をしていけたらと強く思います」と襟をただす。

 ちなみに、NGT48のメンバーは、今作を「絶対見ます」と言ってくれているが、予告の動画ですでに腰が引けているそうだ。そんな反応を明かしつつ、「一見、戦慄(せんりつ)的な描写も、その中に、人間の愛や祈りが込められた作品になっていますので、多くの方に見ていただきたいです。見終わるころには、想像もしなかった感情に出合えると思います」と胸を張った。映画「サニー/32」は9日から新潟、長岡で先行公開後、17日から全国で公開中。

 <プロフィル>

 きたはら・りえ 1991年6月24日生まれ、愛知県出身。秋元康さんのプロデュースによるアイドルプロジェクト「AKB48」のメンバーとしてデビュー。約7年の活動を経て、2015年から新潟に活動の拠点を置く「NGT48」チームN3のキャプテンを務める。18年春に「NGT48」の卒業を表明している。これまでの映画出演作に「グラッフリーター 刀牙(トキ)」「ジョーカーゲーム」(共に12年)、「任侠野郎」(16年)などがある。

 (取材・文・撮影:りんたいこ)

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