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三浦大知:インタビュー(上) 紅白、無音ダンス秘話、満島ひかりとの親交…20年のキャリアを語る

 2017年はシングル「EXCITE」が自身初のオリコン週間シングルランキング1位に輝き、大みそかの「NHK紅白歌合戦」に初出場するなど、目覚ましい活躍ぶりを見せた三浦大知さん。女優の満島ひかりさんも所属していたダンス・ボーカルグループ「Folder」のメインボーカルとして1997年にデビューした三浦さんにとって、17年はデビュー20周年の節目の年でもあった。今月7日にはソロアーティストとしてのキャリアを総括する初のベストアルバム「BEST」をリリースし、ますます意欲的に活動する三浦さんに、多忙を極めた2017年について、デビューからの20年余りを振り返ってもらった。

 ◇「仮面ライダー」がキーマン!?

 ――2月の日本武道館(東京都千代田区)の公演の時は、同じFolderのメンバーでもあった満島ひかりさんとのライブ共演が話題になりましたね。満島さんとは普段から親交はあるんですか。

 自分がテレビに出ていたのを見てくれて、「見てたよー」みたいなことがあったり、自分も「この前、ひかりのあれ(あの作品)見たよー」とか。「Unlock」(15年2月発売のシングル)という楽曲が出た時は、「真之介(満島ひかりさんの実弟で俳優の満島真之介さん)から聞いた」って言っていて。真之介くんが「とにかくいいからこれを聴け」ってひかりに聴かせてくれたみたいで、「あれ、めっちゃカッコいいね」って電話がかかってきたのは覚えてますね。

 種類は違いますけど、一緒にエンターテインメントの世界でやってきて、お互い続けてきたからこそ武道館のステージで一緒に歌えたと思うので、続けてこられてお互いよかったなと思いましたし、うれしかったです。ひかりはもちろん才能もありますけど、やっぱりものすごく努力をしている人だと思うし、あれだけ第一線で(活躍していて)、昔からの仲間としてすごく誇らしい部分もあるので、刺激はすごく受けていると思います。

 ――Folderでデビューする前はダンススクールに通っていたそうですが、通うことになったきっかけは?

 6歳だったんで、自分から「これ」っていう(選んだ)感じではなかったんですけど、僕が戦隊モノやアニメのオープニングとかエンディングで立って踊っていたのを両親が見て、「この子はダンスが好きなのかな」ということで通わせてくれたのがきっかけでした。「仮面ライダーV3」で踊っていたのは覚えてます。

 ――「仮面ライダー」といえば、三浦さんは「仮面ライダーエグゼイド」のドラマ主題歌となったシングル「EXCITE」で初のオリコン週間シングルランキング1位を獲得されましたが、その際の心境はいかがでしたか。

 僕、あんまりチャートにうとくて……。でも、自分がダンススクールに通うきっかけになった作品の主題歌をやらせてもらえるっていうのは思ってもいなかったし、自分自身にとってのオリコン1位はもちろん、「仮面ライダー」という作品において、その主題歌がオリコン1位になったのが初めてだったというお話だったので、それはすごくうれしかったですね。参加させてもらえてよかったなと思えた瞬間でした。

 ◇無音ダンスで知られる「Cry & Fight」が転機に

 ――17年は三浦さんにとってまさにブレークの年となりましたが、周囲の反応や状況の変化を感じ始めたのは、無音ダンスで話題になった「Cry & Fight」(16年3月にシングル発売)の時だったそうですね。

 もともとは「Black Hole」という楽曲があって、13年にそれをライブパフォーマンスする時に、演出の一つとして無音で踊るというのをやっていて、「Cry & Fight」にそれを引用したんです。「Cry & Fight」はトラック(サウンド)がちょっと止まって隙間(すきま)があるところと、たたみ掛けるようなサウンドの「緊張と緩和」がすごく描かれていて、緩急が効いた楽曲。その緊張の最たるものである「無音で踊る」というのが「Cry & Fight」に追加されることで、音が流れて緩和した瞬間の安堵(あんど)のような気持ちやインパクトもすごく大きくなるだろうなって思ったんです。世界観として、ものすごくハマるんだろうなって。

 僕は定期的に自分の歌やダンスが嫌いになるので、「今の自分のダンス、あんまりここが好きじゃないな」って嫌いになったことをいいことに、それを乗り越えるために新しい振り付けを作ってみたりするんですけど、「Cry & Fight」の時期は自分のダンスがあんまり好きじゃなくて。改めて「ダンスに特化した楽曲にしたい」という思いがあってこの作品を作ったことで、ちょっと好きになれたというか、「自分にしかできないダンスがあるのかな」という自信になったみたいなところはありました。この曲を16年に出してから、「三浦大知っていうダンスが面白いやつがいる」みたいな、見ていただける機会がちょっとずつ増えていったというのは、すごくあったと思います。

 ――そして17年の大みそかは、その「Cry & Fight」と「EXCITE」で紅白歌合戦に初出場を果たしました。出場した時の気持ちや周りの反応は?

 親戚も大盛り上がりでした。「三浦大知、(紅白)内定」みたいな報道が先に出ちゃった時に、うちのおじいちゃんが決定だと思っちゃったみたいで「うちの孫が紅白決まった」って電話して回っていたらしくて、「それは恥ずかしいからやめてほしい」って話はしましたね。「(お祝いの)電話がかかってくるのを待つ方がカッコいいんじゃない?」って言って(笑い)。でもそれぐらい盛り上がってくれました。

 紅白は、スペシャルな緊張感が流れている場所だなという感じはしましたけど、自分たちが今までやってきたことを評価していただいて、そのステージに立つことができたと思っているので、何か飛び道具的なものを出すのではなく、今までやってきたことを思いきりぶつけるということで、そこはシンプルにすごく楽しめたかなと思います。やっぱりダンサーやスタッフさんも含め、「みんなで紅白のステージにいるんだ」っていう感じはすごく幸せだなあ、と思いながらパフォーマンスしていました。

 ――こうした一連の状況の変化や盛り上がりに対してはどう受け止めていますか。

 僕としてはデビューした時からそこまでスタンスが変わっていないというか、「三浦大知がこんなことをやったら面白いんじゃないか、楽しんでもらえるんじゃないか」っていうことを変わらず積み重ねてきた感じだったので、(今後も)変わらず、一歩一歩しっかり積み重ねていけたらいいなという思いです。

 <プロフィル>

 みうら・だいち 1987年8月24日生まれ、沖縄県出身。97年にFolderのメインボーカルとしてデビューし、2005年3月にシングル「Keep It Goin’ On」でソロデビュー。三浦さんが初めてはまったポップカルチャーは、1998年に発売されたゲーム「メタルギアソリッド」。「隠れながら敵地に潜入するという、いわゆるステルスゲームで、それをやるようになってから、ゲームというものがエンターテインメントとしてすごく面白いものなんだなって教えてもらったところがあって。よりゲームが好きになりました。それが確か、小5とかだったと思います」と話した。

 (インタビュー・文・撮影:水白京)

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