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唐々煙(からからけむり)さんの同名マンガを実写化した映画「曇天に笑う」(本広克行監督、公開中)で共演した俳優の福士蒼汰さんと桐山漣さん。2人は共に特撮ドラマ「仮面ライダー」シリーズ出身だ。約6年ぶりに再会した2人に、互いの印象の変化や、日々の体調管理、さらに10年後の自分について聞いた。
◇動くことは大事
映画は、300年に1度、曇天が続くときによみがえるとされる、破壊神「オロチ(大蛇)」。その力を利用し、政府転覆をもくろむ忍者集団「風魔一族」に立ち向かう曇(くもう)3兄弟の活躍を描く。その曇3兄弟の長男で主人公の天火(てんか)を福士さんが、曇家に居候する金城白子(きんじょう・しらす)を桐山さんが演じる。
福士さん、桐山さん、共に、健康のための体調管理は怠らない。「動くことは大事」「運動しないとムズムズしてくる」という福士さんは、普段は「カリ」という武術で最低でも「週に一度」は汗を流すという。
カリは、今回の撮影でも役立った。「(天火の武器の)鉄扇もレンジ(幅、範囲)が短いですから、相手の手をギリギリまで見ながら」戦うところや、中山優馬さん演じる次男・空丸(そらまる)と武術の稽古(けいこ)をする場面での「空丸の手を封じる瞬間」などで、その技術を生かしたという。
◇「暴飲暴食」禁止
一方、桐山さんが日々気を付けているのは「暴飲暴食をしない」こと。以前は夜のラーメンなど、時間を気にせず食べていたそうだが、最近は「体のためを思ってやめた」という。今回の撮影中も、「トレーニング、プラス、食事制限をして、トレーナーさんに食べたものを毎回送らなければいけなくて、肉と野菜中心の生活をしていました」と明かす。
ただ、地方ロケの誘惑は多い。ある晩、街にふらりと出たとき、「ちょうどラーメン屋から出て来た(本広)監督と出くわして、幸せそうな、ほっこりした(監督の)顔を見て、だいぶ揺れました」と苦笑する。しかし「作品(の撮影)中だから」と誘惑を断ち切った。
◇6年ぶりの再会で
桐山さんは2009年の「仮面ライダーW」で、福士さんは11年の「仮面ライダーフォーゼ」でタイトルロール(主役)を演じ、さらに11年の映画「仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズ MOVIE大戦 MEGA MAX」で共演している。今回、約6年ぶりに再会したわけだが、互いの印象を聞くと、福士さんは桐山さんについて「優しいというイメージは以前と変わらないですね。いつも、『イエス、アンド』で答えてくれる人。すべて、肯定した上で、そして、と答えてくれるんです。そういうところが優しいなと思う要因なのだと思います」と語る。
対する桐山さんは、福士さんについて「以前は初々しかったですけど、今回の現場では、すごくまぶしく輝いて見えましたし、どしっとしている座長感みたいなものを感じました」とたたえる。
実際には3姉弟の末っ子で、兄の気持ちが「最初はちょっと分からないなと思っていた」という福士さんは、プライベートな時間でも、自分から弟・空丸役の中山さんをはじめとする共演者に積極的に話しかけることで、役作りしていった。そういった姿が桐山さんには、「主役として、自分が主軸となって現場を引っ張っていこう」とする“座長感”と重なったのだろう。
◇10年後は…
そんな福士さんと桐山さんに10年後の自分を想像してもらうと、福士さんは「役者としても、プライベートでも、自分らしく、自分のしたいことができていたらいいなと思います。自分が望む、いろんな役柄ができて、それを望まれるような役者になれていたら、すごく幸せだろうなと思います」と語る。役者以外、例えば映画監督などへの興味を尋ねると、「そうですね、勉強になると思いますし、監督業、プロデューサー業には興味はあります」と意欲を見せた。
一方の桐山さんは、「(10年後は)43歳なので、結婚して、子供がいたらいいかな」と、ファンをドキリとさせる答え。とはいえ、具体的な予定は「全然ないんですけど」としながら、「守るものがあると、役者としてもちょっと違う魅力を出せるのではないかと思いますし、違ったものも出るのではないかと思います。でも、この道でやっていきたいという思いはありますし、やっぱりこの仕事が好きなので、好きなことをして食べていけているということが、何よりも幸せだと思います。そこに感謝していかなければいけないと思いますし、とにかく、幸せでありたいなと思いますね」と笑顔を見せた。映画は21日から全国で公開中。
<福士蒼汰さんのプロフィル>
ふくし・そうた:1993年5月30日生まれ、東京都出身。2011年に俳優デビュー。同年、「仮面ライダーフォーゼ」で初主演。13年にはNHK連続テレビ小説「あまちゃん」に出演し、14年エランドール賞新人賞を受賞。主な映画出演作に「好きっていいなよ。」「イン・ザ・ヒーロー」(共に14年)、「図書館戦争」シリーズ(13年、15年)、「ストロボ・エッジ」(15年)、「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」(16年)、「無限の住人」(17年)など。18年公開作として「ラプラスの魔女」「BLEACH」「旅猫リポート」が待機中。
<桐山漣さんのプロフィル>
きりやま・れん:1985年2月2日生まれ、神奈川県出身。2009年に「仮面ライダーW」でテレビドラマ初主演。主なドラマ出演作に「37歳で医者になった僕~研修医純情物語~」(12年)、「空飛ぶ広報室」(13年)、「ロストデイズ」(14年)、「傘をもたない蟻たちは」(16年)、「幕末グルメ ブシメシ!2」(18年)など。映画出演作に「大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]」(12年)、「群青色の、とおり道」(15年)、「呪怨-ザ・ファイナル-」(共に15年)、「カノン」(16年)、「新宿スワンII」(17年)など。日仏合作映画「海の底からモナムール」「ドルメンX」が公開待機中。
(取材・文・撮影/りんたいこ)