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東海エリア発の男性10人組ユニット「BOYS AND MEN」(ボイメン)の田中俊介さんが出演する、俳優の大谷亮平さん主演の映画「ゼニガタ」(綾部真弥監督)が26日、公開された。大谷さん演じる銭形富男が経営する、表向きは居酒屋、裏ではヤミ金という店「銭形」を訪れた人々の運命を描く物語。「銭形」で働くことを希望する元ボクサーの剣持八雲を演じた田中さんに、役どころや映画への思い、自身のお金の使い方などを聞いた。
◇元ボクサー役は撮影半年前から役作り 「リアルとアクションの違いを痛感」
昨年公開された初主演映画「ダブルミンツ」(内田英治監督)では、最大で14キロ減量するなど、徹底した役作りでも知られる田中さん。今回は、元ボクサーという役どころで撮影の半年ほど前からボクシングの練習に励んだ。
グループの音楽活動やイベント、テレビ収録などの合間をぬって「多いときは週に3回」、練習に通ったといい、「以前から(演じる)人物が持っている攻撃性を自分の中から引っ張り出すためにボクシングを使って役作りをしていたこともあったので、ボクシングはちょこちょこやっていました。今回は、元ボクサーがうそにならないよう、構え方もリアルなものを追求したいと、念入りに練習しました」と振り返る。
撮影が始まると「リアルなパンチと、(撮影用の)アクションのパンチの違いを痛感した」といい、「難しかったですね。絶妙な境界線があって、その境界線を追求するのに、監督とカメラマンさんと話し合いを重ねて……」とコメント。中でも作品の冒頭、八雲が登場するシーンは役にとって要となるシーンで「そのシーンのアクションにリアルさがないとダメだと思っていたので、かなり時間をかけました」と明かした。
役どころについては「八雲は成功体験のない劣等感のある男」と説明。「僕自身も成功体験のない男だったし、みんな人生がうまくいかないことってあるから共感できる。この(ゼニガタの)世界に新しく入ってくる人間でもあるので、アングラな世界を八雲と同じようにのぞき見してもらえれば」と語った。
◇個性派俳優との共演に「刺激」 小林且弥が「兄貴みたいな存在」に
今作には主演の大谷さんが演じる銭形富男の弟、静香役で小林且弥(かつや)さんが出演しているほか、佐津川愛美さん、玉城裕規さんら存在感のある個性派俳優が出演。田中さんは「個性的なキャストが個性的なキャラを演じていて、ストーリーを楽しむことに加えて、一人一人のお芝居を楽しむこともできる」とアピールする。
撮影中は「小林さんが兄貴みたいな存在だった」といい、「(静岡県の)沼津で撮影が早く終わった日に、ブラッと歩いていたらばったり会って、食事に誘ってもらいました。いろんな映画の話や、今日の芝居についてみたいな話、(今後も)お芝居をやっていきたいという思いとかも聞いてくださって……。ちょっとした空き時間も支えてもらいました」と感謝する。
「ほぼ同世代」という佐津川さんと玉城さんからも刺激を受けた。「佐津川さんは作品によって目が変わる方。今回の作品でもちょっとしたところで虚無感が出ていて、そのお芝居を生で見られたのは貴重な経験だった。玉城さんは個性的なルックスで完全な“悪役顔”。僕もダークな、アンダーグラウンドな部分に興味があるので、そこで輝いている玉城さんと一緒に演じられてうれしかった。刺激的な現場でした」と充実した表情を見せた。
◇お金の使い方は堅実派 「好きなものには使っちゃう」
劇中では、ブランドものに狂い借金をするキャバクラ嬢など、返せるあてのない借金を抱え、最後の手段として「銭形」を訪れる人々の姿が描かれる。自身は「この世界(ゼニガタ)の世界には入り込みたくないですね。ゼニに食われてしまうので……」と本音をポロリ。現実には「昔からちゃんと貯金をするタイプ。でも好きなものには(お金を)使っちゃう」という。
映画が大好きで、お金はDVDやブルーレイディスク(BD)の収集や、映画観賞などに使うといい、「毎日1~2本見ているのに(見る)ペースが追いつかないぐらい収集していてヤバいんです。封を開けていないDVDがたまっていくのがうれしい半面、恐怖でもある。次に引っ越したときとかには、壁に棚を備え付けて、そこを(DVDやBDで)埋めていって、埋まっていく姿を見て、ほほ笑みたい」と満面の笑みで語った。昔は服が好きだったというが、映画関連のものにお金を使い始めてからは「服も冬のアウターは高いから古着で安いものにするとか、メリハリをつけている」と堅実な一面も明かした。