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森川葵:男性の好み「服を着ているほうがセクシーに見える」 映画「OVER DRIVE」出演

 女優の森川葵さんが、自動車競技「ラリー」の世界を舞台にした映画「OVER DRIVE」(羽住英一郎監督)で、天才ドライバーのエージェントを演じている。森川さんは今作に関わるまでラリーを知らなかったというが、むしろそのことが役作りに生かされたという。森川さんに、映画の見どころや役と自身の共通点、また、森川さんが考える「輝いている女性」について聞いた。

 ◇ラリーを初めて見る人目線で

 映画は、ラリーカーのチームでチーフメカニックを務める檜山篤洋と、その弟で天才ドライバー檜山直純の、兄弟だからこその対立と絆、競技に懸けるチームの情熱を描いていく。篤洋を俳優の東出昌大さんが、直純を新田真剣佑さんが演じている。

 森川さんの役は、直純の新たなエージェントとして着任した遠藤ひかる。ラリー競技に関してはずぶの素人という設定だ。実は森川さん自身、今作に関わる前はラリーについての知識がなく、ひかるを演じることでラリーを知ることができたという。また、周囲に思いのほかラリーを知らない人が多かったことから、「ラリーを初めて見る人の目線になることがすごく大事だ」と考え、「分からないことは分からないと言うことや、初めて(ラリーを)見てドキドキしている新鮮な感じ」を意識して演じるよう心掛けた。

 そして今回、実際にラリーを観戦した。そのとき、ドライバーと共に車両に乗り込み走行の手助けをする「コ・ドライバー(ナビゲーター)」を、女性が担当しているチームが多いことを目の当たりにし、「男性だけの現場かなと思っていたら、女性も入っていけるところがある。女性だからこそできることがあるのだろうなと思いました」と話す。

 ◇兄と弟、好みは…

 実直でチームのメンバーからの信頼も厚い篤洋と、勝気で傍若無人なドライバー直純。対称的な2人だが、それぞれに魅力がある。ひかるがどちらに引かれるかは映画を見ていただくとして、森川さんは「若いうちだったらきっと、いろんな刺激を求めて直純に引かれると思いますけど、20代後半に入ってきたら、安定感とか優しさ、包容力を求めて篤洋に行くような気がします」と年齢による“好み”の違いを推測する。

 また、上半身裸になり、鍛え上げられた肉体を見せる直純と、終始ツナギ姿の篤洋。「女性もそうですが、服を着ているほうがセクシーに見えることってありますよね。そういうセクシーさが、篤洋のツナギにはあると思います。(篤洋は)身長も高いし、スタイルもいいのでツナギもすごく似合っていますので、そういう(裸)のはいらないんです(笑い)」と、ツナギ姿を「篤洋のグッドポイント」として挙げた。

 ◇ストレスをためないために

 2010年にモデルとしてデビューし、12年の短編映画「転校生」で主演。以来、さまざまな作品に出演し、今年に入ってからは、「嘘八百」「リバーズ・エッジ」が公開され、出演ドラマ「賭ケグルイ」「明日の君がもっと好き」が放送された。そんな多忙な日々を送る中、体調管理と美容で気を付けているのは、「基本的なことしかやっていないのですが」と断ったした上で、「毎日お風呂につかるようにするとか、化粧水とクリームはちゃんと塗るとか、リップを塗るとか、本当にそれぐらいのことしかしていないんです」と明かす。

 食生活に関しては、もともと食べることがとても好きで、「食べているときが幸せを感じるときなんです(笑い)」という森川さん。食べたいものを我慢するのは「本当に苦手で、それによってすごくストレスがたまる」ことから、「自分が食べたいものをなるべく食べるようにしています」とはにかみながら答える。

 ファッションに関しては、数年前まで好きで着けていたアクセサリーに対して、あるとき、「何のためにするのだろう」と疑問が湧き、それ以来、「何もいらない」と思っていたという。しかし最近、「またふつふつとアクセサリーって可愛いなと思い始め、少しずつ集め始めて」おり、中でも今はイヤーアクセサリーに関心があるという。

 ◇10年後は「考えない」

 ひかるは、将来有望な若手ゴルファーの担当を外され、直純のエージェントを任された。「自分がやりたい仕事があるのに、それとは別のやりたくない仕事を任されても、どうやって頑張っていいのか分からないし、でもやらなきゃいけない」状況にあるひかるに共感したという。森川さん自身、「自分の中ではっきり、これは好きと分かっているときは、これいいですねと言えるんですけど、自分の中で分からないときは、大丈夫という言葉に全部任せて、押しきっちゃうことが多い」という。だからこそ、「自分の好きなものややりたいことを、これがやりたいですとか好きですといえる女性は、すごく輝いて見えるというか、カッコいいなと思います」と語る。

 また、10年後の自分を想像してもらうと、「私、本当に、今が楽しければいいというタイプなんです(笑い)。それにすごくネガティブで、未来のことを考えても落ち込むことばかりなんです。ですから、計画性がなくてよくないのかもしれませんが、最近は、今、楽しいことだけを考え、未来のことはなるべく考えないようにしています」とはつらつとしたイメージには似つかわしくない答えが返ってきた。

 オフの日は、「家にこもる」ことが多く、動画配信サイトで映画を見たり、編み物をしたりして過ごしているという。ただ、これまでも時計の中をのぞいて仕組みを見たりすることが好きだったそうで、今回、「OVER DRIVE」に参加して、「車って、ここまで人間の手によって部品を外すことができるんだ」と興奮し、「人間が車を組み立てていることがすごく不思議で面白く」感じられ、改めて「“組み立てる”ということに興味が湧きました」と目を輝かせる。

 インタビューの日、控え室に、今作に登場するラリーカーをイメージしたミニカーの組み立てキットが置いてあり、それを見て「やったあ」と歓声を上げたとか。「オフの日に組み立ててみたいと思います」と顔をほころばせていた。映画は1日から全国で公開中。

 <プロフィル>

 もりかわ・あおい 1995年6月17日生まれ、愛知県出身。2010年、雑誌「Seventeen」(集英社)専属モデルでデビュー。主な映画作品に「渇き。」(14年)、「チョコリエッタ」(15年)、「TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ」「金メダル男」「A.I. love you」(いずれも16年)、「花戦さ」「恋と嘘」「先生!、、、好きになってもいいですか?」(いずれも17年)、「嘘八百」「リバーズ・エッジ」(共に18年)など。「耳を腐らせるほどの愛」が19年公開予定。6月30日から出演したドラマ「バカボンのパパよりバカなパパ」がNHK総合で放送される。

 (取材・文・撮影/りんたいこ)

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