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俳優の鈴木亮平さん主演のNHKの大河ドラマ「西郷(せご)どん」に、坂本龍馬役で出演している小栗旬さん。西郷役の鈴木さんとの再共演について、「熱い気持ちになりますよね。亮平君とは24(歳)くらいのときに知り合って、ちょうど干支(えと)が一周したくらい時間がたって、その亮平君が、今や大河ドラマの“ど真ん中”をやっている。人生って面白いなあ」と感慨深げに語る。加えて「背負っているものは間違いなく大きいだろうし、ただ単純に大河ドラマの主役を一年間やるってことに対しては、とてつもなく尊敬はしています」と率直な思いを語る小栗さんに、龍馬役や大河ドラマへの思いを聞いた。
◇坂本龍馬のバイタリティーに感嘆 「批判も評価もありがたく受け止める」覚悟
坂本龍馬は言わずと知れた幕末の風雲児で、これまでもさまざまな名優が演じてきた人気のキャラクターだ。常識破りの行動力と折衝力も龍馬を語る上では欠かせない要素で、小栗さんも「彼のバイタリティーはただただすごいなって思いますし、自分の足を使って赴くしかない時代に、あれだけの人に会い、間を取り持つ作業をしていたっていうのは、僕には考えられない」と感嘆の声を上げる。
自分のことを「影響を受けやすいタイプ」とも話す小栗さんは、「ちゃんと人と話をするときは“会いに行かなくてはいけないな”と思いました」といい、「今はコミュニケーションのツールがたくさんありますが、当時は直接会うか手紙。その手紙も、何日後に着くか分からない、本当に届いたのかどうかも分からない状況で。その時代に生きることができたら、“生きる”ってことをすごく全うできたんじゃないのかな」と憧れを抱くことも。
さらには、「そういう“先人たち”が、自分の国にいたんだって思わせてくれるのはいい」と笑顔を見せると、「龍馬さんは、僕自身も幕末の中では『一番、カッコいい』と思えるキャラクターではあるので、役として演じることができるのはありがたいですし、うれしくもあります。何をしても、やったらやったで自分の坂本龍馬にしかならないとは思っているので、批判も評価もありがたく受け止めたい」と気持ちの強さを見せていた。
◇「西郷どん」参加で感じたこと 俳優としての“現在地”と大河主演への思い…
「西郷どん」が7度目の大河ドラマとなる小栗さんは、今回は「演出の方が、それぞれの俳優さんに任せているっていう印象がある」といい、「それがいいか悪いかは別にして、亮平君を中心に俳優同士が積極的にディスカッションできる状況があって、実際に現場で議論できているというのは、俳優や演出、スタッフがいい関係性にあるってことだと思います。亮平君も、彼なりに意識してそういうふうにしようと思ってやっている部分がある」と感心する。
一方で、“盟友”の鈴木さんが大河ドラマの主演を張るのを目の当たりにし、「本当に大変だと思います。月から金曜までリハやって撮影して、土日に薩摩弁をチェックしながらせりふを覚えてって、大変なことをやっている」と痛感した様子で、「もちろん、自分もいつかは(大河ドラマの主演を)やれたらとは思います。1年以上一つの役をやりきるってことはすごくやりがいがあるし、自分に返ってくるものはすごく大きなものがあるとは思うんですけど、実際に話が来たら、受けるかどうか考えちゃいますね」と本音をポロリ。
さらに小栗さんは「『西郷どん』に参加して感じたことなんですが、僕はたいして芝居がうまくない。(民放の連続ドラマのように)3カ月ぐらい見るぶんならいいんですけど、これが1年となると『あれ、期待外れ?』ってなりそう」と冗談交じりに俳優としての自分の“現在地”を示すと、「芝居って結局、うまい、下手とかは重要ではなく、ある意味、演じるキャラクターとしてどう“存在するか”なので、役への洞察力であるとか、普通の人が感じないような心のひだの表現とか、自分はぼんやりしているので、もう少し頑張らないといけないなとは思っています」と、改めて力を込めた。
「西郷どん」は、明治維新150年となる18年放送の大河ドラマ57作目。薩摩の貧しい下級武士の家に生まれた西郷隆盛(吉之助)の愚直な姿にカリスマ藩主・島津斉彬が目を留め、斉彬の密命を担い、西郷は江戸へ京都へと奔走する。勝海舟、坂本龍馬ら盟友と出会い、革命家へと覚醒。やがて明治維新を成し遂げていく……という内容。NHK総合で毎週日曜午後8時ほかで放送。