NHKの大河ドラマ「西郷どん」で天璋院(篤姫)を演じている北川景子さん (C)NHK
俳優の鈴木亮平さん主演のNHK大河ドラマ「西郷(せご)どん」に天璋院(篤姫)役で出演している北川景子さん。23日に放送された第36回「慶喜の首」では、鈴木さん演じる西郷吉之助との再会シーンが話題を集めた。30日放送の第37回では“江戸無血開城”につながる重要なシーンも控えている。北川さんに久々の登場や吉之助との再会シーンの感想、撮影を終えた感慨や大河ドラマ出演への思いなどを聞いた。
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◇吉之助との再会に感慨 “幾島”南野さんへの思いも…
第36回で、天璋院は吉之助と12年ぶりの再会を果たした。徳川家を巡る立場は以前と大きく変わったが、「再会のシーンのおけいこをさせていただいた時、立場とかすべてを抜きにして再会を懐かしむ、感慨深い気持ちが最初に出てきたので、その気持ちを視聴者の皆さんにお伝えできればと思っていました」と北川さん。
吉之助を演じる鈴木さんについても「鹿児島の最初の方のロケでご一緒してから1年もたっていないのに、すごく精悍(せいかん)な西郷さんになっていて。大人っぽいというか、たくましい西郷さんになっている気がしました。たくさん大変な撮影を乗り越えてこられたのだなと思います」と印象を語る。
ドラマ内では長い年月がたっている。北川さんは「一つのキャラクターとして違和感が無いように見ていただくことが一番の課題でした」といい、「描かれてはいないけど、(出演していない間に)歴史的事実としてこういうことがあったということはちゃんと学んで。見ている方に『別人だな』とか『つながっていないな』と思われないように、想像で膨らませた部分もあったと思います」と役作りを語る。
もちろん難しい部分もあった。北川さんは「西郷さんとは輿(こし)入れ以来だったので、(天璋院を)どれくらい大人にしたらいいんだろう……と考えていました。声もどれくらい低くしようか、どれくらいかつらや着物で年齢を出していこうか……とか、外見的な部分も含めてすごく悩みました」と吐露。
だが、「結局は頭で考えたことより、鈴木さんとおけいこして生まれたものが残った」とし、「気持ちで演じていたのかなと思います。急に大人になって誰か分からなくなることがないよう、気を付けてやっていました」と語る。
第36回では、篤姫の指南役としてそばにいる、南野陽子さん演じる幾島も再登場。南野さんとは、共演シーンについて特に相談するようなことはなかったというが、撮影の合間には「たくさんお話しさせていただいた」といい、「同じ兵庫県出身ということで、南野さんがめちゃくちゃ可愛がってくださったので、幾島が天璋院を思う気持ちと、南野さんが私を思う気遣いがリンクしていた。温かい目で見てくださっていました」と笑顔を浮かべる。
「天璋院は大奥で幾島だけが頼りだった。私も大河ドラマの撮影で緊張している中で、南野さんが気遣ってくれたのがうれしかったし頼りにしていましたので、自然に演じれば、そうなった。久しぶりでしたが、これまでの撮影で信頼関係ができていたので、スッと(役に)入れたと思います」
◇「セーラームーン」以来の長丁場 演じ切り「自信付いた」
第37回「江戸無血開城」で出番を終える北川さん。長期間の撮影が終了した今、どのような心境にあるのか。「寂しかったですね」とクランクアップ時の気持ちを明かし、「他の作品をやりながらも、ずっと『西郷どん』は見ていたし、次にいつ呼ばれても、天璋院の気持ちが途切れていないように、撮ってはいなくてもずっと現場に参加していた気持ちでした」
「こんなに長い現場は、デビュー作で特撮(『美少女戦士セーラームーン』)をやらせていただいた時以来。一つの役柄のことをずっと考えているのは珍しいことだったから、寂しかったし、『終わりたくない、まだ出たい』という気持ちでした」と「西郷どん」への思いを明かす。
初の大河ドラマで、大役を演じ切って、何を得たのか。「これまで私の顔と名前が一致していなかった方も『篤姫の子』と覚えてくださったり、新しい方々から『応援しているよ』と言っていただいたりもして……。大河ドラマに出ることの反響ってこんなに大きいんだ、と感じました」と北川さん。
撮影前は「これまでそうそうたる女優さんが演じてこられた役だから、『うまくいかないかもしれない』という思いもあった」とプレッシャーもあったが、「最終的には『良かったよ』とたくさんの方に言っていただいて……。自信もついたし、また呼んでいただけるように頑張ろう、と励みにもなりました」と語る。「一つの役柄を演じたという以上のものが、たくさんあった」と。
最後に北川さんは「俳優をずっと頑張って続けてきて良かったな、今回参加できて良かったな、と思いました」と晴れ晴れとした表情で語った。
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