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「私の芝居はこうなのだということを言えるようになると、たぶん私強くなるなと思ったので、これからその作業をしたいなと思ったんです。だから、ここから勉強ですね」。「大恋愛~僕を忘れる君と」(TBS系、金曜午後10時)の撮影の合間に、こう語っていたのは、主演女優の戸田恵梨香さん(30)だ。7日放送の第9話では、子供の誕生など、人生の喜びが描かれた一方で、戸田さん演じる尚の病気も進行。SNSでは「戸田恵梨香という役者のすごさを再認識した」などといった称賛の声が飛び、演技力の高さを見せつけた。戸田さんが語る芝居への思いや、30代への思いとは……。
ドラマは、若年性アルツハイマーを患う医師の北澤尚(戸田さん)と、尚を支える恋人の元小説家・間宮真司(ムロツヨシさん)の10年にわたる切ない純愛物語。「セカンドバージン」(NHK総合)などで知られる脚本家の大石静さんが手がけるオリジナル作品。
◇尚を演じる難しさ 「女優力に感動」の声も
ドラマの放送前に行われた会見では、「すごいパワーのある作品ができそうだなと、確かなものをつかめたような気がしています」と語っていた戸田さん。ドラマが放送されると、尚と真司が繰り広げる“イチャイチャ”に大反響があったほか、「本当の夫婦みたい」などの声も上がった。また、「元々いい演者であったのは間違いないのですが、更に戸田、ムロツヨシの株が上がったドラマでだったのではないでしょうか」といった声もあった。
ドラマを手がける宮崎真佐子プロデューサーは、尚を演じることは「難しい」と語り、その理由について「アルツハイマーは、実際に治った人がいないので、治った人の話を聞けない。記憶をなくすというのが、ただの物忘れじゃないので、どういう感覚なのか想像してやるのが、演じる上で難しいだろうなと思います」と話していた。
第9話では、子供の誕生をはじめ、母・薫(草刈民代さん)と侑市(松岡昌宏さん)の結婚、真司の作品「もう一度、第一章から」がベストセラーになるなど、人生の喜びが凝縮したかのような時間が描かれた。一方で、尚の病気が進行してしまい、子供がいなくなってしまったことにすら気づかず、真司から「いい加減にしろ!」と怒鳴られたときに見せた悲しい顔……。そんな尚を見事に演じ、「戸田恵梨香さんの女優力に感動」「尚になりきっている感が半端じゃない」という声も上がった。
公式サイトの「ファンメッセージ」のコーナーには、「このドラマに出会えて良かったと本当に思います」「久しぶりに1秒足りとも見逃したくないと思ったドラマ」などのメッセージが寄せられている。戸田さんが語ったように、作品の“パワー”を感じることができるのではないだろうか。
◇30代への思いは… 「自分の進化に期待」
8月に30歳の誕生日を迎え、これまでのキャリアをすべて「捨てたんです」と告白していた戸田さん。2019年度後期のNHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「スカーレット」のヒロインを務めることが発表された会見の席では、「(女優として)第2章のスタートラインに立てたと実感している」と晴れやかな笑顔で語っていた。
一方で、「24歳のときに、女優・戸田恵梨香としての第1章が終わったなって思って。20代で悩んでいたのが、どうすれば第2章に向かえるのか。第2章を迎えるにあたって、どうスタートを切るべきなのか分からなくなってしまった」とも語っていた。10月に行ったインタビューでも「成長が止まることが嫌いというか嫌なので、そのために何か自分が得られるモノをさらに広げていくための作業を30代でしたい」と話し、芝居への思いも告白していた。
「『あなたのお芝居のルーツは何ですか』って聞かれると、たぶん答えられない。たとえば、私が舞台に参加するとしても、舞台役者の人には絶対勝てない。舞台役者の人たちは『こういうことでやっているのだ』ということをたぶん言えるんですよ。私は言えないなと思って。アーティストの人はアーティストの人で、確実に言えると思うんですよ。だから、私の芝居はこうなのだということを言えるようになると、たぶん私、強くなるなと思ったので、これからその作業をしたいなと思ったんです。だから、ここから勉強ですね」
朝ドラの会見では、「自分の進化を期待をしている」と語っていた戸田さん。これから、どんな“進化”を見せてくれるのか注目だ。「大恋愛」の最終回は、14日午後10時から15分拡大で放送。