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浅田次郎さんの小説「輪違屋糸里」を実写化した映画「輪違屋糸里 京女たちの幕末」(加島幹也監督)が15日から有楽町スバル座(東京都千代田区)ほかで順次公開される。幕末の京都・花街で島原輪違屋に身を置く天神糸里を主人公に、新選組の芹沢鴨暗殺事件を女性目線で描く本格時代劇。「ソロモンの偽証」に主演した女優の藤野涼子さんが糸里役で主演を務め、時代劇に初挑戦している。
糸里(藤野さん)は姉と慕う音羽太夫(新妻聖子さん)を、新選組筆頭局長・芹澤鴨(塚本高史さん)に無礼打ちされる。騒然とする場を収めたのは糸里が淡い恋心を抱く新選組副長の土方歳三(溝端淳平さん)だった。このころの新選組は近藤勇と芹澤の2人の局長が存在し、両派が対立を深めていく中、芹澤鴨暗殺の計画が立てられる。糸里や芹澤の腹心・平山五郎(佐藤隆太さん)と恋仲の芸妓・吉栄(松井玲奈さん)らは、次第に男たちの抗争に翻弄(ほんろう)されていく……というストーリー。
歴史上の偉人たちの中でも人気が高い新選組は、語られる物語に応じて人物像など描かれた方が変わるのが特徴だが、今作では女性の目線で、愛がテーマの中心に据えられ、土方らの多面性を描いている。誰もがそうであるように、戦っているときと大切な人といるときでは表情も変わり、新選組というモチーフの新たな一面を見た気がした。クライマックスで糸里が新選組にすごむ場面は、時代劇初挑戦とは思えない藤野さんの演技に圧倒的された。(遠藤政樹/フリーライター)