ファッショントレンド：2019年の注目は「リネン」と「ダッドスニーカー」　セットアップも続々　後編

　30歳前後のカルチャー系の女性をターゲットにした宝島社発行のファッション誌「SPRiNG（スプリング）」の平澤梢編集長に、今年の注目のアラサー、アラフォー向けファッションを聞いた。前後編で取り上げる。

　◇見逃せないリネン素材　ダッドスニーカーは今年の顔に？

　今年、平澤編集長が注目しているのは「リネン素材」と「ダッドスニーカー」。リネン素材は「ワンピースやシャツ、ジャケットのセットアップなどきちんと感のあるアイテムもリネンを選ぶことで堅苦しくなりすぎず、こなれた印象に。着心地もいいですし、リネン＋UVカットなど機能素材なども出てきているので、今年はリネンの当たり年になりそうです」と大きな期待を寄せている。

　一方、ダッドスニーカーは「お父さんが履いていそうな、ちょっといなたい（ダサい）デザインのボリュームスニーカー」で、昨年に続きトレンドになると予想。平澤編集長もすでにワードローブに加えているといい、SPRiNGの編集部でも、すでに「3人くらいかぶって（所有して）います」という。

　「存在感があるので、手持ちのニットとデニムだったり、無地のワンピースに合わせたり、シャツ×スラックスに合わせたり、シンプルなコーディネートも足元をダッドスニーカーにするだけで可愛く、今年らしさと“しゃれ感”が出るのでおすすめです。もちろんスニーカーなので、たくさん歩く日でも疲れませんし」と使い勝手の良さとトレンド感、機能面での信頼度も抜群。今年の“顔”になるかもしれないアイテムだ。

　◇柄もの、セットアップ…店頭に続々　アクセサリーの流行は…

　ほかに店頭にたくさん並びそうなアイテムとして「柄もの」や「セットアップ」を挙げた平澤編集長。特に春は、ボーダーやストライプが豊富になるといい「今まで多かった白×ネービーなどの（定番の）配色ではなく、ちょっとレトロなイメージのカラフルな配色のマルチボーダー、マルチストライプが今年らしいです」と紹介する。

　セットアップは「ジャケット×パンツのセットアップはもちろん、ニット×スカートやニット×ニットパンツなどさまざまなタイプ」が並び、オーバーオール、つなぎなどのオールインワン、ワンピースなどもそろう見込み。“一つでサマになるアイテム”のバリエーションが増えるのはうれしい傾向だ。

　ダッドスニーカー以外のシューズでは「スリッパサンダルやバブーシュ、甲の深いフラットシューズなど、引き続きリラックスムードなアイテムが豊富」。アクセサリーは「シルバーやゴールドのアクセが一世を風靡（ふうび）していましたが、そこにクリア素材、カラフル素材、ウッドやべっこう、カラーストーンなどの天然素材が増えてきました」という変化もあるという。

　トレンドをうまく取り入れて、今年も自分なりのおしゃれを楽しみたい。

＜プロフィル＞

　ひらさわ・こずえ　名古屋市出身。男性向け雑誌の編集を務めた後、2010年に宝島社に入社。女性ファッション誌「InRed（インレッド）」の編集部を経て、29歳の時に「SPRiNG」へ異動。30歳から現職。

　＊『SPRiNG』……1996年に創刊。2014年に30歳前後の「おしゃれで知的な文化系女子「グッドガール」をターゲットに大幅にリニューアルした。コンセプトは「“好き”にとことん！洒落オタ女子」。