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佐藤健:「ひとよ」で鈴木亮平、松岡茉優と共演 3人が考える健康を保つ秘訣と10年後の姿

 映画「彼女がその名を知らない鳥たち」(2017年)や「孤狼の血」(2018年)などの作品で知られる白石和彌監督が、初めて「血縁に縛られた家族」をテーマに描いた映画「ひとよ」が、11月8日に公開された。今作で、主演の佐藤健さんが次男の稲村雄二を、鈴木亮平さんが長男の大樹を、松岡茉優さんが長女の園子を演じる。2020年にはそれぞれに公開作があるなど多忙な毎日を送る3人に、映画についてはもとより、健康を保つための秘訣(ひけつ)や10年後の自分について聞いた。

 ◇ビタミン3兄妹

 9月に開かれた今作のジャパンプレミア試写会で、雄二役には「今より線を太くして、体内を汚して挑もうと思っていた」と明かした佐藤さんだが、自身の健康のためには、「ビタミンCのサプリメント(サプリ)を寝る前に飲んでいます」という。ただ、なぜビタミンCなのかと聞くと、「分かりません。(体に)良さそうなので(笑い)」と動機は案外ゆるいようだ。

 その佐藤さんの言葉に、「私も、健君にお勧めしたマルチビタミンのサプリがあるんですけど、それと、乳酸菌のサプリを毎朝飲んでます」と鈴木さんが続く。すると松岡さんまでもが、「私も、最近、可愛い形のビタミンCのグミのサプリを見つけまして、それと、ビタミン豊富なパプリカを食べております」とつなげ、どうやらこの“3兄妹”はビタミンCにはまっているようだった。

 運動面での健康法を尋ねると、「しておりません」とかしこまった口調で答えた佐藤さん。「ただですね」と言葉をつなぎ、「クーラーをあまりガンガンにつけたりしないようにしています。冷えたところで寝ないとか、昼寝するときも絶対クーラーは消して寝るということはしております。そうすると風邪を引きませんので」と、取材時の夏の暑いさなかならではの答え。ちなみに冬の時期は「乾燥には本当に気をつけております」という。

 一方、「走る」ことを挙げたのは鈴木さん。今までは、体つきがいい人物を演じるときなどは無酸素運動、いわゆる筋肉トレーニングで体を作ることが多かった。しかし「全身のバランスをよくして、かつ、循環器系や呼吸器系にも走ることはやっぱりいいということを最近実感した」そうで、「気が向いたときに30分くらい走っている」という。

 ◇10年後は…

 映画は、15年前のある出来事をきっかけに、壊れてしまった一家の、その後を描いたヒューマン作だ。そこで、「15年」ならぬ、10年後の自分を想像してもらうと、10年後に46歳になる鈴木さんは、「46歳にふさわしい顔をしていたいですね。若過ぎることなく、苦労して老け過ぎることなく、年相応に渋くなっていたいと思います」と話す。

 10年後、34歳の松岡さんは、「できれば、家庭が欲しいですね。温かくて、鈴木さんみたいな優しくて寛容な旦那さんと、何でも言い合えるような、風通しのいい家庭を作りたいです」と笑顔を見せ、「仕事も続けていたいです」と答えた。

 その松岡さんの言葉を聞き、10年後に40歳になる佐藤さんは、「私もできれば家庭を持っていて、ヨーロッパに住んでいたいです」といいつつ、「10年後に、自分は何に興味を持っているか分かりかねるので、そのときやりたいと思っていることをやれていたらいいなと思います」と補足する。すると、佐藤さんの「興味」という言葉に反応した鈴木さんが、「僕は、46歳までには世界1周旅行というのを一回してみたいと思います」と目標を掲げた。

 ◇色白の松岡に「いいぞ、いいぞ」(佐藤)

 今作において佐藤さんは、無精ひげに手入れの生き届いていないぼさぼさの髪、ヤンキーっぽいパーカなど、やさぐれ感十分で登場する。一方、鈴木さんは、眼鏡をかけ、前髪を垂らした真面目そうな風貌。松岡さんは、茶髪を毛先にかけて金髪にした、これまたヤンキー風の髪形で、それぞれがいつもとは一味違う外見で挑んでいる。そんな自分の姿を鏡で見たときのことを、佐藤さんは「違和感はなかったですね。新鮮だなあとも思わなかったですし(笑い)」と振り返る。

 違和感を抱かなかったのは、大樹役の鈴木さんに対しても同じで、「亮平君もさほど違和感はなく、大樹っぽいなと感じました」。一方、松岡さんに対しては、初共演だったこともあり、「普段と違うと思うこともなく、あ、松岡茉優だ、色、白いな。僕、色白推しなんで、いいぞ、いいぞと(笑い)」と思ったことを明かす。

 ◇「カッコいいお兄ちゃん」の変化に驚いた松岡

 その言葉にすかさず「推されました(笑い)」と応じた松岡さんは、中学生のころ、佐藤さんが出演するドラマ「ROOKIES ルーキーズ」(2008年)を見ていて、「めちゃくちゃカッコいいお兄ちゃんだと思っていた」だけに、「(撮影)現場に行ったら、見たことのない汚めの佐藤さんがいた(笑い)」ことに驚いたという。

 すると、ドラマ「天皇の料理番」(2015年)などで共演した鈴木さんは、今回の無精ひげは佐藤さんに「似合っている。相変わらずカッコいいなと思いました」とフォロー。半面、やはり今回が初共演だった松岡さんを現場で見たときは、「あか抜けない松岡茉優バージョンだと思った(笑い)」と話した。

 ◇鏡に映った自分が「のび太」に見えた(鈴木)

 鈴木さんの目に松岡さんが「あか抜けない」と映った要因の一つは、園子の髪のせいだろう。松岡さんは当初、「(頭の)トップから金髪に染めようと思っていた」そうだが、白石監督から「数年前に染めているのをやめていることにしたい」と言われ、髪の毛の途中から染めることにしたという。「なぜ数年前に染めるのをやめたかは、映画を見ていただきたいと思います」というのが松岡さんからのメッセージだ。

 では、鈴木さんはというと、自分の姿を鏡で見たとき、ちょうど黄色い服を着ていたこともあり、「あれ、これ、でかい(『ドラえもん』の)のび太だと思った」と明かす。さらにそれは「だんだん、(お笑いコンビ)『ずん』の飯尾(和樹)さんに見えてきて……」と続けると、松岡さんが、「似てる!」、佐藤さんは「確かに」と相づちを打っていた。

 ◇スタッフの職人気質に感嘆

 今回、ロケが行われた茨城県神栖市にあるタクシー会社でのエピソードを尋ねると、「家族」や「母」に焦点を当てた映画だからこそ、「お赤飯のおにぎりや、揚げもの、キュウリの漬物といった、お母さんの手料理的な差し入れを撮影中に食べられたのはうれしかったです」と松岡さんは感謝する。

 原作の舞台も観劇していた佐藤さんは「会社と家の間にある庭が、(兄妹の)喫煙所みたいなスペースなんですけど、そこでの兄妹のシーンは一番好きです。(原作の)舞台のセットもあんな感じなんですが、それを彷彿(ほうふつ)とさせて、あそこの空間が僕はすごく好きでした」と語る。

 すると、鈴木さんが「美術さんの作り込みがすごいんですよ」と続け、「雄二が昔使っていた学習机が捨てられていて、よく見ると、机にはちっちゃい仮面ライダーの絵が彫ってあったり、(庭の)端っこにはいくつか盛り土がしてあって、それが、『クウガの墓』、何々の墓と、『仮面ライダー』の墓になっていたり。(実際には)ないところにマンホールまで作ったりして、その世界観はすごかったです」と画面に映るか分からない細部にまでこだわった美術スタッフの職人魂に感嘆していた。

 「ひとよ」は、「鶴屋南北戯曲賞」「読売文学賞戯曲・シナリオ賞」などを受賞した劇作家、桑原裕子さん率いる劇団「KAKUTA」の舞台作品の映画化。15年前の出来事によって、バラバラになった稲村家。心に傷を残したまま成長した長男・大樹(鈴木さん)、次男・雄二(佐藤さん)、長女・園子(松岡さん)の前に、ある日、母・こはる(田中裕子さん)が現れ……というストーリー。

 <佐藤健さんのプロフィル>

 さとう・たける 1989年3月21日生まれ、埼玉県出身。最近の主な映画出演作品に「世界から猫が消えたなら」(2016年)、「何者」(2016年)、「亜人」(2017年)、「8年越しの花嫁 奇跡の実話」(2017年)、「いぬやしき」(2018年)、「億男」(2018年)、「ハード・コア」(2018年)、「サムライマラソン」(2019年)、「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」(2019年)がある。「るろうに剣心 最終章」の公開を2020年に控える。

 <鈴木亮平さんのプロフィル>

 すずき・りょうへい 1983年3月29日生まれ、兵庫県出身。「椿三十郎」(2007年)で映画初出演。最近の映画出演作に「俺物語!!」(2015年)、「HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス」(2016年)、「海賊とよばれた男」(2016年)、「忍びの国」(2017年)、「羊と鋼の森」(2018年)など。2020年公開作品に「燃えよ剣」がある。

 <松岡茉優さんのプロフィル>

 まつおか・まゆ 1995年2月16日生まれ、東京都出身。2008年「おはスタ」でおはガールとして本格デビュー。最近の映画出演作に「ちはやふる」3部作(2016、2018年)、「勝手にふるえてろ」(2017年)、「blank13」(2018年)、「万引き家族」(2018年)、「蜜蜂と遠雷」(2019年)など。2020年公開作に「劇場」がある。

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