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フジテレビの競馬番組「みんなのKEIBA」(日曜午後3時)などに出演している堤礼実アナウンサー。この職業を目指したきっかけの一つは、高校生のときに見た同局の生野陽子アナウンサーの東日本大震災の被災地からの涙の中継だったという。そんな堤アナがアナウンサーとして心がけていること、「入社するまで競馬というものに触れたことがなかった」という“初心者”の堤アナが競馬番組に出演する際に気を付けていることなどについて聞いた。
◇バイト先の「話し方がきれい」な憧れの先輩との出会い
堤アナは米国カリフォルニア州出身。大妻女子大学卒業後、2016年に同局に入社し、現在は、「みんなのKEIBA」の番組MCのほか、「めざましテレビ」(月~金曜午前5時25分)で金曜のエンタメキャスターなどを務めている。
アナウンサーになったきっかけは、もともとエンターテインメントが好きだったことに加え、東日本大震災の被災地からの同局の生野アナの中継を見て衝撃を受けたことを挙げる。
「高校生のとき、東日本大震災の被災地からの中継で、生野アナが言葉を失い涙を流されていたのを見たんです。アナウンサーは、言葉にすることだけが仕事ではなく、思いを伝えることができる、と感じた瞬間で、そこから自分の中でアナウンサーが職業の選択肢の一つとなっていきました」という。
大学に入学し、アルバイト先で「すごく話し方がきれいで、憧れのすてきな女性の先輩」と出会ったことも、きっかけの一つとなった。「その先輩に話を伺ったら、アナウンススクールに通っていると。その方から『面白いし、勉強にもなるから』と勧められて、私も通ってみることにしたのですが、そこで勉強しているうちに、アナウンサーの試験を受けてみようかなという気持ちになって。ただ、難関だし、自分には無理だろうと思っていたのですが、挑戦することは悪いことではないと、アナウンサーという職業に真剣に向き合うようになりました」と明かす。
◇ハスキーな声がコンプレックスだったが…
入社が決まった際の家族の反応について聞くと、「私、声がもともとコンプレックスでした。ハスキーな声質で自分でも気に入っていないし、両親もまさか声を使う仕事に就くとは思ってもいなかったと。『あなたがアナウンサーの仕事をすることになるなんて、いまだに信じられない』と、今でもたまに両親から言われますね」と明かす。
だが、家族や親族は堤アナの一番の“応援団”だという。「祖母たちも『テレビ見たよ』とか、親戚も私が端っこに映っていても連絡をくれたり。『頑張ってね』と言ってくれるので、うれしいですし、ますます頑張ろうと思いますね」と顔をほころばせる。
◇強みはとことん調べる「オタク気質」 ウィーンに“聖地巡礼”も
自身のアナウンサーとして強みは「しいて挙げるならオタク気質という点でしょうか。自分がこれ気になる!と思ったことはとことん調べてしまう性格なんです」と語る。
ミュージカル好きで知られる堤アナだが、「ミュージカルでハプスブルク家を題材にした作品があって、それがきっかけで調べてみたら面白そうだと思いました。趣味の範囲ですが、史料や映像を見たり、母親に付き合ってもらって実際にウィーンに行って、ハプスブルク家にまつわる場所を“聖地巡礼”のように巡ったり。フランス革命もここ数年、興味深いと思って、本などを読んでいます」と明かす。
「とことん調べる気質」がアナウンサーの仕事に生かされたのは、「競馬番組でいうと、注目されている馬の血統や性格、例えば食べることより寝ることが好きな馬とか、そういう部分も知った上で競馬を見ると面白いんです。番組では、そういったプラスの楽しみ方もお伝えてしていければと思っています」と語る。
◇競馬の魅力は…
競馬番組は、入社した2016年12月に初めて「馬好王国~UmazuKingdom~(ウマズキングダム)」(土曜深夜1時15分)に出演し、「みんなのKEIBA」「週末はウマでしょ!」(金曜午後10時52分)には2019年1月から出演している。
「入社するまで競馬というものに触れたことがなかったので、初めは驚きと不安でいっぱいでした」と振り返る堤アナ。
競馬の魅力は「まずは“美しい”の一言ですね。他では味わうことができないエンターテインメント性があるなと感じています。馬の足音や、今はこういった時期なので無観客ですが、本来であればお客さんの歓声もそうですし、馬の毛ヅヤや毛並みも、実際に間近で見ると本当に美しいです」と目を輝かせる。
また、「競馬ってスポーツなんだなと実感しました。ジョッキーの方、調教師さんをはじめ、関係者の方々が命を懸けていて、そこに馬と人間が信頼関係を築き上げ、万全の状態でレースに送り出します。本当にカッコいいなと思います」とうっとりとした様子で語る。
番組で心がけていることを聞くと、「配当読みなど、重要な役割を任せていただいているので、間違えないように、聞き取りやすくというこの二つは絶対に守らなくてはいけないと思っています」ときっぱり。「競馬ファンの方にはもちろん、競馬に触れたことのない方にも見ていただきたいので、例えば女性の視聴者の方が、目に留まるような衣装を着るなど、いろいろと探っていきたいなと思います」と意欲を見せる。
そして、「自分自身が全くの競馬初心者からスタートしているので、初心者目線を大切に、愉快な出演者の方々と、少しだけバラエティー要素も入れつつ、スポーツとしての競馬の魅力をお届けできるように意識しています」と話していた。