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橋本環奈:地元・福岡の友人とは「気兼ねなく、自分でいられる」 高校時代の友情エピソードも

 ドラマや映画で数々の話題作に出演し、女優としてのキャリアを積み上げている橋本環奈さん。3月20日から放送がスタートするWOWOWの「連続ドラマW インフルエンス」(全5話)で、同局のドラマに初主演する。3人の少女の歪(いびつ)な友情を描く同作で、幼い頃から団地で育ち、2人の友人と秘密を抱えることになる主人公・戸塚友梨を演じる橋本さんに、友情や同作への思いなどについて聞いた。

 ◇読書家でミステリーがお気に入り 「自然体でいられる」友人との思い出も

 ドラマは、近藤史恵さんの小説「インフルエンス」(文春文庫刊)が原作。橋本さんは読書好きで、オファーを受ける前から原作を読んでいたという。好きなジャンルはミステリー。今のお気に入りは五十嵐律人さんの「法廷遊戯」(講談社)で、SFの要素が絡んだファンタジーも好きだと話す。

 本を読むのは「純粋に楽しいから」。今回のように、読んだ本が仕事につながるケースもあるが、あくまで興味のあるものを純粋に楽しむように心掛けている。「仕事につながる、とかはあまり考えないです。自分が興味あるものを素直に受け取って、それが結果的に仕事にもつながればいいなとは思いますが、義務感はないようにしています」と語る。

 ドラマ「インフルエンス」で描かれるのは、3人の異質な“友情”。橋本さんにとって、“友情”を感じるのはどんなときなのか。そう尋ねると、地元の友人たちの存在を挙げる。

 「学生のころの友達がみんな福岡に住んでいるので、里帰りしたときに、わざわざ時間を作って集まってくれたりして……そんなところに友情を感じますね」と橋本さん。「福岡の高校に通っていたとき、卒業式に行けず、後日、参加できなかった人のための日があって、私一人の卒業式をしたんですが、友人全員が卒業したにもかかわらず、制服を着て学校に会いに来てくれたんです。そんなときに友情を感じました」と笑顔で振り返る。

 誕生日と同時期に「第40回日本アカデミー賞」で新人俳優賞を受賞したときには、サプライズで祝福されたことも。「黒板に『おめでとう』とサプライズで書いてあって。でも、先生がサプライズに失敗して、私を職員室に引き留めておかないといけないのに、普通に教室まで上がっちゃって、みんな、慌ててクラッカーを鳴らしていました」と楽しそうに当時のエピソードを明かした。

 橋本さんにとって、友人は「気兼ねなく、自分でいられる場所」。「(友人たちといると)ありのままをさらけ出せて、自然体でいられる」と笑顔を見せた。

 ◇大事にしたのは“普通”らしさ 友人役の葵わかな、吉川愛と「3人で作り上げる」作品

 ドラマは、ある女性小説家のもとに「私と友人2人が犯した三つの殺人を小説にしてほしい」と、友梨と名乗る女性がやって来る。最初の事件が起こったのは、35年前、昭和の団地で、高校生だった少女たちは二つの殺人事件を起こしていた。そして10年後、秘密を共有したまま20代となった彼女たちは、さらに恐ろしい殺人計画を立てる……というストーリー。

 橋本さんが演じるのは、秘密を抱えた影のあるキャラクター、友梨。幼なじみの日野里子(吉川愛さん)が祖父から性的虐待を受けていることを知りながらも、彼女を守れなかったことに負い目を感じ、暴漢に襲われた親友の坂崎真帆(葵わかなさん)を守るために人を刺してしまうという役どころだ。

 橋本さんは、そんな友梨を「どこにでもいるような、地味な女の子」と説明する。それゆえ、人を殺(あや)めてしまうシーン以外は、“普通”に演じることを意識していたという。「真帆や里子を守りたい、という気持ちで人を殺めてしまう。そういう感覚で演じていたので、人を殺すようなシーン以外は、あまり語尾や言葉に強さがない方がいいのかな、と思いました。芯はあるけれど、力強すぎると友梨らしさがないと思ったので、そこは大事に演じていましたね」と振り返る。

 友梨と、葵さん演じる真帆、吉川さん演じる里子の関係性はストーリーが進むにつれて変化し、ドラマの見どころの一つにもなる。

 橋本さんは「(ドラマは)3人で作り上げるものだと思っていたので、葵わかなさん、吉川愛さんとは撮影の合間に3人で食事に行くなど、コミュニケーションをとっていました」と撮影当時を回顧。共演する2人との関係性を重視していたという。

 女性たちの焦燥と決意、友情を描いた重厚感のある物語について、橋本さんは「コロナ禍の今は、重い題材の作品よりも、笑える軽い作品の方が受け入れられるのかなと思うけれど、そんな中でも切り込んでいく作品は必要だと思う」とし、「ドラマを見て、いろいろ考えさせられることになるのもいいのかな」と考えを語った。

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