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女優の北川景子さんが6月28日、東京都内で行われた映画「キネマの神様」(山田洋次監督、8月6日公開)の完成披露舞台あいさつに登場した。昨年9月に第1子女児を出産した北川さんは「撮影中にちょうど子供を授かっていた」といい、山田監督に妊娠報告をした際にかけてもらった言葉に涙したエピソードを明かした。
「撮影中に奇跡を感じた瞬間」という質問への回答で、北川さんは「(妊娠を)皆さんには報告していない時期で、監督に一番にお伝えしたら、『いいお母さんになってくださいね』と。さらに『子供を持つという経験が、女優業をしていく上で糧になって成長できるでしょうから、次のステップに行っても頑張ってください』と言葉をかけていただいた時、うれしくて涙が出て……」と当時を回顧した。
今作では昭和の銀幕スター・桂園子を演じており、「こういうふうに撮影所時代の監督と女優は、『役者と監督』というだけではなく、人として絆があったり、女優の人生のことも気にかけてくださる監督がいたんだろうな、とふっとタイムトリップできたような錯覚に陥って。その感覚、感情がすごく奇跡的だった」としみじみ語っていた。
舞台あいさつには、菅田将暉さん、永野芽郁さん、野田洋次郎さん、寺島しのぶさん、前田旺志郎さん、宮本信子さん、山田監督も出席した。 映画は、人気小説家の原田マハさんの同名小説が原作。歌手で俳優の沢田研二さんと菅田さんのダブル主演で、1920年に松竹の前身となる松竹キネマ合名社が設立され今年で100周年を迎えることを記念して製作。当初は昨年3月に死去した志村けんさんと菅田さんがダブル主演を務める予定だった。
ギャンブル漬けで借金まみれのゴウ(沢田さん)は、たった一つだけ愛してやまないものがあった。それは「映画」。若き日のゴウ(菅田さん)は助監督として、青春を謳歌(おうか)していた。しかし、初監督作品「キネマの神様」の撮影初日に転落事故で大けがをし、作品は幻となってしまう。半世紀後の2020年、あの日の「キネマの神様」の脚本が出てきたことで、ゴウの中で止まっていた夢が再び動き始める……というストーリー。