卓球・伊藤美誠選手：3時間泣きじゃくり、自分を見失った日々　自分を押し殺し“明るいアスリート”演じる姿も　10年にわたり密着した「Nスぺ」が放送

　東京五輪で金メダルを目指す、卓球の伊藤美誠（みま）選手が出演するNHKスペシャル「伊藤美誠　再生の旅」（総合テレビ）が7月17日午後9時から放送される。番組では、10年にわたる長期取材と、コロナ禍で肉親がカメラを回したプライベート映像から、伊藤選手の戦いと葛藤を描く。

　番組ではこの1年、伊藤選手の母親、マネジャー、遠征先では通訳にカメラを託し、その姿を記録。ぶつけどころのない感情に自分を見失い、手をけがしてもボールを打ち続けた日や、コーチ相手に3時間泣きじゃくった日など、伊藤選手の戦いの日々に迫った。メディアの前では「成長できる1年をもらった」と語り、前向きな姿を見せていた伊藤選手だったが、密着では、それが自分を押し殺し、必死に演じた“どんな時も明るく前向きなアスリート像”だったことが見えてくる。

　そして、伊藤選手にとって大きな転機となる「38日間の中国遠征」にも密着。8カ月ぶりに再開した国際大会で、防護服の警備員が待ち受ける厳戒態勢の空港や、2週間の完全隔離など、極限の環境で「競技を続けること／アスリートであること」に向き合う伊藤選手。「いつでも明るい」伊藤選手ではなく、存在意義さえ疑われる中で行われる異例の五輪に「自分なりの意味」を見いだそうと苦闘する姿が映し出される。