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浜辺美波:「これからも前のめりにお仕事を」 20歳の1年で気持ち新たに

 8月29日に21歳になった女優の浜辺美波さん。映画にドラマに引っ張りだこの浜辺さんが9月18日に東京都美術館(東京都台東区)で開展する展覧会「ゴッホ展――響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」でアンバサダーと音声ガイドナビゲーターを務める。音声ガイドナビゲーターを務めるのは初めて。20歳の1年間と、今回の展覧会について聞いた。

 ◇大忙しだった20歳 仕事への「自分の本心が分かった」

 昨年の8月から今年3月にかけては、「私たちはどうかしている」(日本テレビ系)、「タリオ 復讐(ふくしゅう)代行の2人」(NHK総合)、「ウチの娘は、彼氏が出来ない!!」(日本テレビ系)と連続ドラマ3作品に立て続けに出演し、忙しいながらも「すごくいろんな経験をさせていただいた年でした」と充実の表情を見せる。

 「忙しい期間があったからこそ、これからどういうふうにお仕事をしていきたいか、どういう方向に進んでいきたいかを、見直すことができました。改めて、これからも前のめりにお仕事をしていきたいという自分の本心が分かった1年でもありました」と語った。

 ◇ゴッホの変化に「びっくり」 好きな作品は「祈り」

 展覧会では、オランダ・オッテルローの「クレラーミュラー美術館」から、ゴッホの油彩画28点と素描・版画20点などを展示する。

 インタビューの時点では、まだ今回の展示作品を目にすることができていなかった浜辺さん。音声ガイドナビゲーターを務めるにあたり、ゴッホやその作品、ヘレーネにまつわる何百ページにも及ぶ資料に目を通し、「自分なりにノートに書き出す」などの勉強をして挑んだ。

 「ゴッホの人生や絵の変化を詳しく見ることは、ほとんど初めて」の経験だったといい、「素描から始まって、色を使い始めてからも暗いトーンの色彩、そこから一気に明るくなって……。こんなにも絵の変化があるとは思わず、そこにまず純粋にびっくりしました」と驚きを隠さない。ゴッホの絵画の典型的モチーフである糸杉を描いた作品も「1枚や2枚だけではなく、本当にたくさん描かれているんだ」と知った。

 そのうえで、「資料に、『青とオレンジ、黄色と青というのは、片方だけ存在するのではなくて、青が存在するならオレンジも同じだけ描いてあげないといけない』というようなゴッホの言葉が書いてあったのですが、確かにそういう印象がありました。説明書きと一緒に絵を見ると、さらに感じるものが違ったり、絵の楽しみ方が変わったりすると思います」と目を輝かせる。

 好きな作品は「祈り」。「ゴッホが当時、交際していた方が食堂の前で祈っている作品で、本当にその女性が何かを祈っていることが伝わる。女性の願いや、思想、感情が伝染してくるような感覚がありました。資料の絵だけでもそう感じたので、本物を見てみたいと思いますし、本物を見たときにどれぐらい作品に力があって、それを自分がどう受け止めるのだろうという興味があります」と、実物を見られる日を心待ちにしている。

 ◇自身はキャンドルを収集「趣もあるし癒やされる」

 「クレラーミュラー美術館」を設立したヘレーネ・クレラーミュラーは、20世紀初頭にゴッホの作品に魅了され、世界最大の個人収集家となった。美術館も、感動を多くの人々と分かち合いたいという思いで建設したという。

 ヘレーネについて浜辺さんは「本当に美術を愛していた人なのだと思います」と敬意を表する。「私が音声ガイドのナレーションで読み上げたなかに、ゴッホが今日、この評価を得ているのは、ヘレーネさんの活動もあったからなのだという言葉があるのですが、本当にそうなのだと思います。作品を評価して、集め、残してくれた。そういう評価者がいることで、芸術に携わる人々が救われる。そういう意味では彼女は本当に、いろんな感性を救った人なのだと思います」とたたえた。

 浜辺さん自身に集めているもので披露したいものはあるかと聞くと、「お披露目をしたいほどのコレクションはないのですけど」としつつ、「キャンドルが好きで集めています。匂いもするし、見ていても癒やされるので、洗面所やお部屋のいろんな場所に置いて、気がついたときに灯(とも)しています」と明かす。

 コロナ禍の「おうち時間」によって灯す機会が増えたといい、「ただのライトや消臭スプレーよりも、キャンドルのほうが趣もあるし、いろんな癒やしにつながるので、最近は香りの役割はキャンドルに担ってもらっています」とほほ笑んだ。

(取材・撮影・文/りんたいこ)

 *……「ゴッホ展――響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」は東京都美術館で9月18日~12月12日に開催。観覧料は一般2000円、大学・専門学生1300円、65歳以上1200円、高校生以下無料(日時指定予約が必要)。公式サイト、各種プレイガイドで販売している。詳細は公式サイト(https://gogh-2021.jp)に掲載されている

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