橋本環奈＆上白石萌音：「千と千尋の神隠し」千尋役は休む暇なし　初日迎え会見　舞台写真も公開

　宮崎駿の不朽の名作を世界で初めて舞台化した「千と千尋の神隠し」が、帝国劇場（東京都千代田区）で幕を開け3月3日、主人公・千尋役をダブルキャストで務める女優の橋本環奈さん、上白石萌音さんらメインキャストが同所で初日記念会見を行った。2人は役衣装で会見に臨み、湯婆婆／銭婆役の夏木マリさんと朴ロ美さん、青蛙役のおばたのお兄さんも役衣装で出席。舞台写真も公開された。

　橋本さんは、映画の世界をそのまま再現した舞台について、「すごく壮大なセットで、それを肌で感じることで、千尋と同じ気持ちになれました。（出演者たちと）まるで“ジブリパークに来た人たちみたい”と話をしていた」とコメント。演じる上で大変なことは「千尋はずっとステージにいるので、休む暇がない。ドジな一面もあって、舞台で何度もコケたりするので、怪我をしない転び方を研究をした」と明かした。

　上白石さんも、「千尋は運動量がすごくて、本当にもう無理です、というところまで走らなくてはいけない」と語り、「初めて通し稽古（けいこ）をしたときは、体重が1.5キロ落ちました。今はどんなに食べても太らない無双状態です」とほほ笑んだ。また、舞台で健康状態を保つ方法については、「熱いお風呂にちゃんと入ること。舞台も「湯屋」の話でもありますし」と語り、橋本さんは「私は何もしません。すごく健康なので。アキレス腱をのばすだけです」と言って、笑いを誘った。

　今後の舞台の抱負について、橋本さんは、「最後まで必死に千尋として生きて、どんどん成長していけたらいいなと思います」と語り、上白石さんは「世の中いろんなことが起きていて不安なことも多い。劇場にいらっしゃる3時間だけでも忘れて楽しんでいただけるよう、私たちも夢中になって全員で走り抜けたい」と意気込みを語った。

　スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーからの舞台に対する絶賛コメントも発表され、出演者たちが感動する場面もあった。

　舞台「千と千尋の神隠し」は、宮崎駿の傑作アニメーション映画を、ミュージカル「レ・ミゼラブル」で知られる世界的な演出家ジョン・ケアードさんが翻訳・演出した話題作。引っ越しの最中に、八百万（やおよろず）の神々の世界に迷い込んだ少女・千尋の冒険が、舞台ならではの壮大なスケールで描かれる。東京・帝国劇場で3月29日まで。その後、大阪、福岡、札幌、名古屋で上演される。

　◇スタジオジブリ・鈴木敏夫プロデューサーの舞台観劇後のコメント全文

　「お世辞なしに本当におもしろかったです。とにかくジョンの演出とキャストの皆さんが素晴らしくて、原作へのリスペクトが感じられてうれしかったです。

　印象的なシーンを言い出したらきりがありませんが、キャストが大勢が出てくるシーンはどのシーンも観ていて気持ちが高揚しましたし、千尋とカオナシが電車に乗って行くシーンは実は観るまで少し心配だったのですが、非常にうまくできていると感動しました。

　映画の公開から20年がたっていることを考えるとキャストの方々の中には当時まだ生まれたばかりだった方もいて、幼い頃に映画『千と千尋の神隠し』をご覧になっている方もいる。その経験が舞台の迫力に繋がっているような気がして感慨深いです。皆さんがんばってください！」