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松下奈緒:料理、裁縫にハマる 鶏肉の焼き方を研究、洋服も作れるように 「こんなに楽しいことがあったんだ!」

 5月4日公開のマーベル・スタジオ最新作「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」(サム・ライミ監督)で声優を務めた女優の松下奈緒さん。約5年ぶりのシリーズ新作で、前作に続き主人公ドクター・ストレンジの元恋人クリスティーン・パーマーの声を担当する。この5年の間に「料理を始めて、裁縫も始めたんです。“家でできる、こんなに楽しいことがあったんだ!”と感じています」と語る松下さんに、新作の面白さやストレンジの魅力、料理と裁縫について聞いた。(取材・文/服部広子)

 ◇ストレンジのような人「恋人でもいい」

 「クリスティーンの声を再びやらせていただけて非常にうれしかったです。ただ、声優のお仕事は、普段のお芝居とはまた違う筋肉を使うので、2回目でも難しかったですね(笑い)」とアフレコを振り返った松下さん。

 声を担当した救命救急医のクリスティーンは、ストレンジの元恋人であり、良き理解者。英俳優のベネディクト・カンバーバッチさんがストレンジを演じている。元天才外科医で最強の魔術師となったストレンジは傲慢で、誰に対しても上から目線なのが玉にキズなのだが……。

 「ストレンジって、ちょっと偏屈だし皮肉屋さん。でもその素直じゃないところが面白いんですよ。人として完璧だったり、みんなに愛嬌(あいきょう)を振りまく人よりも、どこか欠落しているキャラクターが好き(笑い)。本当はちゃんと相手の気持ちに寄り添うこともできるのに、それを伝えることができない不器用なところも人間味があって、とても魅力的です」

 ストレンジのような人が現実にいたら、恋人、友人、同僚、どの関係で付き合いたいかと聞くと「嫌いじゃないです! 恋人でもいい」と即答した。

 「言うことも、やることも、すべてが予想外な人って面白いじゃないですか! それをそばで見ていたいなと思うので、恋人だと楽しいかもしれません(笑い)。

 アフレコ中も、私はクリスティーンと同じ気持ちでストレンジを見ていたんだと思います。彼に手を差し伸べてしまう気持ちが分かるんです。彼が自分にしか見せないウイークポイントがある。弱みを見せられるのは自分だけだと知っているからこそ、守ってあげなきゃいけない気持ちになるんだろうなって」

 ◇ストレンジとクリスティーンの関係は…

 新作では、最強の魔術師となったストレンジが、世界を救う“真のヒーロー”として活躍。“マルチバース”と呼ばれるパラレルワールドが舞台だが、クリスティーンの登場シーンでは人間ドラマが色濃く描かれるという。

 「(前作から)ストレンジは、成長というには言葉が足りないくらいの変わりようです。カンバーバッチさんがカッコいいのはもちろんですが、風格や存在感にも圧倒されます。アフレコ中、カンバーバッチさんの顔がモニターに映ると、つい、そのお顔をずっと見ていたいなと思ってしまって、声を入れるのを忘れてしまうくらいでした(笑い)。

 クリスティーンは今回もストレンジのいい友人で同志であることに変わりはなく、それどころか、そこを超えた無償の愛のようなものでストレンジとつながっている姿が感動的です」

 ◇料理と裁縫の「奥深さ」に夢中

 前作が公開されたのは2017年。松下さんはこの5年間で料理、裁縫に目覚めた。

 「料理はレシピを見ながら作るんですが、難しいものばかり作りたがるんですよ、私(笑い)。パエリアとか、アクアパッツァとか、料理ができないからこそ、難しいものにトライしようと思って。完成した料理は、“味がちょっと微妙かな”というときもありますが、家族にふるまって『食べられない』と言われたことはないので、たぶん大丈夫なんだろうと思います(笑い)。

 最近は、トマトソースを作ってみたり、鶏肉をいかにおいしく焼けるかを研究したりしていますね。時間をはかりながら、お肉の焼き加減を見るだけのことですが、これも経験だと思っていろいろやっているところです」

 裁縫はマスク作りから始め、今ではバッグや洋服が作れるほどに上達。生地を選び、型紙に合わせて布を裁断し、ミシンで縫うという工程をすべて自分で行っている。

 「ミシンは、小学校のときに使っていたものを引っ張りだしてきたんですよ。無心になって縫えるのが気持ちよくて、やり出したらやみつきになっちゃって(笑い)。

 インターネットで生地を購入していますが、最初は失敗も多くて、想像とまったく違う生地が送られてきたこともありました。その後、ワンピースにはこの生地がいいとか、生地の性質からいろいろ勉強しました」

 料理も裁縫も、共通しているのは「突き詰めると奥が深いところが面白い」こと。

 「物を作るということが好きなんでしょうね。幼少時代から切ったり貼ったりするのが好きでしたけど、今回、裁縫がこんなに続くとは自分でも思いませんでした」

 ◇「頑張れた」と思える瞬間を増やしたい

 現在、37歳になった松下さん。40代までにやっておきたいことを尋ねると、「仕事を続けていられればいいかな」とほほ笑む。

 「今やるべきことと、40代になってやるべきことって、そんなに変わらないような気がするんです。自分の満足のいくこと、自分が頑張れたなと思える瞬間を一つずつでも増やしていければいいなと思います。

 まだ演じたことのない役がたくさんあるんです。悪い人の役もやったことがないし。見ていただく方に、『松下奈緒ってこんな役もやるんだ!』って思ってもらえるような役をやってみたいですね」

 *……「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」では、ドクター・ストレンジが、禁断の魔術によって今とは異なる世界へ通じる扉を開けてしまう。そこは無限の可能性が存在する“マルチバース”と呼ばれる無数のパラレルワールド。マルチバースの世界からの新たな脅威が人類に迫る中、ストレンジの前に、“最凶”の魔術を操る邪悪な“もう一人の自分”が立ちはだかるというストーリー。

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