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女優の中谷美紀さんが、8月10日から国立新美術館(東京都港区)で開催される回顧展「国立新美術館開館 15周年記念 李禹煥(リ・ウファン)」の音声ガイドナビゲーターを務める。中谷さんにとって李さんは最も敬愛する美術家だといい、「私にとって李禹煥さんの静かで厳かな作品は、心のよりどころであり、少しがんばりすぎたり、急ぎすぎた際に、ふと立ち止まって、自らを省みるための鏡のようでもあります」とその魅力を語っている。
李さんは、国際的にも大きな注目を集めてきた「もの派」を代表する美術家。今回のような大規模な回顧展が東京で開催されるのは初めて。
中谷さんは「この上なくシンプルな点や線、そして石や鉄板などで表される李禹煥さんの作品は、あふれた物や情報に埋もれて息苦しく感じている現代に生きる私たちの心身を解き放ってくれます。俗に言う肖像画や静物画、風景画などは一切ありませんが、点や線の周囲にぜいたくに残された余白こそが冗舌に語りかけてくるような気がしています」と李さんの作品についてコメント。
さらに作品との向き合い方について「これらの作品群を鑑賞する際に、決して正解はありません。ご覧になる方が思い思いに作品と向き合い、対話し、斜めから眺めてみたり、かがんで見上げてみたり、時には彫刻作品の上を歩いてみたりすることで、これまで生育過程や社会で植え付けられてきたステレオタイプな価値観を疑ってみる機会となるのではないでしょうか」と話している。
「国立新美術館開館 15周年記念 李禹煥」は11月7日まで。チケットは7月27日に販売開始。中谷さんによる音声ガイドは無料で、スマホで利用することができる(希望者には音声ガイド機を貸出)。