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私が30歳のころ:羽田美智子さん 「私が納得できるものだけを」 信頼する生産者から消費者へ 「羽田甚商店」への思い

 第一線で活躍する著名人の「30歳のころ」から、生きるヒントを探します。今回は羽田美智子さん。当時の思い出や、30歳をより輝かせるためのアドバイス、店主を務めるオンラインのセレクトショップ「羽田甚(はだじん)商店」などについて聞きました。(全3回の3回目、編集・取材・文/NAOMI YUMIYAMA)

 20歳で女優デビューして以来、芸能界の第一線で活躍している羽田さん。2019年からは、「羽田甚商店」の店主も務めている。

 羽田さんが「本当にイイ!」と思ったものだけを扱う「羽田甚商店」。もとは江戸時代から続いた実家の商店の屋号を羽田さんが店主として引き継いだもので、お店を続ける原動力は、30代で出会った日本の生産者たちとの交流だという。

 「30代のころ、仕事でよく京都に通うようになって、本質を見抜く力をもらった気がします。それまでは表面しか見ていなかったのに、このお茶はおいしいけどどこからきているんだろうとか、原材料も見るように。工場を見に行って商品に添加物が入っているのか、どんな人が作っているのかも見るようになりました」

 その後、旅番組などの取材で全国を巡るようになり、生産者のもとに自ら足を運んだ。羽田さんは、信頼できると確信した作り手たちに、地元で消費されて終わりになる品々を流通させてくれるように頼んだという。

 「日本には情熱をかたむけて、いいものを作っている方がたくさんいます。でも、宣伝が苦手で、世間に知られていない作り手も多いから、私が代わりにお届けしたいんです。数が少ないからすぐ売り切れになってしまうんですけど、なるべくいいものを消費者さんたちに流通できるようにしたいですね」と力を込める。

 ◇健康志向のお母さんが、買い物で選ぶ手間を省きたい

 もともと健康にはすごく興味があったという羽田さん。18歳まで親元にいたときは病気をしたことがなかったが、20代で一人暮らしを始めた途端、自分の体が“壊れる”のを感じた。

 「なぜ病気になっちゃうんだろうと思ったとき、無理のある生活をしていたと気づいたんです。当時は、睡眠時間も少なかったし、食べ物もいい加減でしたから。あるとき、友人が、『食べたものの結果が7年後にくる』と栄養士さんに言われたと聞いて、当時、私も逆算してみたんです。そうしたら、元気だった7年前は親元で3食しっかり食べていたんですよ。食べたものが7年後の自分を作るなら、今食べるものがすごく大事なんだと思いましたね」

 オープンして3年がたった店には、ヒット商品も増え始めて、「小さいころ、実家のお店に立って、お客さんとやりとりしたことや、母が商売は面白いって言っていたことを思い出しますね。いま、それを実現していることがすごく楽しいです」と爽やかな笑顔を見せる。

 米や食料、アロマオイルなど、厳選された商品だけでなく、羽田さんと生産者との対談も掲載するなど、商品の背景や中身の説明も充実。本当にいいものを生産者から消費者に届けようという、羽田さんの思いを感じさせる。

 「忙しいお母さんたちが、買い物で選ぶ手間を省きたいと思います。私が納得できるいいものだけをおいて、ここで紹介しているものを選べば安心かなと思ってほしいんですよ。だから、使い勝手の悪い物は置きません。本当の健康は『何を食べるかではなくて、何を食べないか』なんですって。誰もが安心できる『本当にいいもの』を、これからも発掘していけたらと思います」

<プロフィル>

 はだ・みちこ 1968年生まれ。茨城県出身。1994年の映画「RAMPO」でヒロイン役に抜てきされ、日本アカデミー賞で新人俳優賞を受賞。以降、テレビドラマ「特捜9」シリーズ、「おかしな刑事」シリーズなど、多数の映画やテレビドラマに出演。2019年、自身が「本当にいい」と思ったものだけを販売するネット上のセレクトショップ「羽田甚商店」をオープン。出演する連続ドラマ「パパとムスメの7日間」(TBS)が毎週火曜深夜に放送。

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