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二人芝居「毛皮のヴィーナス」に出演する高岡早紀さん
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二人芝居「毛皮のヴィーナス」に出演する高岡早紀さん

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私が30歳のころ:高岡早紀さん 「二人芝居のオファーがきちゃった!」 溝端淳平を翻弄する“魔性の女”に 「毛皮のヴィーナス」開幕へ

 第一線で活躍する著名人の「30歳のころ」から、生きるヒントを探します。今回は女優の高岡早紀さん。当時の思い出や、30歳をより輝かせるためのアドバイス、8月20日から上演される二人芝居「毛皮のヴィーナス」などについて聞きました。(全3回の3回目、編集・取材・文/NAOMI YUMIYAMA)

 高岡さんが初の二人芝居に挑戦する舞台「毛皮のヴィーナス」が20日に開幕する。マゾヒズムの語源にもなった小説から着想を得て、2010年にオフ・ブロードウェーで初演された舞台で、2013年にはロマン・ポランスキー監督により映画化もされた。今回、高岡さんは、俳優の溝端淳平さんとともに濃密な室内劇を繰り広げる。

 「これまで観客として二人芝居を見てきて、すごく緊張しそうだし、私には怖すぎると思っていたんです。だからオファーをいただいたときは、『あ、やだ! 二人芝居がきちゃった!』と思いました(笑い)。ただ、私は直感で面白いと感じたことに素直に従うタイプ。劇場は(東京・世田谷のシアター)トラムですし、淳平君もいますし、何より『毛皮のヴィーナス』というタイトルがもう最高で。そこがこの作品への入口でした」

 舞台は、嵐の夜、新作映画のオーディションをしている監督のもとに、無名の女優ヴァンダが現われるところから始まる。帰ってくれと監督は頼むが、次第に彼女の魅力にひきつけられて……というストーリー。

 「ヴァンダは“本読み”をしながら、若い演出家を翻弄(ほんろう)していきます。そして、だんだん芝居の中の世界と現実の世界が重なり合い、女優と演出家ではなく女性と男性になっていく構造がすごく面白くて。もしかしたらヴァンダは実在の人物ではなく、トーマスの理想の女性なのかもしれない。映画版では、ヴァンダ役のエマニュエル・セニエの顔が、物語の最初と最後で別人のように違うのが印象的でした」

 舞台で、ヴァンダに翻弄されながらもひかれていく演出家トーマスを溝端さんが演じる。高岡さんとは舞台で3回目となる共演で、互いに信頼を寄せ合う「同志」のような存在だ。

 「淳平君とは、2人とも映像への出演が多いのに、舞台でしか共演していないという面白い関係なんです。若いけれどすごくしっかりしていて、彼が33歳だと聞いて、『そうだったんだ!』と驚きました。すごく話ができる人なので、すごくいい雰囲気の舞台ができるんじゃないかと期待しています」

 ◇男を翻弄する魔性の女を、スリリングに演じたい

 今回の舞台で、高岡さんが演じるヴァンダを「女性性そのものを感じさせる存在として描きたい」と語るのは、この舞台で演出を手がける五戸真理枝さん。今最も注目される若手演出家の一人だ。高岡さんは、五戸さんについて、

 「以前、『娼年』という舞台の演出助手をされていたとき、顔は合わせていました。今回、取材などでお話を聞いてたら、私にはない“女子の部分”を備えている方だと感じました。そういうところは見習いたいなと思います」と明かした。

 20代の頃から“魔性の女”と呼ばれてきた高岡さんだけに、「女子の部分がない」という言葉に少し驚くと、「私は精神面が女子じゃないんです」と、告白する。

 「男性には頼りたくないし、可愛いことができないからモテないんですよ。一瞬はモテても、最終的には相手から『なんだ、君は一人で生きられるんだな』となってしまうんです(笑い)」

 チャーミングな笑顔で語る高岡さん。だが、すでに公開された舞台のポスターでは、黒のボディスーツ姿からむせかえるように女らしくセクシーな魅力が放たれている。また、これまで女優として数々の名演出家の舞台で活躍した実力派だけに、シアタートラムという限られた空間で、息をつく暇もないような魅力的なステージが期待される。

 「読めば読むほど深い作品ですので、淳平君と演出家と3人で、魅力的なヴァンダ像を作り上げていければと思います。お客様もオーディションをのぞき見しているような、濃密でスリリングな時間を楽しみに来てください」

 <プロフィル>

 高岡早紀(たかおか・さき) 1972年生まれ。15歳でテレビCMのモデルとして芸能界デビュー。1994年、「忠臣蔵外伝 四谷怪談」で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。結婚、出産後も、話題作に多く出演し、女優として第一線で活動を続ける。2022年4月にスタートした情報番組「ポップUP!」(フジテレビ系、月~金曜午前11時45分)の金曜レギュラーとして初めてのコメンテーターに挑戦。

 *……舞台「毛皮のヴィーナス」▽作:デビッド・アイブズ▽翻訳:徐賀世子▽演出:五戸真理枝▽出演:高岡早紀、溝端淳平▽上演:8月20日~9月4日▽会場:シアタートラム(東京都世田谷区)

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