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蓮佛美沙子:「未知の世界に対する好奇心が強くなってきた」 目標は海外作品への出演 “平穏”な私生活も明かす

 8月28日から放送・配信がスタートする「連続ドラマW 鵜頭川村事件」でヒロインを演じる女優の蓮佛美沙子さん。15歳で女優デビューすると、映画「転校生-さよなら あなた-」や、ドラマ「七瀬ふたたび」で主演を果たし、“20年に1人の逸材”と脚光を浴びた。「10代から20代前半は、自我が確立されていなかったこともあって、すごく息苦しいと感じていました」と当時を振り返る蓮佛さん。今年31歳を迎え、心境の変化や今後の女優としての夢、日々の暮らしで大切にしていることを聞いた。(取材・文/服部広子)

 ◇知らないものを探求できる30代、40代に

 「感覚的ではあるんですけど、年齢を重ねれば重ねるほど、生きることが楽になってきて。それはおそらく、仕事でも、プライベートでも、経験値というものがついてきたからだと思うんです。自分は何が好きで、嫌いなのか。人間関係においても、心地いいと思えるにはどうしたらよいのか。そういう取捨選択がおのずとできるようになって、少しずつ自信になったんでしょうね。心地よい環境を整えることが、昔に比べて得意になったんだと思います」

 近年、作品のジャンルや演じる役の幅が広がり、やりがいや楽しさが増した。さらに20代後半からは、海外の作品に出ることが目標になったという。

 「30代のうちに実現できたらいいなあと思って、オーディションなども受けています。年齢を重ねるにつれて、未知の世界に対する好奇心がすごく強くなってきたというか。正直、挑戦するのはなんでもいいんです(笑い)。

 ただ、人生は一度きり。見たことのない景色を見たいし、まだ経験していないことをやってみたい、という意味で、海外でもお仕事をしたいと思っています。当然、言語も違えば、オーディションから日本で経験してきたものとは全く違います。知らないものをたくさん探求できる30代、40代にしていきたいですね」

 ◇家ではソファでゴロゴロ SNSとの距離感は…

 プライベートではインドア派で、家で過ごすことが大好きな蓮佛さん。仕事に対する精力的な姿勢に比べて、私生活は「平穏が好き」と屈託のない笑顔を見せる。

 「家ではずっとソファでゴロゴロしています。最近気づいたのは、そういうダメな自分でいる時間がないと、休んだ気にならないということ。だから、開き直ってダラダラしています(笑い)。

 お気に入りのソファは、自分としてもかなり高級で、清水の舞台から飛び降りるような気持ちで買いました。もう5年くらい使っているんですが、座り心地もいいし、半永久的に使うぞ!と思っています」

 また、ソファで過ごす時間は、赤ちゃんや犬などの動画を見て癒やされているという。蓮佛さん自身は、インスタグラムなどの投稿の頻度は少なめだが……。

 「確かに、投稿は1年に1回くらいのレベルですね。周りの人たちからも指摘されるけれど、私自身は、SNSと距離をとっているつもりは全くないんですよ。ただ、上げたい写真がないだけで(笑い)」

 ◇全話イッキ見! 見応えのあるパニック・スリラーに

 集中豪雨による土砂崩れで孤立した村で、若者が何者かに殺害され、村中を不信と不安が覆う……。WOWOW初のパニック・スリラー作品となる「連続ドラマW 鵜頭川村事件」は、スリリングな物語展開や人間の本性に迫る心理描写が見どころとなる。

 「極限状態の中でどんどん暴かれていく人間の本性。生きるか死ぬかの状態がずっと続いているし、閉塞(へいそく)感もすごくて。普段は、役と日常をうまく切り替えられるタイプなんですが、今回の撮影は精神的にかなりしんどかったです。

 長野での2カ月のロケ期間は、散歩とおいしいものを食べることが唯一の楽しみで、滞在ホテルの近くのパン屋さんに毎日のように通っていました。ソースカツ丼など、長野名物もおいしかったですね」

 蓮佛さんが演じたのは、松田龍平さんが演じる主人公の医師・岩森明の妻・仁美と、彼女の双子の妹・有美。一人二役の演じ分けは、「特に意識しなかった」という。

 「姿形は同じでも、仁美は12年前のある事件をきっかけに精神を病んでいく女性で、有美は足にハンディキャップを持っている。それぞれの境遇を掘り下げることで、おのずと違う人に見えるだろうと思いながら演じました。

 仁美のときは、精神的におかしくなっていく中での夫に対する思いや、娘に向ける視線などを大事にしたいなあと思って。また有美は、常に姉と比べられて生きてきて、村の人たちにさげすまれても、一歩も村を出たことがない女性。私のイメージでは、モノクロの世界で生きている人という感じですね」

 初共演となった松田さんには新鮮な印象を抱いたという。

 「これまで龍平さんが出られた作品を見て、唯一無二の存在感のある方だなあと思っていました。今回のようなドロドロとした、まとわりつくような気持ち悪さのある作品のなかでも、独特のオーラと立ち姿みたいなものがあって。ただ今回、叫んだりする狂気の演技も多くて、間近で荒ぶる龍平さんが見られるのは新鮮でした。撮影以外のところでは、想像の2倍しゃべる方で、おしゃべりが好きなのかなあって(笑い)」

 すでに完成作を見たという蓮佛さん。

 「台本で読んだときの印象よりも重厚感とスピード感が増し、どうなっていくんだろう? と畳みかけていく感じが強くなりました。物語の内容を知っているのに、ぐいぐい引き込まれて全話イッキ見しちゃって(笑い)。パニック・スリラーとして物語の設定も、人物の心理描写も巧みですし、とても見応えのあるドラマになっていると思います」

 *……「連続ドラマW 鵜頭川村事件」は櫛木理宇(くしき・りう)さんの同名小説(文春文庫)が原作。医師の岩森明は、行方不明の妻・仁美を捜すため、娘を連れて妻の故郷・鵜頭川村を訪れる。しかし村は集中豪雨に見舞われ、続けざまに殺人事件が発生。村人たちは疑心暗鬼で暴徒化する。岩森は村の因習や権力闘争、世代間対立に巻き込まれながら妻の行方につながる新事実にたどり着くが……というストーリー。全6話。8月28日からWOWOWプライム・WOWOW 4Kで放送。第1話は無料放送。同日からWOWOWオンデマンドでも配信。

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