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リップモンスター:「マスク生活でもメークを楽しみたい」ニーズに応え大ヒットの口紅 “モンスターの世界”をイメージしたユニークなネーミングもSNSで話題に

 2021年春の発売以来、爆発的ともいえるヒットを続ける、カネボウ化粧品のメーキャップブランド「KATE(ケイト)」の口紅「ケイト リップモンスター」。シリーズ累計出荷数は800万本を突破したという(2021年4月20日~2022年12月15日、ミニサイズなども含む、同社調べ)。開発の背景やヒットの理由などをKATEのPR担当、若井麻衣さんに聞いた。

 同商品が発売されたのはコロナ禍2年目。日々のマスク着用により、メーク全体、特にリップメークへの意識が低くなっていた時期とも思われるが、なぜこのタイミングで発売を決めたのだろうか。

 「コロナ禍でマスク着用が常態化し、“口紅は求められていない”という世の中の風潮はありましたが、コロナ禍前の口紅人気の高まりがすぐに冷めてしまうものなのか、と疑問に思っていました。

 社内のKATE担当者においては、マスクを着用していても熱は冷めることなく、毎日口紅をつけていました。同じようにマスク着用下でも口紅を楽しんでいる方はいるはずだと思い、SNSなどを調べてみたところ、やはり美容関心層を中心に『マスクをしていても、メークを楽しみたい』という声が多数投稿されていました。“どんな時でもメークを楽しみたい”というニーズを確信し、開発を始めました」

 これまでも“落ちにくい”口紅はあったが、「一番の特長は、落ちにくいだけでなく、独自の技術により実現した“つけたての色がそのまま持続する”という点」という。

 「さらに、保湿や高発色、透明感のあるシアーな質感といったアレンジを加えております。何度も試作を重ねることで、落ちにくさや保湿に加え、理想の質感を実現することができました」

 「最強に落ちにくい口紅」を”モンスター”に見立てた「リップモンスター」という商品名に加え、「欲望の塊」「ラスボス」「3:00AMの微酔」など、各カラーに付けられたユニークなネーミングも魅力的だ。アイデアはどこから出たのだろうか。

 「“モンスターが棲(す)む世界”をヒントに、SNSでつぶやきたくなるネーミングの案を100本以上出し合い決めました。『欲望の塊はどういう色なのか、どんなストーリーがあるのか』など見た人が深掘りしたくなるネーミングにすることで、使うときのワクワク感を醸成したいと考え、設定しました。

 例えば、“『01 欲望の塊』は、派手な赤は嫌!でも子供っぽく見えるピンクも嫌!絶妙な赤ピンクの口紅が欲しい!というモンスターたちの欲望に応えるピンクレッド”というストーリーで色名を付けました」

 このように開発された商品は、発売直後から大きな反響があったという。

 「“コロナ禍でも楽しめるメークの象徴”として、発売前からSNSに特化した、モノ×デジタルのDX起点で、“ワクワクするデジタル体験”を創出しました。

 時流に合う落ちにくいという品質に加え、思わず発信したくなる、リップモンスターという商品名や色名、パケ買いしたくなるパッケージなどを施しました。そして、ブランド公式YouTube『KATE CHANNEL』、TikTokなど、楽しめる場を提案しました。これらによりメーク欲をかき立て、コロナ禍で消滅したと思われたリップ市場の再活性化に成功できたと考えています」

 発売から1年半以上もヒットを続ける口紅の商品は、同ブランドの過去の商品ではなかったことだという。

 「モンスターをあしらったミニサイズや新色、限定色、スフレマットタイプと次々と新商品を展開。さらに、2色を混ぜるミックスモンスターなど、新たな楽しみ方も提案しています。

 昨年12月17日にはリップモンスターと組み合わせて使うことで、簡単に立体的な“M字リップ”を演出できる『リップシェイプメイカー』も発売しました。このように、話題を途切れさせない工夫をしていることもヒットが続く要因だと考えます」

 コロナ禍における行動の制限は徐々になくなりつつあるが、マスク着用はしばらく続くと予想される。これから注目すべきアイテムを教えてもらった。

 「完全にはマスクを外せないものの、コロナ禍初期よりも段々と気持ちは前向きになってきており、メーク意識が高まってきているように思います。例えば、輝きのあるアイシャドーや、リップならよりツヤのある質感がトレンドになるのではと思います」

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