取材に応じた中尾明慶さん
家族との良好な関係作りのヒントを、著名人に聞く。今回は2013年に俳優の仲里依紗さんと結婚。同年息子が誕生し、今年、結婚10周年を迎えた中尾明慶さんに聞いた。
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◇下見、見積もり、1人でこなした10周年のサプライズパーティー
今年4月、家族にサプライズでパーティーを行った。家族で記念写真を撮ろうとホテルに行くと2人の結婚10周年を祝うために家族や友人が集まっていた、というもの。結婚発表時には「2人の合言葉はBIG LOVE」というコメントが話題になったが、今も妻への思いは変わらないようだ。
「結婚当時、結婚式はハワイで家族だけでやりました。10周年は盛大にお祝いしたいと思って、インターネットで調べて、ホテルの宴会場を2カ所、ロケハン(下見)に行きました。見積もりを取ったり、(ホテルの担当者と)かしこまったメールのやりとりをしたり。全部初めてで難しかったけど、家族も喜んでくれ、友人も楽しんでくれました」
◇実家暮らしから夫婦の生活へ 「家事はできるようになった」が妻の評価は…
この10年でどんな変化があったのかを聞くと、「家事ができるようになった」と即答。
「24歳で結婚するまで実家暮らし。男兄弟の末っ子で、母がなんでもやってくれる環境だったから、本当に何もできなかった。今では息子のお弁当を詰めたり、お風呂を掃除したり、いろいろできるようになりました。でも、なかなか妻の評価にはつながっていなくて(笑い)」
仲さんに取材する機会があれば、「評価を聞いてほしい」と笑うが、本心は「家事は苦手」。
「共働きだし、やらなきゃいけないからやる。僕の父親が家事をしなかったので、結婚前に身近に参考になる人がいなかった。初めて自分が抱っこひもをするときは正直、抵抗がありました。でも公園で周りを見たらそういう人はいっぱいいて、時代の流れと夫婦の環境で変わってきたんだと実感しました」
また、家計管理は中尾さんの担当。お互いの収入は知らないという。
「知らなくていいことは知る必要がない。妻が仕事を辞めたくなったらそれでもいいし、僕は僕で家族を養うために働けばいい」
◇機嫌が悪い妻への対応は「正解が分からない」 息子に助けられて仲直りも
仲さんとお互いの仕事の話はほとんどしないが、仕事で得た感情がお互い機嫌に表れてしまい、けんかになることも。
「機嫌がよくない妻を見ると、自分もイライラして、『機嫌悪くない?』と言ってしまう。その後は『悪くない』『いや、悪いじゃん』と言い合い、過去の話をぶり返してけんかになるのがいつものパターン。機嫌が直るまでそっとしておくのがいいと思いつつ、放置しすぎもよくないし、こんな取材を受けておきながら、どう対処したらいいか分からないんです(笑い)」
対応の難しさに悩む話をしながらも、笑みがこぼれる。
「この先もずっと正解は分からないんじゃないかな。でも、それも夫婦の面白いところなんだと思う」
仲直りは、中尾さんから謝ることが多い。「意地を張って、ちょっとだけ粘る」といい、空気の悪さを感じた息子が仲介役になってくれることもある。
「通学時に駅まで一緒に歩くときや風呂に入ったときなど、男同士の時間で状況を教えてくれる。『ママが勝つまでケンカするって言ってたから、パパが謝るしかないんじゃない?』って。息子の成長に助けられています(笑い)」
◇どっしりと構えた夫・父でありたい
中尾さんにとって、家族の存在は「不思議なもの」。
「もともと他人だった相手と結婚して家族になり、妻の両親とも家族になるってあらためて考えると不思議だな、と。仕事で地方に泊まったとき、寝転がってビールを飲んで『1人もいいな』と思っても、結局つまらなくなり、家のほうが面白いなって思います。3人家族で“サンコイチ”。チームみたいな感覚です」
理想の夫像、父親像はあるのだろうか。
「僕は息子に、厳しい面もあるけど、何かあったときに『お父さん、聞いてよ』って相談できる父親でありたい。夫としても、どっしりと構えて、何が起きても動じない人でありたい」
<プロフィル>
なかお・あきよし 1988年6月30日生まれ。東京都出身。2001年にドラマ「3年B組金八先生」に出演し、注目を浴びる。その後、数々のドラマや映画などで活躍。現在、「プチブランチ」(TBS系、月~木曜午前9時55分)ではMCを務めている。
◇連続ドラマ「ばらかもん」出演 「苦しいときに助けるのは人と感じられる作品」
7月12日から放送の連続ドラマ「ばらかもん」(水曜午後10時、フジテレビ系)に出演する。五島列島を舞台に、都会育ちの書道家、半田清舟(杉野遥亮さん)が、島民との交流を通じて成長していくハートフルコメディー。中尾さんは清舟と中学からの付き合いで、清舟を信じて支えるマネジャーで画商の川藤鷹生を演じる。
「仕事で離島に行くと、東京出身の僕にはない、人と人とのつながりを感じます。コロナ禍で、オンラインでのコミュニケーションが増えましたが、苦しいときに助けてくれるのはやっぱり人なんだ、と感じられる作品。『あした、職場であの人と話してみよう』と思えるような、前向きになれるドラマです」
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