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パートナーと僕:フジテレビ榎並大二郎アナ 育児休業取得で話題 「息子の誕生で妻との絆と感謝が強まった」

 家族との良好な関係作りのヒントを、著名人に聞く。今回は2016年にモデルの有村実樹さんと結婚、2021年に息子が誕生し、2週間の育児休業を取得したことで話題になった、フジテレビの榎並大二郎アナウンサーに聞いた。

 ◇「母子ともに健康です」は当たり前のことじゃない

 男性の育児休業(育休)の取得率が76%(2022年度)と高い水準を誇るフジテレビで、月~金曜放送のレギュラー番組を担当する男性アナウンサーとしては初めての育休取得者となった榎並アナ。

 「出産がちょうど夏休みにかかる時期で、休みを取ろうと思っていたところ、上司に『育休どうする?』と聞かれ、背中を押されました。その少し前にも小泉進次郎議員(当時、環境相)の2週間の育休を伝えましたが、あらためて自分ごととして、見方が変わりました」

 育休を取ることについて、期待や不安はあったのだろうか。

 「育休前は、仕事の調整で緊張感がありました。いざ休みに入ると、後輩がしっかり代役を務めてくれ、『自分がいなくても仕事は回る』という安心感と寂しさがあって……。たった2週間でこんな気持ちになるのに、半年や1年以上の育休を取得した女性が復帰するときはどんな心境なのだろう、と想像しました」

 妻とは、10年の交際を経て結婚。妊娠してからさらに絆が強くなったと話す。

 「出産の立ち会いができたのも大きいです。まさに『おなかを痛めて』生むことが分かった。それまでは著名人の出産報告にある『母子共に健康です』というのを定型文のように受け止めていましたが、出産の現場を目の当たりにして、決して当たり前でない大切なメッセージであると実感しました」

 ◇妻が「家を回してくれていた」ことに気付けた

 一人暮らし経験がないまま結婚した榎並アナは、「家事を知らなかった」という。

 「妻がしてくれていた家事に気が付かなかったと言いますか、『見えていなかった』んです。家事“まがい”のことはやっていましたが、息子の誕生をきっかけに、本当の家事も知った気がします」

 育休期間は家事についても気付きが多かったという。洗濯一つとっても、洗濯機を回して、干して、取り込んで、たたんで、しまうまでが「洗濯」であることを知り、「僕のたたみ方では収納場所にうまく入らなかった」と振り返る。

 「『これもやらなきゃ』と考えているうちに夜になっていて。新生児育児をしながら家事をする大変さと、今まで妻がどうやって家を回してくれていたかに気付けたのは、育休を取った大きなメリットです」

 榎並アナは、家事や育児についてインスタグラムで発信。育休中も、息子の寝かしつけや、沐浴(もくよく)に挑戦する姿を公開していた。

 「何をするにも妻のほうが器用で……。2週間でコツをつかもうと頑張りました。今は、朝と夜、息子と接する時間を作っています。妻の負担も極力減らしたいですし、接する時間の長さによって息子の反応が如実に変わるので」

 ◇家族円満のために「仕事をハードにしない」

 妻と子供と円満に過ごすために心掛けていることを尋ねると、「仕事をハードにしない」という答えが返ってきた。

 「もちろん生計を立てなくてはなりませんから、仕事も大事です。でも、今の自分には、家庭をいかにして守るかということも大切。休日出勤もいとわず働いていたのが、息子の誕生をきっかけに『休めるところは休もう』と変化しました。せっかくオファーしてもらった仕事を断るのは勇気がいりますが、それで若手にチャンスが回るなら、と思えるようになりました」と仕事に対する姿勢にも変化があった。

 妻とは仕事の相談もよくする。「理解してもらうのはいいけど、それが我慢になってしまってはだめ。とにかく、夫婦での会話がものすごく増えました」と語る。

 コミュニケーションは密になったが、「妻とはけんかにはならない」という。

 「僕の至らない点を指摘され、言い返すこともできずに無言になってしまいますが、妻が対話を求めてくれる。話をすることで、けんかにならないようにしてくれているんでしょうね」と推測する。

 ◇家庭での視野が広がり、仕事にも生かす

 妻は、ハンドソープを補充するような、僕が日々さりげなくやっていることに対してもよく気付き、「ありがとう」と言ってくれる。

 「感謝を示されるのはうれしくて、自分も気付いたら感謝を伝えるようになりました。以前は、『家の中で何か変わってない?』とクイズを出されてまったく分からないこともあったんですが、視野が広がり、解像度が上がって、いろいろなことに気付けるようになりました」

 その視野の変化は職場でも生かされている。

 「特に、子育て中の先輩の仕事ぶりを見るようになりました。そして、自分もどうやって生産性を上げるかを考え、効率を追求するようになりました」

 最後に、榎並アナにとっての理想の夫像、父親像を聞いた。

 「良きパートナーとして、しっかり思いを共有し合えて、妻の考えていることが分かるのが理想。親としては、日本では父と母が性別で分業してきた歴史がありますが、共働きですし、対等に関わっていくことが理想です」

 <プロフィル>

 えなみ・だいじろう 1985年9月30日生まれ。東京都出身。2008年フジテレビ入社。2016年にモデルの有村実樹さんと結婚。2020年から「Live News イット!」(月~金曜午後3時45分)のメインキャスターを務める。2021年8月、長男が誕生。同年、9月18日~10月3日に育児休業を取得。

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