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俳優の仲里依紗さんが、劇場版アニメ「屋根裏のラジャー」(百瀬義行監督、12月15日公開)で声優を務める。イマジナリの少女・エミリの声を演じた仲さんに自身の子供の頃の思い出、10歳の息子、夫との生活について聞いた。
◇みんなのイメージはしっかり者 実際は「のんびり、ぼーっとした」子供
仲さんに自身の子供時代を尋ねると、「のんびり、ぼーっとしていた」という。
「3姉妹の長女だけど、本当は誰かに引っ張ってほしいタイプ。たまたま先に生まれてしまったから、しょうがなく“お姉ちゃん”をやっていました」
バービー人形の髪を切ったり、いろいろな形をした小さな消しゴムでおままごとをしたり、クリエーティブな遊びをよくしていたと振り返る。
「友達との交換日記も楽しかった。『こんな服を着たい』と洋服の絵ばかり描いていました。なぜか靴下はすべてルーズソックス」
今回、演じたイマジナリの少女・エミリについて、「しっかり者のお姉さん。元気いっぱいで、私のボーイッシュな感じの声が皆さんのイメージ通りだろうなと思った」と話す。
「ハキハキしている女子は、みんなが思う私のイメージだろうと、しっくりきました。私にオファーがくる理由も分かります(笑い)」
◇コロナ禍で友達と遊べなかった10歳の息子 家族3人そろう時間を大切に
俳優の中尾明慶さんとの間に生まれた、今年10歳になった息子は「YouTubeを見たり、友達とオンラインで待ち合わせしてゲームしたり」と苦笑いする。
「ちょうど小学校入学のタイミングが、コロナ禍で自粛を余儀なくされた時期。友達と顔を合わせて遊べず、4年生になってやっと友達の家に行けるようになった。仕方がないとはいえ、かわいそうな時期を過ごさせてしまった。大人になったとき、私が今話しているように、低学年で友達と遊んだ思い出を振り返れない。これからは今までできなかったことをたくさんやってもらいたい」
仲さんが子育てで大切にしているのは「家族で過ごす時間をできるだけ多くすること」。
「朝しか会えないことも多いので、夜、一緒にいられるときはゆっくりしたいし、土・日曜はなるべく一緒にいたいと思っています。3人そろうことはなかなかないので、ちょっとしたお休みでも出掛けるなど、計画して思い出をつくるようにしています」
小さいときは「ママ、ママ」とべったりだった息子も、最近はパパと遊びに出掛けるようになった。
「野球、車、釣りなど、男同士の趣味の時間を過ごすようになりました。仲間はずれというか、ちょっとさみしい気持ちはある。でも、ポジティブに『2人が遊びに行ったから自分のやりたいことやろう』と切り替えています」
以前、夫の中尾さんにインタビューした際に、「家事ができるようになったのに妻の評価につながらない」と嘆いていたことを伝えると……。
「最近も息子のお弁当箱を洗い忘れて数日たっていたことがありました。洗濯前の靴下がそのへんに転がっているのも日常。もう『こういう人だ』とあきらめているんです。できたときは『ロンドンがすごく晴れてるぐらい珍しい』と思うけど、褒めはしません(笑い)」
なかなか厳しい評価だったが、「息子と遊ぶようになったし、宿題とか家庭教師の先生との連絡とか勉強関連、家のお金の管理はやってくれています。お互い得意なことを分担している」とコメントは前向きだった。
◇声だけの演技は体力勝負 「少ない荷物で旅行」に挑戦したい
「屋根裏のラジャー」は、英作家のA・F・ハロルドさんの児童文学「The Imaginary」が原作。少女・アマンダの想像から生まれたイマジナリと呼ばれる“誰にも見えない少年”ラジャーと仲間たちが、愛する人と家族を救うために冒険を繰り広げる。
声の仕事と俳優の仕事の違いを尋ねると、「台本を見ながら演じられるかどうかの違い。エミリはすごくせりふが多くて、結局覚えなきゃいけなかったんですけど」と笑いつつ、「自分の動きで伝えられないので、声だけで伝えるために体力を使います」と教えてくれた。
現在34歳。「やりたいことを我慢したくない」といいつつ、仕事に家事に子育てに忙しい日々で「元気でいなきゃと思うのに、疲れが取れなくなっている」とも明かす。
「自分に必要ないなと思うものは断捨離して、本当に必要なものをピックアップしてやっていこうかな、と。私もだんだん大人になってきました」
挑戦したいのは「少ない荷物で旅行に行くこと」。
「量がないと不安なタイプ。お姉ちゃん気質なのか、『誰か使うかも』と常備薬まで必要以上に準備して、いつも重量オーバー。結局使わないものも多いので、なくても焦らない心を持って、そぎ落としの次のステージにいきたいです(笑い)」
<プロフィル>
なか・りいさ 1989年10月18日生まれ、長崎県出身。ドラマ、映画に出演するほか、ファッション誌ではモデルとして活躍。主な出演作品に、劇場版アニメ「時をかける少女」(2006年)、劇場版「TOKYO MER~走る緊急救命室~」(2023年)など。