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内田慈:多彩な技を繰り出す大相撲・宇良関が好き 「私も引き出しの多い俳優になりたい」

 舞台演劇でキャリアをスタートし、NHK連続テレビ小説(朝ドラ)「まれ」でのシタール奏者、連続ドラマ「silent」での川口春奈さんの同僚役など、主人公を取り巻く印象的な役を演じている内田慈(ちか)さん。キャリアを重ねて大事にしていることや、今、ハマっていることを聞いた。(前後編の後編)

 ◇「あんたばっかり可愛がられて」に反発心があった三姉妹の末っ子

 1983年、3姉妹の三女として生まれた内田さん。公開中の映画「お母さんが一緒」」(橋口亮輔監督)では、優等生の長女と比べられて育ってきたことを心の底で恨む3姉妹の次女・愛美(まなみ)を演じる。もともと舞台版があり、内田さんは同じ次女の愛美役で出演している。

 「舞台版と映像版でキャストが変わったことで出てくるグルーブが変わるので、それはすごく大きな変化だったと思います。私自身は3人姉妹の三女なんですが、劇中で長女がよく言う『あんたは可愛がられてよかったわよね』というせりふは、私も言われた経験があり、『ああ、そうそうこの感じ』と。姉たちから見ると、妹の私が小さかったからなんでも優先されていたと記憶しているようですが、写真のアルバムを見たら、やっぱり長女の写真がいちばん多いんですよ。『あんたばっかり』と言われて『そんなことないじゃん!」と言いたくなるの愛美の反発心は理解できました(笑い)」

 自身の姉とは「一緒に芝居を見に行くなど、仲良くしています。近い存在だからこそ、お互いへのリスペクトと良い距離感がいかに大切か?ということを年々発見できているのかなと」と話す。

 ◇自分といかに向き合うかが重要で大事な軸

 俳優としてのキャリアを重ねるうえで大事にしているのは「出会いと、その後のつながり」だという。

 「芝居は一人でできる芸術ではないので、人とのつながりや出会い、出会った後のつながりはとても大切にしています。舞台では、お客さんとも同じ空間で一定の時間を過ごすことができるという意味でつながれる、独特の仕事だなと思います。コンプレックス含め、自分といかに向き合うのかが一番重要な軸。逆説的ですが、そこを大切にすることこそが、出会えた他者をも大切にできる唯一の方法かなと感じています」

 現在、41歳。美容や健康面で意識していることも聞いた。

 「ランニングは習慣として定着しています。日焼けも気にしなくてもいい夜に、だいたい7キロくらいを走っているんですが、走るとすごく肌の調子もよく感じるし、朝、おなかがすいて起きるので、日中もりもり食べて快適に過ごせるので気持ちがいいです。雨が降ったら走るのはお休みなんですけど、最近、全然雨が降らなくて(笑い)。バレエにも通っていますが、仕事で行けない時もあって、細々とやっています」

 ◇「番付を想像」するほど相撲好き

 最近ハマっているのは相撲だという。

 「本場所は2カ月に1回ですが、ない月には来場所の番付を想像して過ごしています。力士それぞれの人生を掘り下げるとすごくおもしろくて、けがをして序二段まで落ちてしまったとか、そこからまた幕内まで上がったとか。相撲のことを調べてる時間は癒やしですね」

 特に気になっているのは宇良関。

 「相撲が独特で、何十年ぶりみたいな珍しい手を出してくる。負けるときは盛大に負けるのもおもしろいんです。もともとレスリングをやっていたそうで、その基礎があるから体が柔らかくて引き出しが多い。私もいろんな引き出しがある俳優になりたいなと思いながら応援しています」

 ◇念願の松尾スズキ作品に出演 「すごくエキサイティング」

 東京・新宿の「THEATER MILANO-Za」で行われている舞台「ふくすけ2024-歌舞伎町黙示録」に出演中。内田さんが俳優の道に進むきっかけとなった松尾スズキさんが作・演出を務める作品だ。取材時は稽古中で、目を輝かせながら思いを語った。

 「演劇を始めたきっかけの方の演出を受けるというのは怖くもあったけど、始まってみるととてもワクワクしていて、本当に日々挑戦。キャリアを重ねると、どうしても慣れてくるし、こんなに緊張して心を動かされるという経験はなかなかない。すごくエキサイティングな毎日を生きているなと思うし、初心を思い出しています」

 実は、2002年にも松尾作品のオーディションを受けており、最終審査には残ったものの、出演はかなわなかった。

 「約20年の間に経験を積んで、遠回りして良かったなと思えます。今回はオファーをいただいたときに、松尾さんからも直接ご連絡をいただきました。そのとき、最後に『あと、ほら(役名が)チカだしね』って。チカが中心の物語ではないんですが、自分にとってはとても大事な転機になりそうです」

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