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大竹しのぶ:67歳、年齢は意識しない 「自分がなりたい自分に今、なればいい」

 俳優の大竹しのぶさんがディズニー&ピクサーの最新映画「インサイド・ヘッド2」(ケルシー・マン監督)の日本語吹き替え版で、前作と同じくカナシミの声優を務めている。主人公の少女、ライリーの成長を描いた今作にちなんで、大竹さんの年齢に対する考え方、生き方などについて聞いた。(前後編の後編)

 ◇サラダにさっとお手製のドレッシングをかけて

 先月、67歳になった大竹さん。残りの60代をどのように過ごし、どんな70代を迎えたいのかと尋ねた。

 すると、「年取るのもいいものよとか、よく聞きますけど、何がいいんだろうと分からないというのが正直なところですね。やっぱり若くありたいと思うし、どんな60代や70代とかあまり考えないで生きてきた気がします。自分がなりたい自分に、今なればいいわけで、あまり年齢は意識していません」という答えが返ってきた。

 健康や美容で意識していることも、「もともと野菜が好きだったり、食べ物はちょっと気をつけるかなっていうぐらいですけど、神経質になったりはしないですね」と自然体に過ごしているという。

 野菜は「無農薬の野菜をサラダやおひたしなどサッと作って食べています」といい、「いろんな野菜を食べますが、例えばケールのサラダに、ドライフルーツやナッツを入れて、ドレッシングは自分で作って食べます。ドレッシングは、おいしいオリーブオイルとおいしいバルサミコ酢とちょっと蜂蜜を入れて。そうすると娘や娘の友達がすごくおいしいと言って食べてくれます」と母の顔で語る。

 運動も「舞台をやっている期間は自然に体を動かしたり、ストレッチをしたりはしてます」と無理のない範囲で続けているという。

 ◇カナシミ、イカリ、シンパイ…すべて人間にとって必要な感情

 「インサイド・ヘッド2」は、大人になると増えていく感情をテーマに、成長して新たな壁に直面する主人公ライリーの物語を描いている。2015年公開の「インサイド・ヘッド」の続編で、ライリーを子供のころから見守る感情のヨロコビ、カナシミ、ムカムカ、ビビリ、イカリのほか、新たな大人の感情としてシンパイ、イイナー、ダリィ、ハズカシが現れる。

 映画の中で嫌な思い出を捨ててしまうという描写がある。大竹さんはこのシーンについて、「そこはすごくいいシーンだなと思います。やっぱり嫌なことは忘れていこうっていう、いい思い出だけを胸にしまって生きていこうというのはすごくすてきな考え方だなと思うし、だからこそ人間って生きていけるんだろうなって思いますね」と語る。

 ただ自身が声を担当したカナシミ(悲しみ)に関する記憶は、「覚えている方がいいこともある」という。

 「悲しかったからこそ分かることもあるし、もちろん人との別れなどはきちんと覚えておきたい記憶ですね。この『インサイド・ヘッド2』に出てくる感情は、多分すべて必要な感情なんだろうと思います。イカリ(怒り)がなければ、前に進めないし、シンパイ(心配)ももちろんいるし、役者としてでなくても、人間にとってやっぱり必要な感情なんだろうなと思います。だからすごくよくできている(脚)本だなって思いますね」

 映画を鑑賞する子どもたちには、「単純でいなくちゃいけないと思うんです。子どもなのにそこにシンパイがあったり、ハズカシとかダリィっていう感情がない真っすぐな子どもになってほしいなって思いますね」とメッセージを送った。

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