「第98回キネマ旬報ベスト・テン」の表彰式に出席した「SixTONES」の松村北斗さん
人気グループ「SixTONES(ストーンズ)」の松村北斗さんが2月20日、東京都内で開かれた「第98回キネマ旬報ベスト・テン」(キネマ旬報社主催)の表彰式に出席した。映画「夜明けのすべて」(三宅唱監督)で主演男優賞を受賞した松村さんは「このたびは歴史のある賞をいただき、心の底からうれしい思いです」と喜びを語った。
松村さんは、「話すことをいくつか考えてきたものの、いざ(トロフィーを)手にすると、どれもしっくりこないな、と思いました。それだけ重みのある賞を今いただいたんだな、と思います」と心境を明かした。
続けて、「素直にうれしいですし、その一方で、僕じゃなくて、あの方のおかげで、あの方が、そんな思いも止まりません。なので、これからそういう方々一人一人に、感謝を持ちつつ、返せるときに恩を返しつつ、そして、またそういう方々と出会えるだろうワクワクを胸に日々精進していけたらと思います」と意気込みを語り、「あらためて、この度は歴史のある賞をいただき、本当にありがとうございました」と話した。
MCを務めた笠井信輔さんから、松村さんと主演女優賞の河合優実さんが表紙を飾った映画雑誌「キネマ旬報」2025年2月号増刊号について、「これまで数々の雑誌の表紙を飾られてきたと思いますが、主演男優賞で『キネ旬』の表紙です」と振られると、「驚きましたし、会場に着いたらこれでもかというくらい飾ってあって、戸惑いました」といい、「ここまでの歴史の賞となると、ただの表紙ではないというのは手に取るように分かる」と神妙な面持ちに。
「夜明けのすべて」が俳優人生にとってどんな意味があるか聞かれると、「いろんな側面がありつつも、誰かに居場所を作ってあげるような物語だった」と振り返り、「僕が賞をいただけたのも、それだけこの映画によって居場所を見つけられた方が多かったのかな。そう思うと、本当に救われた方が少しでもいることが実感できて本当によかった」と話した。
また、「トップアイドルグループと俳優としての二つの居場所をお持ちですが、すみ分けられていますか?」と質問されると、「どうしても一つの体というか、思考なので、自分だと判断しきれない。どこに行っても支えてくれる方、刺激を与えてくれる方がいるのがこの仕事で、その方々に自然と引っ張ってもらっています。自分でコントロールできない未熟さ、成長の伸びしろがあるワクワク、そんなものを毎日感じています」と答えた。
さらに、俳優とアイドル、それぞれの魅力について、「難しい質問……」と悩みながら、「どちらにも仲間がいる仕事ですが、アイドルグループはどこか人生をかけて一生を共にするという思いのもと集まっていて、自分というものがパーセンテージとしては多いと感じます」とグループへの思いを明かした。続けて、「映画などは、主軸は作品であって、そのためにみんなで自分の要素を渡し合って、みんなで一つの貯金箱にためていくよう。そこには大きな違いを感じながら活動しています」と話した。
同作は、日本映画ベスト・テン第1位を獲得、三宅監督は日本映画監督賞、読者選出日本映画監督賞を受賞した。
◇2024年第98回キネマ旬報ベスト・テン受賞一覧(敬称略)
<作品賞> 日本映画ベスト・テン第1位:「夜明けのすべて」(三宅唱監督)▽外国映画ベスト・テン第1位:「オッペンハイマー」(クリストファー・ ノーラン監督)▽文化映画ベスト・テン第1位:「正義の行方」(木寺一孝監督)
<個人賞>日本映画監督賞:三宅唱「夜明けのすべて」▽日本映画脚本賞:野木亜紀子「ラストマイル」▽主演女優賞:河合優実「ナミビアの砂漠」「あんのこと」▽主演男優賞:松村北斗「夜明けのすべて」▽助演女優賞:忍足亜希子「ぼくが生きてる、ふたつの世界」▽助演男優賞:池松壮亮「ぼくのお日さま」「ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ」▽新人女優賞:中西希亜良「ぼくのお日さま」▽新人男優賞:越山敬達「ぼくのお日さま」▽読者選出日本映画監督賞:三宅唱「夜明けのすべて」▽読者選出外国映画監督賞:クリストファー・ノーラン「オッペンハイマー」▽読者賞:斎藤環「映画のまなざし転移」