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有村架純:「フラットでいること」を大切に 「私の態度で気を遣わせないで済むかな」

 福山雅治さん主演の映画「ブラック・ショーマン」(田中亮監督、公開中)に出演する俳優の有村架純さん。仕事をする上でのモットーや今後やってみたい役柄などを聞いた。(前後編の後編)

 ◇“素の自分”でいれば周りに気を遣わせない

 2010年にデビューして15年。仕事現場でのモットーは「フラットでいること」だと話す。

 「作品によって撮影期間が短かったり長かったりしますが、いつもフラットでいるようにしています。例えば、ちょっと無理して『元気でーす!』という感じで現場にいると、たぶんテンションの高低差に疲れてしまいそうだし、自分をよりシャープにさせる可能性もあると思います」

 変に頑張ったり無理したりせず、“素の自分”でいることは、周囲への気遣いの表れでもある。

 「常に同じ感じでいれば、周りの人が『元気ないから疲れているのかな』『すごく笑ってるから今は元気なんだな』とか、私の態度を気にすることが減るのかなと思っていて。『私はこういう人なんです』と理解していただけるんだったら、フラットでいた方が気を遣わせないで済むのかなとか思っているんですが……。15年やっていても正解はまだわからないですね」

 「いつもこんな感じなんですよ、私」と落ち着いたトーンで語る有村さんに、はしゃぐのはどんな時なのか聞くと、「皆さんと話している流れの中で、楽しい瞬間ももちろんあるので、そういった時は我慢せずにガハガハ笑いますよ」と教えてくれた。

 ◇静かな町で起きた事件だからこそ「より心が痛くなりそう」

 映画は、東野圭吾さんの小説が原作。元中学校教師の神尾英一(仲村トオルさん)が何者かに殺され、真実を知りたいと願う娘の真世(有村さん)が、マジシャンの叔父・神尾武史(福山さん)と殺人事件の謎に挑む……というストーリー。

 「ブラック・ショーマン」というタイトルを聞いて、イメージしたのは「黒いハットの絵文字」だと笑顔で明かす。

 「漠然としたイメージで、すごくド派手な物語と思いきや、静かな町で起こる一つの事件が、物語を動かしていく。爆破があったりとか、豪華客船が出てきたりとか、そういったことはないんですけど、チクチクと、小さい痛みがたくさんちりばめられている、すごく繊細な、ミステリーエンターテインメントになっていました」

 物語の舞台には、自身の生まれ育った場所に似たものを感じている。

 「私の地元もそうですけど、どこに誰が住んでいるかをみんなが把握していて、近くには小学校からの同級生がたくさんいて……という小さなコミュニティー。隣に誰が住んでいるのかも知らないような都会よりも、なにか事件が起きたときに、よりいっそう心が痛くなりそうだなと感じながら演じました」

 ◇ポップなラブストーリーにも意欲

 これまでに演じてきたさまざまな役柄について、「似たような役でも、名前も違うし、性格も全く同じではないので、お仕事をいただいた時点で、また違ったものをお客さんに届けられるなと想像している」という。

 「今後も挑戦してみたい役柄はたくさんあります。わかりやすいジャンル分けで言うと、医療ものだったり、刑事ものだったり、アクションのあるものだったり、専門用語がいっぱいあるものだったり……演じたことない職業ものっていうのはいっぱいあるので、挑戦してみたい。ちょっとポップなラブストーリーもやってみたいです」

 この先もさまざまな顔を見せてくれる有村さんに期待したい。

 <プロフィル>

 ありむら・かすみ 1993年2月13日生まれ、兵庫県出身。2010年、ドラマ「ハガネの女」(テレビ朝日系)でドラマ初出演。2015年、映画「ストロボ・エッジ」、映画「ビリギャル」で主演を務め、映画「ビリギャル」では日本アカデミー賞優秀主演女優賞・新人俳優賞をダブル受賞。2021年の映画「花束みたいな恋をした」では、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞した。2022年にはドラマ「石子と羽男」(TBS系)、映画「月の満ち欠け」、2023年にはNHK大河ドラマ「どうする家康」、映画「ちひろさん」、2025年には映画「花まんま」などに出演。

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