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穂志もえか:賀来賢人のオファーに「付いていくしかない」 姉の結婚で「寂しくて不安になった」 主演映画「Never After Dark」の姉妹に共感も

 エミー賞史上最多18部門を受賞したドラマ「SHOGUN 将軍」に出演し話題になった俳優の穂志もえかさん。俳優の賀来賢人さんがプロデューサーを務める映画「Never After Dark/ネバーアフターダーク」(デイヴ・ボイル監督、6月5日公開)で霊媒師の主人公・愛里を演じる。オファーを受けたときの心境や自身の姉との関係などを聞いた。

 ◇突然メールで届いたオファー 「あなたがいい」が自信に

 霊媒師の愛里と、ある事件で霊となった姉の美玖は、霊と交信できる力で全国各地の怪事件を解決していた。ある日、人里離れた洋館のオーナー、禎子(木村多江さん)から「昼夜12時台に屋敷に現れる男の亡霊を祓(はら)ってほしい」と依頼され、除霊の儀式を行うと、愛里はおぞましい姿でなにかを必死に探す亡霊と遭遇する。屋敷の秘密と亡霊の正体、姉妹を縛る恐ろしい過去が明らかになっていく……というストーリー。

 出演のオファーは、穂志さんがフリーランスの時代に、メールで直接届いたという。

 「『賀来賢人のマネジャーです』とすごく腰の低いメールと企画書とプロットが届いて。企画書がすごく面白そうだったので、一度ざっくばらんに話す場を、ということで、まだ台本もない状態でお会いしました。企画書にはイメージキャストが載っていて、賀来さんの写真の上に、私の写真がドンってあって、びっくりしました。『すごい度胸だな』『ここ、私でいいのかな?』って。

 賀来さんにお会いしたとき、正直に『私はあんまりお客さんを呼べないと思います』と不安を話したら、『全く心配しないでください。面白い脚本と、素晴らしいキャスト、スタッフを集めたら、世界に通じる作品、映画が撮れるんだということを証明したい』って言ってくださって。クリエイティビティの力を信じている人たちだと分かったのがうれしくて、付いていくしかない、付いていこうって決めました」

 この時にかけられた「僕たちは今の穂志さんがいいと思っている」という言葉は、撮影を進める中でも力になったという。

 「最初は見え方とか気にしていたんですが、もっとシンプルでいいんだって。キャスティングした人や監督が『あなたがいいんです』と言ってくれているんだったら、私は堂々としているだけでいいんだなと思えました。その入り口の言葉がすごく大きかったです」

 ◇無意識に頼り合う姉の存在

 演じた愛里については、「“複雑さ”と“シンプルさ”が共存している感じ」だと分析する。

 「生い立ちはいろいろ複雑なんですけど、怒ったり泣いたり、表出するものは意外とシンプル。そういうところは共感できるかな。でも私は、霊的なものは見えないので……。そういう世界があると信じられるのはロマンがありますよね」

 愛里と美玖の姉妹関係も印象的に描かれる。穂志さん自身も姉がいて、「撮影からは1年以上たつ中で、姉と私の人生にも変化があって、一周回ってとても共感できる」と話す。

 「私もどちらかというと『どうするの?』『やらなきゃダメだよ』とお姉ちゃんのお尻を叩く妹。姉が最近、結婚したんですけど、すっごく寂しくて、不安になってしまって。それまでは、お姉ちゃんが私に依存していると思っていたんですけど、離れてみたら、私こそ依存していたんだと気づきました。愛里も美玖に『お姉ちゃんもうあっち行って!』と言いつつ、いなくなったら『お姉ちゃん、どこ?』って不安になるところはよく分かります」

 家族が姉妹2人きりという共通点もある。

 「私と姉は、途中で父と母を亡くしたので、最初から孤児だったわけではないんですけど、残された姉妹2人で手を取り合っているのは同じ。人間としてのタイプは私と姉では全然違うんですが、2人で乗り越えなくてはいけない事務的な課題もあるし、無意識に頼り合っている。結局なんだかんだ仲がいいってことですよね(笑)」

 ◇「無理なものは無理」 先輩から学んだ信念を持つ大切さ

 これまでは、信念が違う相手でも理解しようとしたり、ポジティブに受け取ろうとしていたというが、「最近、無理なものは無理と思うようになった」と笑う。

 「無理をして迎合したり理解しようとしたりすると、自分の大切なものが削られて、だんだん薄くなっていっちゃう気がして。それなら、自分の信じているもの、何が好きで何が嫌いかとか、自分の輪郭や境界線をもう少ししっかり保ったまま、価値観の違う相手と接する。『無理そうだな』と思ったら接しない選択もあると割り切るようになりました。そうしていくことで、ゆくゆくオリジナリティーのある俳優になるんじゃないかなって思うんです」

 「自分の信じてるものはやっぱり大切」と力を込める。

 「大先輩の俳優さんたちと接する中で、彼らも自分を貫いてきた結果、唯一無二の存在になってるんだろうなと実感しています。信念を持つことの大切さは先輩方の姿からも学んでいます」

 <プロフィル>

 ほし・もえか 千葉県出身。講談社主催「ミスiD2016」でグランプリを獲得。2018年公開の「少女邂逅」で映画初主演を果たす。「SHOGUN 将軍」(2024年)では宇佐見藤を演じ、第30回クリティクス・チョイス・アワードドラマシリーズ助演女優賞を受賞。ドラマ「京都人の密かな楽しみRouge継承」(NHKBS)ではドラマ初主演を務めた。近年の主な映画出演作に、「街の上で」(2021年)、「窓辺にて」(2022年)、「生きててごめんなさい」(2023年)、「誰よりもつよく抱きしめて」(2025年)などがある。2026年の待機作に映画「メモリィズ」(6月12日公開)がある。

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