映画「FUJIKO」で企画・プロデュースを務め、取材に応じたMEGUMIさん
6月5日公開の映画「FUJIKO」(木村太一監督)で企画・プロデュースを務め、俳優として出演もしているMEGUMIさん。作品への思いや、パワフルに日々を過ごす原動力を聞いた。
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MEGUMIさんは、木村監督の前作「AFTERGLOWS」(2023年)に出演したことで仲良くなり、「次は自分の母親の作品を作りたい。プロデューサーとしてジョインしてほしい」と依頼されたという。
「プロデューサーとしての経験もまだ浅かったですが、日本人女性の自己肯定感が世界最下位というニュースを見て、『私が自分で企画するなら女性をエンパワーメントするもの』と決めていたんです。やりたいことと合って、太一さんの才能や人となりも知っているので、参加を決めました。実現までに4年かかりましたが(笑)、ようやく形になって感無量です」
映画は1970~80年代の静岡を舞台に、シングルマザーとして力強く生き抜く女性を描いたヒューマンドラマ。4月にイタリアで行われた「第28回ウディネ・ファーイースト映画祭」で賞を競うメインコンペティション部門に正式出品され、最高賞にあたるゴールデン・マルベリー賞と、ブラック・ドラゴン・特別観客賞を受賞した。
「当時は男尊女卑が明確にあって、シングルマザーはほとんどいなかったし、むしろタブーとされていて、『なんで離婚して子どもを育ててんの?』ということも当たり前に言われていたような時代。今はそういう言葉をかけられることは少なくなっても、預けられる場所がない、子どもを産んだら仕事がままならないとか、実はあまり変わっていません。そこをきちんと丁寧に、説教臭くなく描きたいなと思いました。
『エンパワーメントしたい』っていうと誤解されるんですけど、“Me Too運動”みたいな『私の苦しみ分かって!』ではなくて、いろんな状況を引き受けて『自分で自分の人生をクリエイトしましょう』というのが私のエンパワーメントの形。そこが太一さんと全く同じで、男性が撮ることに意味があると思いました」
片山友希さんが演じる主人公の富士子について、MEGUMIさんが特に共感したのは「行動力」。
「未熟ゆえに失敗もありますが、子どもを育てるために働き場所を次々と変えるなど、とにかく“動く人”。私も人生の教訓として“考える前に行動”を掲げているので、行動したことで誰かと出会って、そこからまた人生が開いていく経験もしているので、共感できました」
MEGUMIさんの母も、シングルマザーとして育ててくれた。幼少期は母に対して、「なんでこんなに感情的なんだろう」と感じていたという。
「今思えば、1人で育てていくのは大変だったでしょうし、気持ちがよく分かるようになりました。初めての子育てでも急に“親”という肩書きで世間に見られますよね。母である前に、人間として未熟だったとしても、『母なんだからちゃんとしなさい』とプレッシャーを感じ、“理想のお母さん像”と比べて自分に刃(やいば)を向けてしまう。たぶん日本のこれまでの歴史から骨までしみこんでしまった感覚なんでしょうけど、私も結婚した瞬間からその仕組みに自分がはまらなきゃいけないと感じて、自分を責めることもありました」
パワフルに日々を過ごすMEGUMIさんの原動力は「人生は自分で盛り上げていくしかない」という思いだという。
「誰かが与えてくれるのを期待していても、誰も何もしてくれないものじゃないですか。具合が悪いのも誰も気づかないし。だから自分で、ちっちゃいご飯会とか、誕生日会とか、人生のイベントごとを増やしていく。企画するのは好きだし、楽しいので」
一方で、40歳を過ぎてから“できない理由”を探しているときもあると明かす。
「『またいつかやればいい』『誰かがやっていたから自分がやらなくても』ということがたまにある。どうしても気持ちが乗らなかったり、スケジュールが厳しかったりすることもあるので、精査、選択しながら、二度とないチャンスは逃さないように、見極めています」
プロデューサーも務めるようになり、作品作りに携わる上での目線が増えたという。
「俳優として役をやる時は、視野をできるだけ狭くして、その人がどういう人か、なんでこんなにつらいんだ、うれしいんだということを突き詰めていく感じなんですけど、プロデューサー業は全体を見て、『あ、問題が起きた、はいはい』『これ終わりだから、次はこっち』みたいな、視野の高さが全然違うんですよね。だから自分が企画もしている作品に出るときは、撮影日の前にちょっとお休みをもらって、視野をこうギュウって狭める時間を作るようにしています」
多岐にわたる仕事を抱える日々で、今は新たに何かを始めるより「太くしていくフェーズ」だと話す。
「プロデューサーとしてバラエティーも作って、ドラマも作って、映画も作って、コスメも作って……。とにかく今やってることを強化したい、続けていけるものにしたいなと思いますよね」
忙しく過ごす日々でリフレッシュできるのは、夜中に1人で映画館に行くこと。
「お酒飲んでからすっぴんで、レイトショーに出かけることもあります。携帯を触ることもできない環境で、まったく違う世界に入り込んで、今置かれてる状況がすべて忘れられるし、次の日の予定がどうとかそういうのも気にしない時間が好きですね」
<プロフィル>
めぐみ 1981年9月25日生まれ、岡山県出身。2001年に芸能界デビュー。俳優として第62回ブルーリボン賞助演女優賞を受賞。近年は映像の企画、プロデュースも行なっている。プロデューサーとしての作品にドラマ「完全に詰んだイチ子はもうカリスマになるしかないの」(2022年、テレビ東京)、映画「零落」(2023年、竹中直人監督)などがある。
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