一般社団法人Try Angle旅行未経験層でも8割が外出を望む結果 おむつ替え場所の不足などが旅の大きなハードルに

一般社団法人Try Angle(石川県金沢市/代表理事・須田麻佑子)は、
医療的ケア児者の家族を対象に、旅行に関する全国実態調査を実施し、47都道府県の345名(有効回答)から回答を得ました。調査の結果、
回答者の約8割が宿泊旅行を経験しており、宿泊旅行未経験の家庭でも約8割が「子どもと外出したい」と考えていることが分かりました。一方、
旅行経験者の94.2%が交通・宿泊のすべての手配を自力で行っており、行き先の選定から問い合わせ・当日の段取りまでを一手に担っている実態が明らかになりました。
旅行中の困りごとの第1位は「おむつ替えの場所がわからない(62.4%)」で、一般的な乳児用のおむつ替えスペースを利用することが難しいという、医療的ケア児者家庭ならではの課題が浮き彫りになりました。また、
設備そのものの不足に加え、必要な情報へアクセスしづらいことが旅行の大きな障壁となっていることも示されました。
調査背景
痰の吸引や人工呼吸器などの医療的ケアを日常的に必要とする「医療的ケア児」は増加傾向にあり、全国に約2万人存在するとされています。医療的ケア児者は医療機器を載せられる大きな車いす(バギー)を使用していたり、ケアのために常時電源の確保が必要だったりする場合も多く、長時間の移動や宿泊を伴う旅行には大きなハードルがあります。
Try Angleは、病気や障害の有無にかかわらず誰もが旅行を楽しめる社会の実現を目指し、医療的ケア児者とそのご家族の旅行支援に取り組んできました。しかし、医療的ケア児者と家族の旅行実態や外出時に直面する困難について全国規模で把握した調査は多くありません。そこで今回、団体として初めての全国調査を実施し、外出・旅行に関するニーズや課題を明らかにすることを目指しました。
調査結果概要
本調査では、医療的ケア児者とその家族の多くが旅行・外出への高い意欲を持つ一方、旅先の情報不足・環境の未整備・手配の負担という複合的な課題を抱えている実態が浮き彫りになりました。
<調査概要>
実施期間:2026年2月17日(金)~3月22日(金)
対象:医療的ケア児のご家族(旅行経験の有無は問わない)
方法:WEBアンケート
総回答数:352 有効回答数:345(総回答数のうち、上記対象者に該当しない回答と重複を除いた数)
●回答者の約8割が宿泊旅行を経験/未経験者でも約8割が「外出したい」と回答
回答者の約8割が宿泊旅行を経験していました。また、
宿泊旅行の経験がない方(68名)においても、80.9%が「外出(旅)をしたい」と回答しました。また、
宿泊旅行の経験がない方のうち、約半数はお出かけの意向があるにもかかわらず、外出ができていない状況であることがわかりました。
●94.2%が、個人で交通機関や宿泊等を手配。宿泊に必要な情報が不足し問い合わせが必須の状況
宿泊旅行を経験している方に旅行の手配方法をたずねたところ、94.2%が「個人で交通機関や宿泊等を手配する」と回答しました。宿泊施設を選ぶ際に重視するポイント(自由回答)からは、部屋の広さや間取り、エレベーターの出入口の幅、ミキサー食の提供可否など、細かな条件を一つひとつ確認している実態が浮かび上がりました。旅行代理店経由の情報や宿泊施設のWEBサイトだけでは必要な情報が十分に得られず、利用者自身が直接問い合わせを行わざるを得ない状況にあると考えられます。

●旅行をためらう理由は「体調への不安」と「情報不足」
宿泊旅行を経験していない方が旅行をためらう理由として最も多かったのは、「旅行中・旅行後の体調悪化が怖い(60.3%)」でした。
「問い合わせ・確認に時間を要する(38.2%)」、「旅先に必要な情報が不足していた(35.3%)」など、情報収集の難しさに関連する項目も多く挙がりました。
●「おむつ替え場所の不足」が大きな障壁に
宿泊旅行を経験している方が、
宿泊施設以外の場所で事前に確認する項目として最も多かったのが「おむつ替えの場所(70.6%)」でした。さらに、
旅行中に感じた不便として、62.1%が「おむつを替えられる場所がわからない」と回答し、自由回答では、特に高年齢の医療的ケア児者の家族から「乳幼児向け設備では対応できない」「車いす対応トイレはたくさんあるが、介助シートのあるトイレが本当に少ない」といった声が寄せられました。

調査結果の詳細は以下のPDFよりご覧いただけます。
調査結果詳細はこちら
※ご利用の際は出典に「一般社団法人Try Angle」を明記のうえ、お問い合わせフォームから用途をご連絡ください。
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また、本調査結果について、
6月19日(金)12:00~13:00にて、皆様とともに考察を深めるオンラインミートアップを実施します。ぜひともご参加ください。
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考察・今後の展望
本調査により、医療的ケア児者の家族は旅行・外出への強い意欲を持ちながらも、旅先の情報不足や環境整備の遅れが大きな障壁となっていることが明らかになりました。また、旅行手配の多くを家族自身が担わざるを得ない現状から、Try Angleが取り組む旅先情報のマッピングや旅行行程のコーディネート支援のさらなる推進が、旅行の課題解消に寄与する可能性も裏付けられました。
今後は、本調査結果を踏まえ、観光事業者や医療的ケア児者家庭との意見交換・ヒアリングを重ねながら、設備面の改善と並行し、旅行事業者向けの研修や、ご家族が必要な情報にアクセスしやすくなる仕組みづくりを進めていきます。
医療的ケア児者とその家族が、住む地域や状況に左右されず、安心して外出や旅行を楽しめる社会の実現を目指し、活動を続けてまいります。
Try Angleの活動は、皆さまからのご支援によって支えられています。引き続きの応援をお願いいたします。
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一般社団法人Try Angle(トライアングル)について
医療的ケア児とその家族が外出・旅行を楽しめる社会を目指し、情報発信や相談支援、受け入れ施設との協働などを実施しています。医療的ケア児のおでかけ・旅行応援ポータルサイト「ててとて旅行舎」の運営や、宿泊施設の受け入れ環境整備、オンライン勉強会の実施を通じて、医療的ケア児の旅行を応援したい人たちが学び、つながる環境づくりを進め、課題の調査や発信にも取り組んでいます。
代表理事:須田 麻佑子
所在地:石川県金沢市菊川1-26-4
設立:2020年12月
公式HP:
https://try-angle.org/
医療的ケア児のおでかけ・旅行応援ポータルサイト『ててとて旅行舎』:
https://tetetote-travel.jp/企業プレスリリース詳細へPR TIMESトップへ