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女優の野波麻帆さんが、阿部寛さん主演で公開中の映画「つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語」(行定勲監督)に不動産会社に勤める女性・橋本湊(みなと)役で出演し、体当たりの演技を見せている。野波さんに役どころについて聞いた。(毎日新聞デジタル)
映画は、直木賞作家・井上荒野さんの恋愛小説が原作。奔放で不貞を続けた妻・艶に悩まされていた松生春二(阿部さん)は、艶が病に侵され、意識不明の状態になったことで、艶の過去の男たちに、艶への愛の深さを確かめようと連絡を取り始める……という物語。艶の過去の男たちにまつわる女性を、小泉今日子さん、風吹ジュンさん、真木よう子さん、忽那汐里さん、大竹しのぶさんと、野波さんが演じている。
野波さんが演じる湊は、艶の最初の夫だった男性から好意を寄せられる役どころ。大胆なラブシーンを演じているが、その発端は行定監督の映画「パレード」(09年)の打ち上げでの行定監督との会話だったという。
「行定さんはすごく信頼している監督。『私が脱ぐんだったら行定さんが撮ってくださいね』って言ってたんです。『脱ぐのに抵抗はないの?』って聞かれて、私はまったく抵抗がないですから、『いい役だったら脱ぎます』っていいました」と当時を振り返る。そして2年後に今作のオファーがあり、「私がすごく好きな役でしたし、これだったらやりたいって(思った)」という。
野波さんは、同作を「フランス映画っぽい。(登場人物が)それぞれの道で、何か結論があるわけではない」と説明。そして「フランスの女優さんとか海外の女優さんってポンポン脱ぐ。それってすごくリアル。日本の人はあまり脱がないけれど、(監督に)そういうリアルさがほしいっていわれて。(体の)表(前面)は事務所的にNGだったんですけど、後ろは全部リアルに出しますみたいな感じで。すぽんと脱ぎました」と笑顔を見せながら、あっけらかんと語った。
艶のいとこの妻、艶がつきまとっていた男の恋人など、年齢も境遇も違うさまざまな女性が登場するが、もっとも自分に近いのは演じた湊だという。湊を「奔放に見えるけど、本当にちゃんと向かい合える誠実な人(男性)を探している、そういう人と向かい合いたいと思っている」といい、「自分をしっかり見てくれるような男の人を選ぶところに、ちゃんとしてるんだなって思って共感したんです」と話した。
次回は、野波さんの休みの日の過ごし方などについて聞く。
◇プロフィル
のなみ・まほ。80年5月13日生まれ。東京都出身。96年の「第4回東宝シンデレラ」でグランプリを受賞し、97年の映画「モスラ2」でデビューした。98年の映画「愛を乞うひと」で主人公の娘を演じ、第22回日本アカデミー賞新人賞・助演女優賞などを受賞した。映画、テレビ、舞台などで活躍している。今年は、出演した宮藤官九郎監督・脚本作品「中学生円山」が5月18日に公開される。