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「ハッシュパピー バスタブ島の少女」の一場面 (C)2012 Cinereach Productions,LLC.All rights reserved.
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「ハッシュパピー バスタブ島の少女」の一場面 (C)2012 Cinereach Productions,LLC.All rights reserved.

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注目映画紹介:「ハッシュパピー バスタブ島の少女」 極貧だがたくましく生きる人たちを描く

 今年の米アカデミー賞で、撮影当時6歳(ノミネート時9歳)だった主人公ハッシュパピー役のクヮヴェンジャネ・ウォレスちゃんが、史上最年少で主演女優賞にノミネートされるなど話題を呼んだ映画「ハッシュパピー バスタブ島の少女」が20日に公開される。監督は、それ以前は作曲家、アニメーターとして活動していたベン・ザイトリンさん。長編デビュー作となる今作では、脚本と音楽も手掛けた。

 堤防によって世界から切り離されたようなコミュニティー、通称“バスタブ”で暮らす6歳の少女ハッシュパピーは、母親は早くに家出し、飲んだくれの父ウィンク(ドワイト・ヘンリーさん)と2人暮らし。そんな中、100年に1度の大嵐がバスタブに襲いかかり、すべてが水浸しになってしまう。さらに、ウィンクが重い病気にかかっているようで、ハッシュパピーは一層厳しい現実にさらされることになる……という展開。

 愛らしい少女の冒険物語、はたまた父と娘の感動ストーリー……と思いきや、実際は極貧生活を強いられながらもたくましく生きようとする人たちを描いた作品だった。ウォレスちゃんが演じるハッシュパピーにしても、野生児といったほうが収まりがいいほどのたくましさを見せる。

 風刺を含んだ現代のおとぎ話だ。撮影はルイジアナで行われたそうだが、なるほどこの地が過去にハリケーンや石油の流出事故などに見舞われたことを考えると、意味深なストーリーも腑に落ちる。サンダンス国際映画祭グランプリ受賞作。カンヌ国際映画祭カメラドールなど4冠を受賞した。20日からシネマライズ(東京都渋谷区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

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